【イラスト簡単解説】【専門用語なしでサラッと読める】財務三表とは。貸借対照表(BS)損益計算書(PL)キャッシュフロー計算書(CF)の財務三表物語
目次
今回は、財務三表の各計算書を擬人化して解説しましたので、楽しく財務三表を学べます。
専門用語もなるべく使っていないので、サラッと読めます。
それでは、主人公の僕(BS君)が誕生して成長していく姿をみていきましょう。
(BSを擬人化した為、BS君の右と左の感覚がややこしくなりますが、私たちからみた右(貸方)と、左(借方)で解説します)
BS君誕生
ある日僕(BS君)は、サムライ事業株式会社のBS(貸借対照表)として生まれた。
出資者である僕(BS)のパパ(発起人、出資者、株主ともいう)が、僕(BS)にお金を出資してくれて、僕(BS)は誕生した。
僕(BS)は、ある一定の時点での僕の財産の状態を表しているんだ。
みんなからみて、僕(BS君)の右側(貸方)は、「どのようにお金を集めてきたか」、左側(借方)は、「どのように集められたお金を使ったか」を表している。
誕生時の僕は、極めてシンプル。
右側(貸方)が資本金で、左側(借方)は、現金及び預金。
ちなみに、資本金とは、会社の持ち主(株式会社なら株主)が出資したお金の事を言って、返済しなくていい、自分の資金の事をいう。
(参考)BSについて分かり易く解説した記事
【5分でわかる】貸借対照表とは。BS診断で読み方を楽しく学ぼう!超入門
1期目
そして、サムライ事業株式会社のビジネスが始まり1期が過ぎた。
毎期の終わりに、僕(BS)の状態を僕に関係する人たちがわかるように、決算書といものを作成するんだ。
僕(BS)の健康診断結果表みたいなものかな。
1期目の終わりの僕(BS)の状態は、誕生時はお金だけだったのに、そのお金でビジネスに必要なモノを買って、右側(貸方)の状態は誕生時に比べて変化している。
そして、どこからともなく1期目の終わりに、決算報告書にPLちゃん(損益計算書)が現れた。
PLちゃんは、ある一定期間のビジネスの成績表だ。
PLちゃんは、僕の右に入ってる集めてきた資本を使って、この1期間、その資本を増やそうと、一生懸命ビジネスをしていたのだ。
そして、PLちゃんは、「収益-費用=儲け」というこの1期間の経営の報告をして、その儲けを僕にくれた。
(儲けの一部は、いつも配当(儲けのおすそ分け)としてパパにもあげているみたい)
僕(BS)は、その儲けを、どうやって資金を集めてきたかを表す右側に大切にしまった。
PLちゃんが、資本を増やすのにがんばって持ってきたくれた儲けで、追加の集めてきた資金だからだ。
そして、来期、他のPLちゃんが、パパ(株主)のくれた資本と、一期目のPLちゃんが持ってきてくれた儲けを使って、また、資本を増やすべくビジネスをしてくれるだろう。
(参考)PLについてわかりやすく解説している記事
【図解】わかりやすい損益計算書(PL)。実際の損益計算書をみながら学ぼう
2期目
2期目も順調にビジネスが続いた。
1期目末と同じように、決算時に、2期目のPLちゃんが儲けを持ってきてくれて、僕(BS)はそれを大切に右側(借方)にしまった。
こうやって、PLちゃんが集めてきてくれた儲け(会社が生み出した利益)を積み立てたものは、「利益剰余金」と呼ばれている。
3期目
3期目は、感染症が流行って、僕(BS)もPLちゃんも流行り病に感染して、ビジネスが停滞した。
3期目のPLちゃんは、ボロボロになってしまっていた。ビジネスがうまくできず、僕の右側の資金を減らしてしまったと、何度も謝ってきた。
収益より費用が多くて、儲けがマイナスになってしまったのだ。
幸い、1期目と2期目のPLちゃんが持ってきてくれた儲けの積み立て(利益剰余金)で、その損失をカバーできたが、僕の右側の資金は減ってしまった。
僕は、PLちゃんに、不可抗力だから仕方ないよ。一緒に対策を練って次の期に備えよう!と励ました。
銀行からお金を借りる
3期目の流行り病で、お金が大分減ってしまって、ビジネスをするお金が足りなくなってしまった。
そこで、銀行からお金を借りてきた。
