リーダーシップへの舞台裏Vol.1 ~今を駆ける社長のインタビューシリーズ~
目次
仕事仲間からも社員からも信頼の厚い、多彩なビジネスリーダー
旅行会社の一社員から、映画やテレビ番組等を配給する会社の経営者へ転職するという大きな決断を下した宮永社長。優しい笑顔の裏には、並外れた努力と苦労が隠されていました。
そんな宮永社長が思い描く、自身のテーマと今のビジネスを、融合させた新たなビジョンとは。
【プロフィール】
プランダス株式会社 代表取締役 宮永大輔
1974年1月神奈川県横浜市生まれ。小学校入学時に父親の実家である東京都大田区へ。
高校生の時に観たドラマがきっかけで旅行会社の魅力に惹かれ、立教大学 経済学部 経営学科を経て、1997年に株式会社日本旅行に入社。
配属先の福岡支店で法人営業担当として営業経験を積み、持ち前のコミュニケーション能力の高さにますます磨きをかける。
その6~7年後に転職を考えていた折、当時テレビ局勤務だった父親からの紹介でプランダス株式会社との運命的な出会いを果たし、2004年3月に同社に入社、翌2005年に代表取締役に就任。
その後事業を拡大し、2014年にタレント事業部、2018年には海外事業部を開設。さらに現在は、別会社で沖縄県宮古島にて飲食店も経営するなど多彩に活躍中。
プライベートでは、自宅で保護猫と一緒に暮らし、動物への愛情深い一面を持つ一方、大のスポーツ好きで中学・高校・大学とサッカーに打ち込み、今はゴルフを嗜む。
業種も役職も違う転職だったからこそ得られたもの
林:では初めに、宮永社長の会社の事業概要を教えてください。
宮永:はい。
僕の会社は「プランダス株式会社」と言いまして、1980年創業なので2030年で創業50周年を迎えます。
2004年に代表を引き継いだ僕は3代目でして、来年、会社を引き継いで20年となります。
事業としては、国内外の映画やドラマ・バラエティ番組等を日本の放送局や配信会社に配給する、というのが一番のメインになります。
そこから派生して、2014年からは声優を中心とした役者のマネジメント事業というのもやり始めました。
林:私たちの付き合いって、声優のマネジメント事業を始める数年前だから、もう十数年になりますよね!?いやぁ、感慨深いですね。
ところで宮永社長は、前職は旅行会社にお勤めで、お父様のご紹介により転職。
しかもたった1年で現会社の経営を事業承継なさったわけですですよね。業務も立場も大きな変化があったと思いますが、今「これがやりがい!」と感じることって何ですか?
宮永:ずばり、必要とされて連絡をいただくとき、ですね。
僕自身の営業スタイルとして、「とりあえず宮永さんに聞こう」と言われるような存在を目指していまして。
例えば「こういう映画を買いたいがどこに聞けばいいのかな」と思った時に、プランダスが一番に頭に浮かんでほしい。そうやってお客さんから電話が来た時には、一番うれしいですね。
そう考えると営業って、ある意味人気投票みたいな要素もあると思うんです。
林:私「営業って人気投票みたいな要素もある」っていい言葉だなと思います。でもそういう関係性を築くには、情報とか知識とか持っていることが必要になると思うんですが、そのための努力ってどんなことをしているんですか?
宮永:それは、人脈をとにかく広げるということですね。
業界の情報というのには誰よりも敏感でいたいと思っていますので。
それから、競合相手がいて初めて商売って成り立つと思っているので、競合相手とも人脈を作り仲間のような関係性になって、お互いに切磋琢磨しながらいいものを作ったり提供していったりできればと思っています。
林:本当に人脈はすごく大事ですね。
それに、前職と現職でずいぶん環境が変わりましたけど、旅行会社時代の自分がやってきたスタイルや学んできたこと、それが全て生きていますね!
普段の商談の様子
一番の苦しみが、一番の喜びに
林:では、経営者となってからの20年間の経験の中で、一番苦しかった時のことを教えてください。
宮永:お金が無いと思った時もそうですが、それよりも孤独を感じて精神的に辛かった時が一番苦しかったですね。例えば「出る杭は打たれる」ではないけれど、邪魔になる会社に対してひどいことをする人は、どこの業界にもいますよね。
実は僕も「出る杭」の側になってしまって、ある時、可愛がってくれていたと思っていた先輩会社から手のひら返しを受けて、一時期孤独と戦っていました。
でもその時、仕入れ先や販売先など、一緒に仕事をしていた人たちが助けてくれて、案外僕は一人じゃないんだ、ということをものすごく感じました。
「先輩会社に邪魔だと思われるということは、会社が大きくなってきた証拠だ」とか、「何年も一緒にやってきた信頼性があるわけだから、いつでもあなたの味方だから」という言葉をかけてくださって。
自分のことを理解してくれる人って、周りを見渡せば実はいるよね、と今では思えます。
そう思えるのは本当に、あの時温かい言葉をかけてくださった仕事仲間のおかげだと思っているし、もちろんこれからも一緒に、みんなで上がっていけるような仕事ができればいいなと思っています。
林:それは一番苦しかった経験だけれど、一番うれしかった経験でもありますね。その時の自分に、今の自分が声をかけてあげるとしたら、どんな言葉をかけますか?
