個人事業主の所得税の計算例と、令和3年の所得税改正について

こんにちは!川越の税理士法人サム・ライズの石田です!

前回と前々回のブログ「個人事業主の開業、会計処理から実際の税金計算について」と「個人事業主の実際の税金計算例について」においては、個人事業主の開業手続きから会計処理、所得税計算の基本、実際の所得税計算をご紹介致しました。

今回は、前回の続きの実際の所得税計算事例のご紹介と、令和3年の所得税計算に向けての主な改正された所のポイントを紹介させていただきます。

家内労働者等の税金の特例

特例を使用した事例

家内労働者等の税金の特例とは、ヤクルトレディなどやシルバー人材センターで働く方、保険外交員の方々が当てはまる、「特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」が、所得税の計算上必要経費として最大55万円まで認められる制度です。

形態としては個人事業主となりますが、実際はサラリーマンに近い働き方となるために、必要経費の計上を認めてくれるものかと思います。私が過去に確定申告の計算をさせていただいたお客様で、この特例を使った方がいましたのでご紹介致します。

この方は、長年個人事業主で、定期的に2~3社から清掃の仕事を委託されて働いてきました。もちろんサラリーマンではないので、毎月ご自身で請求書を発行し委託会社へ送付し、預金へ入金されるという流れです。詳しく言うと、1社は毎月必ず仕事があり、他の数社は半年に一度や突発的に仕事の委託がある状態です。実際に発生している経費を伺ったところ、その仕事をしに行く会社への移動交通費がかかるくらいで、掃除用具や洗剤などは全てその会社が用意してくれる状況とのことでした。

まさに上記にある通り、家内労働者等の税金の特例に当てはまる経費の状況だとわかりますが、家内労働者等の定義にある「特定の者に対して継続的に人的役務の提供」というところについて、突発でたまに仕事の依頼のある会社からの委託があってもこの制度を使えるのか?と少し疑問になりました。

そこで税務署職員へ問い合わせを行い、状況説明をさせてもらい確認したところ、今回のケースは全て家内労働者等の税金の特例制度を利用可能とのことでした。

計算例ご紹介

家内労働者等の税金の特例の適用ができることが分かった場合、次は所定の申告書類の作成を行います。実際の経費が55万円に満たないところは、55万円までの必要経費算入を認めてもらうよう申告書の作成をしました。
(国税庁参照:「家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の適用を受ける場合の必要経費の額の計算書」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/02/09.pdf)

ごく普通の個人事業主の計算であれば、移動交通費しか経費を入れられず所得税が高くなることは明らかでしたので、この制度を適用できたことはお客様にも大変喜ばれました。私も大変貴重な勉強と経験になりました。

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令和3年の所得税計算の改正ポイント

今年分の所得税における代表的な税制改正情報の確認したいと思います。

住宅ローン控除の見直しについて

まずは、住宅ローン控除の見直しです。

住宅ローン控除とは、住宅を購入された方で金融機関等から借入をしている方に適用される所得税の減税制度です(適用するには要件があります) 。具体的には、住宅を購入した年により、10年以上の所得税額控除が認められるというものです。

実際には、所得税計算をする年の年末の借入残高に、定められた率を乗じて計算された金額を、所得税から直接控除することができます。注文住宅は、令和2年10月~令和3年9月末までに購入(契約)されたもの、分譲住宅などは、令和2年12月~令和3年11月末までに購入(契約)されたものが適用できる住宅の購入要件となります。

また、住宅の面積要件もあり、住宅の床面積が40㎡以上(ただし、40㎡~50㎡未満の場合は所得1,000万円以下)である必要があります。住宅購入後令和4年末までの入居も必要となりますので、該当する可能性がある方は、要件に当てはまっているか細かな確認が必要となっていきます。

全ての要件に当てはまれば、得税の控除期間は13年となります。近年では消費税が8%から10%に引き上げられた後から控除期間は10年から13年に延長されていましたので、今回の改正では新型コロナウィルス等による経済対策の措置という理由ですが、実質は延長が長引いたという形となります。

国や自治体の子育て関連の助成金等の非課税について

令和2年分までは、下記のような国や地方自治体の行ってきた助成については、雑所得として所得税の課税対象となっておりました。

・ベビーシッターの利用料に対する助成
・認可外保育施設等の利用料に対する助成
・一時預かり、病児保育などの子どもを預ける施設の利用料に対する助成

しかし、子ども・子育て支援法による保育料無償化による補助金の非課税や、学資金が所得税法上非課税となっていることを背景に、「保育」関連の助成金等についても所得税が非課税となることとなりました。

退職所得課税の適正化について

退職所得課税においては、「1/2課税」と呼ばれており、(収入金額△退職所得控除額)×1/2×税率=退職所得に係る所得税額で計算されます。

ただし平成24年の税制改正において、勤続年数5年以下の法人役員等の退職金については、上記の計算にある「1/2」の課税計算の必要性が認められないことから、「1/2課税」の措置を適用しないこととされています。

(国税庁参照:「退職所得控除の計算方法」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
(国税庁参照:「退職所得の源泉徴収税額の速算表」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2732_besshi.htm

今回の改正では、勤続年数5年以下の法人役員等以外の方々の退職金について改正となりました。その方々の上記の計算式における、退職所得控除後の残額が300万円を超える部分について、「1/2課税」を適用しないこととなりました。

この改正により勤続年数5年以下の役員等以外の方に関しては、細かな計算が必要となるため、事務が煩雑になることが予想されます。

まとめ

今回は、個人事業主の所得税の計算例と、令和3年の所得税改正についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。令和3年の所得税改正に関しては、令和2年の改正による基本的な所得税計算の大きな変更があったわけではないので、該当する方のみ間違えないよう計算をする形となりました。

改めて令和2年からの改正においては、基礎控除の変更、給与所得控除の見直し、公的年金等控除の見直し、ひとり親控除などと、抜本的な改正が行われ、おそらく多くの方々が多少なりとも影響を受けているのではないのかと感じます。

介護子育て家庭の方や、19歳~23歳未満の特定扶養のお子さんがいる方に、今までより税金負担のない形か税金優遇という形で差をつけた印象です。ここは令和3年分の所得税計算においても継続されますので、引き続き今年の個人個人の状況を確認しながら適正な計算を行っていくところとなります。

川越の税理士法人サム・ライズでは、個人事業主の方の確定申告サポートも行っております。ずっと無申告のまま来てしまった、あるいは業務が忙しく確定申告は専門家にお願いしたいなど、確定申告でお困りのことありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの確定申告について

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