社会福祉法人の決算の流れについて

こんにちは、川越の税理士法人サム・ライズの東海林です。

前回までは、計算書類や附属明細書、財産目録についてまとめてきました。

今回は、社会福祉法人の決算に必要となる計算書類や附属明細書をどのタイミングで作成・提出していくのか?について、まとめていきたいと思います。

社会福祉法人の決算期はいつ?

まずは社会福祉法人の決算期がいつか?ということですが、皆さんご存知の通り3月31日が社会福祉法人の決算期となっています。

また、決算に必要となる書類ですが、原則として、法人全体、事業区分別、拠点区分別に、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表の3つの計算書類を作成する必要があります。

これらの計算書類等及び財産目録については、社会福祉法第59条により所轄庁への届出が義務とされています。

計算書類等及び財産目録を併せて作成した上で、毎会計年度終了後3か月以内、

つまり6月30日までに所轄庁に原則として 財務諸表等電子開示システムを利用し届け出をすることとされています。

その他、資産の総額の変更、役員変更の登記や計算書類等を事務所へ備え置く必要があります。

上記の通り6月30日までに所轄庁へ提出をする前に、監事監査の実施、理事会の開催、定時評議委員会の開催をする必要があります。

それぞれの実施日や開催日については、各社会福祉法人の実態に応じて決めることが出来ます。

そのため、計算書類及び財産目録をいつまでに作成して、監事監査の実施日や理事会の開催日、定時評議委員会の開催日をいつにするかを、法人として事前に管理しておく必要が出てきます。

社会福祉法人における、おおまかな決算の流れ

おおまかな社会福祉法人の決算の流れについては、下記のとおりです。

1、計算書類の作成をする。
2、監事による監査の実施をする。(4週間の経過日までに監査報告の提出する。)
3、理事会での承認をする。(1週間前までに理事会招集を通知する。)
4、事業報告等、計算関係書類及び監査報告を事務所への備え置く。(評議会の2週間前までに実施する。)
5、定時評議員会への事業報告等、計算関係書類及び監査報告の提供、定時評議委員会の招集通知をする。(開催の1週間前までに通知する。)
6、定時評議員会での報告・承認をする。
7、資産の総額の変更登記・役員変更登記をする。
8、所轄庁への届出・インターネット(Wamnet)による公表をする。

社会福祉法人の決算における理事、評議員、監事の役割とは?

なぜ、所轄庁へ必要書類を提出する前に監事監査や理事会、評議会の実施が必要なのでしょうか?このことを理解するため、社会福祉法人の決算における理事、評議員、監事の役割についてまとめていきます。

社会福祉法人の経営組織は、①業務執行の決定・理事長等の職務の監視を担う理事会、②法人運営に係る重要事項の議決機関である評議員会、③理事の職務執行の監査を行う監事(一定規模以上の法人が必置となる会計監査人)の3つで運営されています。

ちなみに会計監査人は、計算書類等の監査を行います。

社会福祉法人と理事、評議員、監事は委任の関係にあります。

民法の規定により、委任を受けたものは善管注意義務を負います。

善管注意義務とは「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務」のことです。

つまり、善管注意義務により各役員は責任を負っているため、所轄庁へ必要書類を提出をする前に、監査や理事会、評議会で確認をすることが必要となっているのです。

先ほどお伝えしたおおまかな決算の流れについて、今度はもう少し詳しくまとめていきます。

社会福祉法人の決算の具体的な流れ

計算書類の作成をする。

3月中に対応しておきたい事務処理について

① 期中会計処理の確認をする。
② 当年度最終補正予算の作成及び確定をする。
③ 次年度当初予算の作成をする。
④ 積立する預金の金額の確認と積立の実施をする。
⑤ 棚卸資産、貯蔵品などの実地棚卸をする。

