【起業するには?】 起業に必要な基本的な手順について
目次
こんにちは!川越の税理士法人サム・ライズの大字結衣です。
昨年から新型コロナの影響で打撃を受けている会社も少なくない中、これから起業を考えている方!何かをしたいと情熱を向けることを見つけるができるなんて、とても素敵なことだと思います。
今回は、「こういうことがやりたい!」「こういうニーズがあるはずだ」などアイディアはあり、起業したいと思っているが、何から始めればいいかわからない…という方のために、起業するには何をどのように進めていけばよいか、基本的な流れをお話していきたいと思います。
起業をして何をしたいか
「○○がやりたい!」と、良いアイディアが浮かんでも、「どうやって実現していくか…。」「起業…。成功するだろうか…。」など、いろいろ考えてしまい、今一歩前へ進めない方もいらっしゃると思います。
一番大切なことは、初心です。
つまり、起業をして何をしたいか、ビジネスを通して何をしたいかです。起業の目的をしっかり考え、明確にすることが成功への近道です。
うまくいく事業でも、はじめは壁にぶつかることがでてきます。その時に、最初に考えた起業の目的がしっかり明確にされていれば、判断を間違えることなく前へ進むことができます。
起業するということは、目的を達成するための手段なのです。目的がブレてしまうと判断がちぐはぐしていまい、いい方向へ進めなくなってしまいます。
また、起業することよりも事業を継続していくことの方がはるかに大変です。目的がしっかり定まっていれば、目的を達成するために何が必要かを常に考えて方針を判断できるので、継続してビジネスをしていくことができます。
事業を継続させ、最初に考えた起業の目的を達成させるためにも、起業する目的をしっかり考え、明確化しましょう。
ビジネスプランとシミュレーションを書いて整理する
目的がしっかりと定まったら、次はビジネスプランを考えていきましょう。目的を達成させるために、まず「誰に・何を・どのように提供するか」を考えていきます。
「誰に・何を・どのように提供するか」
そしてこのビジネスプランは、記録しておきます。できれば、考えている過程も記録していきましょう。記録することで、考えがまとまります。まずは、思うままに漠然とでも大丈夫です。
例えば、「誰に」という部分は、
多くの人に → 世界の人に → 20代から40代がメイン
のように、漠然とした内容からリアルにイメージができるまで具体化していきます。
この時、情報収集(マーケティング)が非常に大切です。どのくらい必要とされるサービスなのか、どんな人をターゲットにできるのか、など詳細に情報収集してください。この要領で「何を」・「どのように提供するか」を考えていきましょう。
そして次は、収益のシミュレーションです。
収益のシミュレーション
まず収益は、「誰に」「何を」「どのように提供」したら、どのくらいの収益が見込めると思うかを考えてください。
例えば、「500円の商品を1600円で毎月250人にレターパックで届ける」としてみましょう。
(1,600円-500円)×250人 - 送料(370円×250人)=182,500円
ここで計算し出た収益が、思っていた収益よりも少ない場合は、プランを考え直す必要があります。この収益から経費が引かれていくので、会社に残る収益は、よりこの金額より少なくなるからです。
逆に、この金額が予想通りであれば、次に経費がどれくらいかかるかを考えます。主に、家賃・人件費・仕入れ・水道光熱費・通信費・広告宣伝費・消耗品などを考えるとよいと思います。
では、先ほどの例で計算してみましょう。
人件費 アルバイト1人(時給1100円×1日4時間×5日)で22,000円
家賃 70,000円
水道光熱費 10,000円
通信費 15,000円
広告宣伝費 2,000円
消耗品費 3,000円
これを収益の182,500円から引くと…なんと、70,500円!