宮永:これまでずっと自分がやってきたこと、人との関係を築いていくことを大事にしてきたということは間違っていない、ということを伝えたいですね。だからこそ、仲間だと思う人たちのことをもっと信頼して、いろんなことを任せたりいろんなことを一緒にやったり、そういう関係性は続けていってほしいということも伝えたいです。
林:いやぁ、感動しちゃいますね。本当にそうですね!そんな宮永社長が、一緒に仕事をする仲間に期待することや、最近あった嬉しかったエピソードがあれば教えてください。
宮永:一緒に仕事をする仲間に対しては、“一方通行になりたくない”とは常に思っています。対等とまではなかなかいかないかもしれないけれど、お互いに高め合えるような感じの関係性を常に築いていければと思っていますね。
それから最近嬉しいなと思ったことと言えば、よく社員から飲みに誘ってくれることですかね。
それも、社外の人から「社員から誘われるってすごいですよね」と言われることがよくあって、大したことじゃないかもしれないけれどそれがすごく嬉しいです。
林:うんうん、本当に珍しいと思います!風通しが良いところ、会社の自慢ですね!素敵です!
「人脈を広げる」ということを常に意識して動いているという宮永社長。そのために、大小関わらず、とにかく人の集まるところに顔を出すのだとか。そこには、「仕事のタネ」がものすごく沢山あるのだそうです。
小さなきっかけを敏感に察知し、「それなら、あれを組み合わせればもっと面白い!」とか、「こっちを組み入れると、もっと世界観が広がりません?」とか、その場でスピーディーにサクサク商談をするのが宮永社長のスタイル。話を聞いていると本当にワクワクするんですよ!すごいな~!
社員からの飲みのお誘いが多いという宮永社長。
年間で結構一緒に行っているんですって。
今の時代、特に社員から社長に飲みの誘いなんて、どこにでもある話ではないですよね。本当に風通しの良い会社!(笑) 社長と社員の信頼の絆がちゃんと築けているってステキですね。
自分自身のテーマと今のビジネスを融合した、これからやりたいこと
林:ところで、宮永社長はプライベートでも映画とかドラマは見るんですか?良かったら、一押しの映画を教えてください!
宮永:はい。ちょうどここ最近見た映画で、一押しのものが「犬部」という映画です。
保護猫や保護犬についてのお話なんですが、涙を流しながら見ました。
それに、自分の中で、自分がやりたいことというのが明確になって「あ、もうこれしかない!」と思えた映画でもありました。
林:それ最後に聞かせてください!宮永社長の将来の夢、これからやりたいことって何ですか?
宮永:実は今、我が家に保護猫がいまして。保護犬がいた時もあったのですが、その子たちと一緒に暮らし始めた時から、保護猫や保護犬に対する想いが強くなっていました。
でも、その存在すら知らない人も山のようにいるということを、先ほどの映画を通しても何となく感じていて。
じゃあ自分には何ができるかと考えた時に、うちがマネジメントしている役者たちによりこのテーマの朗読劇などの舞台を、全国で定期的にやっていこう!と思ったんです。
林:へぇ~、すごい!
宮永:もしも僕が60歳や65歳になって、一線から退こうかなと思っても、その活動だけは続けるようにしていきたいと思っています。
それに、ボランティアという形よりは、役者たちも使ってしっかりと継続できるような形でやりたい。
もちろん、映画を作ったりドラマを作ったり、そういうことにも派生していくとは思いますが、こういった活動を実現させることで、最終的に保護猫や保護犬たちが救われていくような方向性に持っていければな、と考えています。
まずは自分の会社としてやっている事業をどんどん続けていって、さらに発展させることが目標ですが、そのなかのひとつに、僕個人のテーマみたいなものも一緒に融合していきたいというのが、ここ最近、自分の中で思っていることになります。
林:それ、宮永社長の、保護猫や保護犬たちに対する思いと、今のビジネスが融合した、ものすごくいい活動ですよね。素敵です!しかも、引退後もやれることがしっかりと見つかるって嬉しいことですよね!
宮永:そうですね。
自分がよぼよぼになっても、犬たちや猫たちと触れ合いながら、同じ思いの人たちといろんなことを語り合いながら… と想像しています。
林:そして、そんな状態になった時も、
「社長、飲みに行きましょう!」って言われたら最高ですね(笑)
宮永:そうですそうです!(笑)
林:(笑)応援していますよ!ということで、あっという間のインタビューでした。
優しい語り口と笑顔が印象的な宮永社長、めちゃくちゃ楽しかったです!ありがとうございました!
平日と休日の境なくビジネスをされている宮永社長ですが、ゴルフは頭をリフレッシュできる機会なのだとか。広大なコースでのプレイと食事、その後のお風呂で「プチ贅沢な気分」を味わえて、次の活力へとつながるのだそうです。社長がマネジメントをしている役者のみなさん。宮永社長は現在、保護犬・猫殺処分をテーマにした「全国定期巡回の朗読劇ルート」を整えているとのこと。その先に、保護犬・猫の映画化やテレビ化の展開を目指し、多くの人にこの問題を知ってもらう機会を作りたいのだそうです。
ご自身の主たるビジネスと役者マネジメントの融合、そして、その先にある動物の殺処分問題解決に向けての周知ビジョン……。ホント、宮永社長らしい!心から応援しています。
会社概要
【会社名】プランダス株式会社
【事業内容】 国内外の映画・テレビドラマ等の配給、映画・テレビシリーズの輸入および輸出業務。タレント・俳優の養成およびそのマネジメント。
【所在地】 東京都港区新橋5-10-8 FORAビル9F
(TEl) 03-3438-1608 (FAX) 03-3438-1609
【HP】https://www.plandas.co.jp
最近の投稿
- 2024.11.06
- 廃業後も確定申告は必要か?黒字・赤字・休眠中・休眠後・個人別に注意点もあわせて解説
- 2024.11.06
- 「確定申告をしない(無申告)」のペナルティは5年で時効になる