4月中に対応しておきたい事務処理について

①銀行から残高証明書の取得をする。
②3月度の月次試算表の作成をする。
③寄付金収益の確認をする。
④短期・長期借入金の確認をする。
⑤ 決算整理伝票の作成をする。

・固定資産の売却や除却の会計処理、固定資産台帳への登録を行う。
・減価償却費の計上をする。
・国庫補助金等特別積立金の積立・取崩の計上をする。
・賞与引当金の計上をする。
・退職給付引当金の計上をする。
・棚卸額の計上をする。
・未収金、未収収益の計上をする。
・未払金、未払費用の計上をする。
・前払金・前払費用の計上をする。
・前受金・前受収益の計上をする。

5月上旬までに対応しておきたい事務処理について

①計算書類(案)の作成をする。(資金収支計算書・事業活動計算書・貸借対照表)
②附属明細書の作成をする。

・借入金明細書
・寄付金収益明細書
・補助金事業等収益明細書
・事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書
・事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書
・基本金明細書
・国庫補助金等特別積立金明細書

監事による監査の実施をする。(4週間の経過日までに監査報告の提出する。)


①理事長は、各監事に対し、事業報告等、計算書類及び財産目録の提出をする。
①業務監査及び会計監査の実施をする。
② 監査報告の作成をする。

理事会での承認をする。(1週間前までに理事会招集を通知する。)


① 事業報告等、計算関係書類及び財産目録の承認をする。
② 定時評議員会の日時、場所、議題(役員、報酬基準等)の決定をする。

事業報告等、計算関係書類及び監査報告を事務所への備え置く。(評議会の2週間前までに実施する。)


①決算理事会終了後、事業報告等、計算関係書類等及び監査報告を事務所に備え置きます。

定時評議員会への事業報告等、計算関係書類及び監査報告の提供、定時評議委員会の招集通知をする。(開催の1週間前までに通知する。)


①郵送等で評議員へ招集通知とともに関係書類の提供をする。

定時評議員会での報告・承認をする。


① 計算書類及び財産目録の承認、事業報告の報告を行う。
② 新役員の選任、報酬基準の承認等を行う。
③ 社会福祉充実残額がある場合は社会福祉充実計画の承認をする。

資産の総額の変更登記・役員変更登記をする。

資産の総額の変更登記の場合は社会福祉法人変更登記申請書に下記の添付書類が必要となる。

・資産の総額を証する書面(財産目録や貸借対照表)
・委任状

役員変更登記の場合は社会福祉法人変更登記申請書に下記の添付書類が必要となる。

・評議員会議事録
・理事会議事録
・印鑑証明書(理事会議事録に記名押印した役員)
・就任承諾書
・委任状

所轄庁への届出・インターネット(Wamnet)による公表をする。

社会福祉法人は、定款、報酬等の支給の基準、計算書類、役員等名簿および現況報告書について、インターネットの利用により、遅滞なく公表することが義務付けられています。

計算書類及び現況報告書は、財務諸表等電子開示システムで所轄庁に届出を行うことにより、福祉医療機構のホームページに情報が掲載され、公表されたこととみなされます。

まとめ

今回は、社会福祉法人の決算の流れについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。社会福祉法人の決算は、一般法人とは違い法人税の計算をする必要がありません。

その代わり一般法人とは違って、公表を求められており、作成する計算書類や附属明細書及び財産目録など拠点が多ければ多いほど、作業が膨大になります。
また、一定規模の社会福祉法人の場合には、消費税の申告が必要となる場合もあります。

しかし、備えあれば憂いなしです。現金と預金の残高を毎月合わせているだけの会計ではなく、月次での時点で未収金、未払金、前払金、立替金、拠点区分間の取引の精査をして、きちんと数値の把握がされており、事前に決算の際にやらなければいけない作業が明確であれば、慌てることなく対応することが可能です。

社会福祉法人の決算書作成にご不安がある場合は、ぜひ川越の税理士法人サム・ライズまでご相談頂けますと幸いです。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの社会福祉法人支援について

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