銀行から借りたお金は、どのように資金を集めたかを表す僕の右側(貸方)に、どれだけ銀行からお金を借りているかがわかるように、借入金の金額を入れた。
借り入れた当初は、お金をどのように運用したかを表す左側には、お金として持っているが、すぐにビジネスに使って、このお金は姿を変えていくだろう。
ちなみに、銀行等から借りた将来返さなくてはいけな資本を他人資本、出資者から出資されたり、自分で稼いだりした、将来返さなくてよい資本を自己資本と呼ばれている。
成長
4期目以降は、感染症も収まり、銀行からお金を借りたお陰で、運転資金が途絶えず、順調にビジネスが出来て、僕はどんどん成長していった。
月日は流れ、PLちゃんのスタイルもよくなって、多くの儲けを持って来てくれるようになった。
毎期持って来てくれる各代のPLちゃんの儲けの積立のお陰で僕(BS)の体格もよくなった。
上場とキャッシュフロー計算書
ある日、成長したサムライ事業株式会社は、もっとたくさんの資金を集めて大規模にビジネスをするために株式市場に上場した。
株式市場に上場すると、サムライ事業株式会社の所有権を分割して、株式という債権にして、不特定多数の人に出資をしてもらえ、たくさんの資金を集めることができるのだ。
要は、僕の左側(貸方)の資本金は、いままでパパ(設立当社からの株主)だけが出資をしていたけど、上場後は、この会社に興味を持ってくれたくさんの不特定多数の人達からも出資をしてもらえるのだ。
僕の左側(貸方)は賑やかになってきた。
僕に出資する人達が多くなって、キャッシュフロー計算書の作成を求められた。
PLちゃんは、「収益-費用=儲け」の報告を毎期末にしてくれるけど、実は、収益と費用は、お金の動きと一致していないから、その期にお金がどんな風に増減したかを知る事ができない。
その期における、お金の動きをきちんと報告してほしいとの事だ。
(参考)収益と費用が、お金の動きと違う理由を解説した記事
売上と費用はいつ計上?発生主義と実現主義と費用収益対応の法則
【簡単図解】減価償却がわかれば資金繰りがわかる!減価償却と借入金とキャッシュフローの関係
そこで僕達はCFさんを雇って、CFさんに、その期におけるお金の動きを、営業活動、投資活動、財務活動、それぞれに分けて、報告してくれるようにお願いした。
その後は、毎期CFさんは、前期末から当期末までのお金の動きを報告してくれる。そして、キャッシュフロー計算書の当期末のお金の残高は、僕(BS)の左にあるお金の残高と一致する。
(参考)キャッシュフロー計算書を解説した記事はこちらになります
キャッシュフロー計算書を基礎からわかりやすく!実際に作成してみよう!入門準備編
上場後は、一定期間ごとに様々な事を有価証券報告書等で報告する必要があるが、その中でも
僕(BS/貸借対照表)、PLちゃん(PL/損益計算書)、CFさん(キャッシュフロー計算書)の3人は、財務三表と呼ばれ、特に重要な計算書とされている。
投資家や利害関係者たちは、定期的に、僕(BS)をみて、財務状態が健康かどうかを確認する。
PLちゃんをみて、今期の営業成績はどうだったかを確認し、過去のPLちゃんと比較したり、スタイルは良いか等を分析する。
CFさんを見て、営業でどれだけお金を稼いで、投資にどれだけお金を使って、財務活動でどのようにお金を管理しているかを確認する。
僕達、財務三表をみると、企業の健康状態や成長性が見えてくるので、僕達は投資家にとってとても大事な情報を提供しているのだ。
こうやって、時系列で僕達財務三表を見てみると、サムライ事業株式会社の歴史が見えてくる。
各代のPLちゃんが持ってきてくれた儲けを、僕は大切に僕の右側(貸方)に利益剰余金としてしまって、時々彼女たちの事を懐かしく思い出す。
CFさんは、お金の増減のアナウンスを的確にしてくれて、非常に頼もしいパートナーだ。
今後も、僕達財務三表は成長していき、サムライ事業株式会社の事業がつづく限り、財務の状況を表していくのだ。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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