人を雇うと労働保険に加入しなければならないので、労働保険料を支払ったり、他にも派生して経費がかかってきます。この収益で継続していけるでしょうか?もし思っていたより収益が少ないと思うなら、プランを考え直して、そのプランでシミュレーションをしてみてください。
ここで記録していたことが役に立ちます。自分がどのようにプランを考えたかがわかるので、記録をみて修正するまたは、新しいプランを追加するなど0から考えなくてもよくなり、プランとシミュレーションが短時間でできるようになります。
このように、徐々にビジネスプランを具体化して現実を把握していきましょう。
目標の設定と事業計画
つぎに、目標の設定と事業計画を立てていきます。2)のビジネスプランをもっと具体的にし、具体化する範囲を広くしていきます。
事業の目的を1)で考えましたが、その目的を達成するための目標をたてていきます。その目標の立て方には、ポイントがあります。期限を区切って目標を立てるのです。
例えば、3ヶ月・1年・5年・10年の具体的目標を立てます。
3ヶ月:顧客1,000人・収益○○万円
1年後:商品追加で顧客を倍に。収益○○○万円
というように具体的な数字で目標を設定します。目標を設定することで、それに向かって何をすればよいのかが明確になるからです。
そして事業計画書を作成してみましょう。事業計画書は、資金を調達する際に必要となります。資金が自己資金だけでまかなえても、作成しておくとビジネスプランをより明確にできるのでいいと思います。
事業計画書は、インターネットでひな形などがあるので利用する方法もあります。
<事業計画書に記載する主な項目>
・創業者の経歴や資格など
・会社の理念・目的 (1)で考えた目的や経営者の思い)
・事業内容 (2)で考えたビジネスプラン)
・自社の商品やサービスの特徴・強み
・市場について
・販売やマーケティングの戦略
・生産方法・仕入先
・売上・利益の計画
・資金調達の計画(次の4)でお話します)
1)と2)で考えたことをまとめていけば作成しやすいです。
(ここでも、記録が大切なのです!)考えられることから作成していき、完成させましょう。
資金調達
資金には、自己資金と調達する資金があります。会社設立の資本金は、1円あればできますが、社会的信用が低いため、融資での印象がよくありません。資本金の金額は、会社の規模などによると思いますので、税理士などプロに相談されるのが良いでしょう。
資本金の金額が決まれば、資本金をどこから捻出するかを検討していきます。また経費に使う資金として、一時的な経費(設備資金)と継続的に発生する経費があります。起業するには、準備に使う資金も必要です。
資金調達の方法はいろいろあります。例えば、日本政策金融公庫など低金利の公的融資・クラウドファンディングなどです。どのくらいの資金調達が必要かは、起業の準備に使うお金を試算し、2)で作成したシミュレーションや3)で作成した事業計画をもとに考えていきましょう。
開業・設立
これまで見てきた流れで、具体的に起業のイメージがついたかと思います。次は「起業に必要な手続き」になります。
起業する方法は、会社設立する方法と個人事業主として開業する方法があります。会社設立した方がよいのか、個人事業主として開業した方がいいのかは、検討してみてください。
また、個人事業主として開業し、事業規模によって会社設立(法人成り)する方法もあります。個人事業主として開業するには税務署に届を出せば良いので、初期費用も少なくできます。
一方、会社を設立するには、資本金の準備や手続き、作成しなくてはいけない書類がありますし、プロにお願いすればさらに費用もかかります。
どちらの方法で起業すれば良いかは、個人事業主も法人もたくさんの事例を見てきている税理士へ相談することをお勧めします。専門家に相談することで、あなたにとって最善の方法が最短で見つかります。
なお、会社設立の具体的な流れについては、「会社設立手続き 準備~設立後の流れをわかりやすく解説します!「準備編パート1」」をお読みください。
【起業するには?】 起業に必要な基本的な手順について、まとめ
今回は、起業についての基本的な手順についてまとめでみましたが、いかがだったでしょうか。
起業するには、初心が大事だと述べましたが、もう一つ重要なこと、それは「幸せな経営者になる」ということです。「これをしたい!」と思って起業する方には、ぜひ幸せな経営者になっていただきたいと思います。「幸せな経営者になる!起業の心得」も、ぜひお読みください。成功するためのポイントがたくさん書かれています。
アイディアは溢れるほどあるのに、起業の方法がわからない方や起業への一歩を踏み出せない方は、創業支援に力を入れている税理士事務所へ是非連絡してください。お金の管理の方法や試算表の数字の見方を、ご自身で一から勉強することも大切ですが、プロに任せてプロから必要なことを学ぶ方が時間もかかりませんし、成功への早道です。起業したいと思うエネルギーと溢れるアイディアを応援しています!
起業を成功させるには、プロ(税理士)と相談しながら進め、本業に時間を費やして進めていくことをお勧めします。起業のことでお悩みでしたら、川越の税理士法人サム・ライズへお気軽にご相談ください。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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