値下げはダメ!ちょっとの値引きが資金繰りを大きく悪化させます

税理士法人サム・ライズの山口純です。

商品やサービスは順調に売れているのに、資金繰りが厳しい場合、
もしかして、価格設定に問題があるのかもしれません。

価格を見直して、財務体質を改善しませんか?

価格の設定は、経営の根幹をなす重要な意思決定です。
マーケットの動向や価格の相場、競合他社の兼ね合い、自社商品の特性等々、あらゆる視点から価格を決定をします。

ただ、決定した価格から、実際に儲けがでないと会社が存続できません

そこで、会計の視点から、損益分岐点分析(CVP分析)を通して、きちんと儲けの出る価格設定の方法を5回のシリーズにわけて解説していきます

第1回目  値下げが利益に与える影響について(今回の記事です。)
第2回目  損益分岐点について
第3回目  限界利益について
第4回目  固定費と変動費の分け方
第5回目  実際に分析をしてみよう!

 

安易な値下げが資金繰りを悪くする!?

販売数を増やすには、価格を安くする方法が手っ取り早く効果的かもしれません。

ただ、販売数アップ!を狙って安易に値下げに手を出してしまうと…

①競合他社よりも価格が安いから、商品がたくさん売れる!

②忙しいし、販売数も伸びてるから、順調順調!

③あれ、なんだか毎月の資金繰りが悪い…。売れてるはずなのに…。

といった事態に陥ってしまうかもしれません。

なぜこのような事がおきるのでしょうか?

 

値下げをしてはいけない理由

それでは、実際に数字でみてみましょう。

今回は、数式等は使用せず、感覚的な理解のみです。

すごく単純に、値引き前の売上が10,000、コストが8,000、でシミュレーションしてみましょう。

値引き率はたった1%なのに、儲け(利益)は5%も減ってる

値引き率は5%だと、儲けはさらに25%減少…。

えーい、消費税10%還元セールだ!値引き10%! あれれ、儲けが半分になっちゃった…。

コロナ応援キャンペーン! 赤字覚悟の30%オフ!…。本当に赤字になっちゃった…。

利益の減少率は、値引率を大きく上回ってしまいました

値引き。。。怖いですね。。。

 

値上げは儲け(利益)を増やすのに効果的

逆に値上げをした場合はどうでしょうか?

 

素敵な結果となりました。

1%の値上げで、儲けが5%増加

5%の値上げで、儲けが25%増加

10%の値上げで、儲けは1.5倍

30%では儲けがなんと2.5倍!!

ただ、何もせずに値上げは難しいですよね。。。価格重視のお客様が離れていく恐怖感があります。

商品やサービスの付加価値をいかに上げて、価格を高い水準に据え置くかは様々な工夫が必要で優れた経営手腕が必要かと思います。
でも、そこにお商売の醍醐味があると思います。

 

安易な値下げによる負のスパイラル

安易な値下げをすると、、

儲けが減り、資金繰りが悪化する
・仕入資金が足りず、質の高い仕入先から仕入ができず、商品の質が下がる
・低価格の為、販売量は多く忙しいが、従業員に適正な給与を払う資金がなく離職率があがる

・商品の質が落ちて販売数が減るので、また新たなる値下げ

最悪、このような負のスパイラルに落ちていくことになりかねません。

恐ろしい事に、会計の知識がないと、売上が順調なので、資金繰りが悪い原因が価格設定にある事が気が付きにくいのです。

決して、暴利をむさぼる為ではなく、
きちんと儲けがあり、余裕のある価格決定が会社が健全に経営をしていく上で大事かということが感覚的にわかっていただけかと思います。

 

売上を伸ばすのではなく、利益を増やす

売上や販売数を伸ばす事に、ついつい一所懸命になりがちですが、
重要なのは、売上からコストを引いた実際の儲け(利益)を増やす事です。
1つの商品からの儲けが少なかったりマイナスではいくらたくさん売っても、骨折り損のくたびれ儲けという状態になりかねません。

 

値引きは、会社にとって有利な理由がある場合

値引きによって、儲けが大幅に減ることは上述の通りです。

ただ、経営戦略として値引きが有効な場合もあります。

たとえば、将来の売上の増加が見込める場合や広告宣伝や客寄せと割り切った値引きです。
また、乗り物、映画館、セミナーなどの席数が決まっており空席があってもなくても一定の固定費がかかる様な場合は、値引きをしてでも席を埋めたほうが利益が増加します。

本体を安く売って、カートリッジや替え刀等、その本体とセットになる商品で儲けを出す、
会員制の小売業で原価ギリギリで商品を売って、たくさんの方に会員になって頂いて、会員費で安定した儲けを出す、等
価格を低く設定した様々な戦略も存在します。

その他、値引きが有効な例もたくさんあると思います。

このように、行き当たりばったりな値下げではなく、経営戦略の一環とした考え抜かれた値下げは、長期的には利益に有効に作用します

 

価格設定と消費税

レストランでの価格設定

以前、営業を始めて間もないレストランの経営者から、レストランは繁盛してるのに、資金繰りが厳しいとの相談を受けた事があります。
お話しを聞いてみると、消費税を価格に反映していませんでした
たった1%の値下げでも資金繰りに大きく影響するのに、消費税率分の実質の値下げをしていたため、大きく資金が不足してしまったようです。
その後、価格を見直したら、資金繰りも改善し、もともと美味しいレストランだった為、値上げによりお客さんの足も遠のかずに健全な経営が出来る様になりました。

消費税増税の際の価格設定

このように、全く消費税を考慮しないで価格の決定をするケースは、流石に珍しいかもしれません。
しかし、消費税が8%から10%に上がった際に、価格を据え置くと実質の約2%の値下げとなってしまいます。
特に、元々、税込み1万円ポッキリ!というような価格ですと、2%の増税を価格に反映しなかった、なんて事にもなりそうです。

値下げは、たった2%でも儲けに与える影響が無視出来ないので、消費税の増税は、きちんと価格に反映させた方が良いです

分析をする際の注意点

また、実際に価格決定する際は、売上側もコスト側も、消費税込みの金額か消費税抜きの金額かをきちんと統一した数値で分析しないと誤った決定がなされてしまうので、細かい事ですが気をつけた方が良いです。

 

価格と販売数の関係及びCVP分析

経済学での需要供給曲線でみられるように、一般的に価格が下がると販売数が増えるし、価格が上がると販売数が減るのに、さっきのシュミレーションでは販売数が一定で、価格による販売数の増減は考慮していません。

今回は、価格決定が儲けにどう影響が出るかを感覚的に説明をしたくて、価格だけが変化し販売数が一定という、すごく単純なシミュレーションをしました。

販売数やコストをもっと細かく把握して、「損益分岐点」と「限界利益(率)」を使った損益分岐点分析(CVP分析)という管理会計の考え方をを中心に次回からもっと詳しく価格の分析をしていきたいと思います。

CVP分析は、Cost-Volume-Profit Analysisの略で、Cost(コスト)、Volume(販売数)、Profit(利益)の分析となります。

ただ、目標販売数が達成できるかどうかの判断は、需要や市場規模等に関係してくるので、会計の範囲から外れ、マーケティングの結果等を踏まえた経営者の判断となります。

 

まとめ

このように、ほんの少しの値下げが儲けや資金繰りに与える悪影響は大きいです。

値下げをする際は、慎重に、会社に長期的な利益をもたらす場合のみにしましょう。

 

税理士法人サム・ライズでは、経営支援や、毎月の財務分析がスピーディーに行えるような迅速な記帳代行等も行っております。お気軽にご相談ください。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの経営支援について

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