個人事業主から法人成りをするに向けて知っておきたいこと「パート2」

こんにちは!川越の税理士法人サム・ライズの石田です!

弊社の新規問い合わせや、ご紹介いただく案件の中には、「法人を設立したい」「個人でやってきたが法人にしようと思っている」といった相談が多いです。

いきなり会社員だった方が法人を設立して社員を雇い経営者になられる方もいらっしゃれば、なんとなく周りに言われて個人事業主よりも法人の方が良いのではないか?と相談にいらっしゃる方など、様々な状況でお問合せがあります。

少しでも法人設立を考えていらっしゃる方であれば、最低限知っておいた方が良い実務話をご紹介致します。

前回のブログでは、「個人事業主から法人成りをするに向けて知っておきたいこと「パート1」にて、そもそも法人とは何なのか、個人事業主と法人の手続き内容や費用の違い、課税される税金の違い、法人にのみ必ず年に一度納める税金がある点をご紹介しています。

そちらもあわせてご確認ください。

税務上のメリット

消費税の免税事業者

事業者(事業を行なっている者のこと。つまり個人事業主も法人のどちらも事業者)は、所得税や法人税の他に、消費税を納税する義務があります。

しかし、開業間もない個人事業主や設立法人、また、ある期間の課税対象の売上が1,000万以下である事業者については、消費税の申告と納税は免除されます。

(国税庁参照https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm)

このように、新たに法人を作った場合は、基本的には第1期目と第2期目において消費税の免税事業者となります。

※この免税期間の開始時に資本金が1,000万以上である場合や、第1期目の始めの半年間で売上・給与等支払額が1,000万を超えているような場合、さらに組織や株主状況の判定により、免税事業者の期間が減る事もあります。
設立前からすでに、この状況になりそうな可能性がある方であれば、最大限免税事業者の期間を長くできるテクニックもあるので慎重に進めることが大事です。

個人事業主開業後の1、2年位と、設立されてからの第1期、第2期と、基本的には消費税の免税事業者になるため、法人成りをしてから少しの期間は税金の優遇が受けられます。

消費税は現時点で10%の税率であるため、多くの事業者が負担の大きくなっている税金です。それを考えると、法人成りは魅力的な話です。

繰越欠損金制度

現在の税法では、青色申告者である個人事業主及び法人には、(個人事業主)純損失の繰越控除及び、(法人)欠損金の繰越控除、さらに繰戻し還付という制度があります。

純損失の繰越控除と欠損金の繰越控除は正式名称が異なりますが、どちらも確定申告で税務上の計算された所得金額が赤字になった場合、その赤字分を翌期以降に繰越せる内容です。

個人事業主と法人の違いは、繰り越せる期間が異なります。
個人事業主は3年間、法人は10年間です。

※法人で、中小法人等以外の場合、全額繰越控除はできず一定の計算方法で算出します。

(国税庁参照①(個人)青色申告制度の4(4) https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/2070.htm

②(法人)欠損金の繰越控除https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5762.htm)

また、個人事業主も法人も、繰戻し還付という制度もあり、前期が黒字で税金を納めた場合、今期の純損失額又は欠損金を、前期分に繰戻して控除し、前期分の所得税額又は法人税額の還付を受けることができます。

具体例を使い、法人の欠損金の繰越控除と、繰戻し還付についてご紹介します。

A、欠損金の繰越控除

2020年3月期に、税務上の所得金額が赤字1,000万円発生したため、2021年3月期では繰越欠損金が1,000万円ある。

2021年3月期の税務上の所得金額が黒字1,500万円だった場合は、1,500万円△繰越欠損金1,000万円=500万円が課税される所得金額となる。

つまり、500万円に法人税率が掛けられ納税額が決まる。

国税の法人税のみならず、基本的には都道府県民税や市町村民税も繰越欠損金制度は適用され、同じように計算されます。

ちなみに、2021年3月期の所得金額が黒字700万円だった場合は、700万円△繰越欠損金700万=0円となり、課税される法人税額はなしとなる。

使わずに残った繰越欠損金300万は翌期の2022年3月期に繰り越されることとなる。

2021年3月期の所得金額が赤字500万となった場合は、2020年3月期から繰り越されている1,000万の繰越欠損金に加え、合計1,500万円の繰越欠損金が2022年3月期へ繰り越される。

B、繰戻し還付

2020年3月期に、税務上の所得金額が黒字となり、法人税を300万円納税していた場合(税務上の所得金額1,000万円)、2021年3月期に、税務上の所得金額が赤字500万円となった場合は、2020年3月期の法人税額300万円×2021年3月期の赤字所得金額500万円/2020年3月期の所得金額1,000万円=150万円を、繰り戻し還付として、法人税を取り戻すことができます。

この繰り戻し還付の制度は、「還付請求書」というものを別途作成し、税務署へ請求するものとなります。

前期の法人税を取り戻したい場合は活用されることをお勧めします。

1点注意点としましては、繰り戻し還付として計算した、赤字分の所得金額(上記例でいうと500万)については、翌期に繰り越せる繰越欠損金にはならなくなります。

従いまして、上記例のような事態が起きた場合は、繰り戻し還付請求をせずに、翌期への繰越欠損金としてそのままにしておくか、もしくは繰り戻し還付請求を行い、前期の法人税を取り戻すかの選択肢があります。

その時の法人の状況を考え、どちらが良いのか検討されると良いです。

(国税庁参照https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5763.htm

社会保険の強制加入

年金加入者

現在日本では、国民年金+国民健康保険、厚生年金+健康保険の主に2パターンで年金や健康保険を納めることになっています。

20歳の誕生日を過ぎた方であれば年金の被保険者となりますので、大学生であっても国民年金を納めることとなります。
(学生の場合は、納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています)

一方、20歳になる前に就職している方については、原則は就職をした時点での加入となります。

就職した際に、その就職先が社会保険に加入していれば、社会保険(厚生年金+健康保険)に加入することとなり、就職先が社会保険に加入していなければ、国民年金+国民健康保険を自らの市区町村役場へ納めることとなります。

強制適用事業所とは

現在の法律では、事業主を含む従業員1人以上の法人であれば、社会保険の強制適用事業所となります。

そうなりますと、1人社長の法人であっても、社会保険に加入しなければならないということです。

個人事業主の場合は、常時使用の従業員が5人以上いると社会保険の強制適用事業所になるため、従業員が4人以下の個人事業主の方であれば、社会保険の加入をしなくても良いです。

事業主側から考えると、社会保険に加入するということは、事業主側でも従業員の社会保険料の負担が発生するため、なるべくなら避けたいものです。

実際に、役員報酬や従業員の給料の約15%を事業主側が負担することとなります。

例えば、給料月20万円の従業員を3名雇った場合は、20万×3名×15%=月9万円の事業主負担が発生します。

就活をしている学生からすれば、社会保険に加入している会社に就職したいという風潮もあるため、会社側の社会保険加入は避けられないものとなってきています。

法人成りを検討されている方は、社会保険の強制適用事業所になることを是非覚えていただければと思います。

今回のブログは以上となります。

次回以降も法人成りした時のメリットや実際の会計処理をご紹介致します。

川越の税理士法人サム・ライズへお気軽にご相談ください。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの創業支援について

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