社会福祉法人の計算書類~三表とは~

こんにちは、川越の税理士法人サム・ライズの東海林です。

社会福祉法上、すべての社会福祉法人は、社会福祉法人会計基準省令に従い、会計処理を行うことが義務付けられています。(社会福祉法第45条の23)

会計処理とは、主に計算書類及び附属明細書並びに財産目録を作成することです。

作成した計算書類及び附属明細書並びに財産目録財務諸表等電子開示システム(wamnet)によって公開されます。

開示システムによって公開されても問題がない、しっかりとした財務諸表を作ることが重要です。

今回は、社会福祉法人の会計処理に必要な計算書類及び附属明細書並びに財産目録の中から計算書類について、まとめていきます。

計算書類の種類について

まず計算書類とは何か?ということについて解説していきます。

財務諸表は、資金収支計算書事業活動計算書貸借対照表によって構成されています。

表記される順番は、上記の通りが多いです。その理由としては資金収支計算書は第1号、事業活動計算書は第2号、貸借対照表は第3号という名称があるためです。

これらは通称として、財務三表三表などと呼ばれます。財務三表を作成するためには、基本的には会計ソフトを利用します。

会計ソフトでは貸借対照表と事業活動計算書を入力をしていき、資金収支計算書は連動によって反映されることが多いです。ただし、連動の設定がうまくいっていないと資金収支計算書に反映されないことがあります。

そのため、資金収支計算書と連動されて反映ができているかという、三表の整合性のチェックをしなければなりません。

三表の整合性のチェックの方法については次回ご紹介いたします。

まずはじめに、各三表(資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表)が、どのようなものかをまとめていきます。

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資金収支計算書

資金収支計算書とはその名の通り、支払資金の増加および減少の内容を明らかにするために作成する財務諸表です。

支払資金というのは、流動資産および流動負債のことをいい、

支払資金残高は、流動資産および流動負債の差額とのことをいいます。

ざっくりいうと支払資金とは、すぐに使えるお金と近いうちに動くお金です。

 

例えば、下記のような例があります。

①経常的な支払のために保有する現金及び預貯金

②近いうちに回収をして現金及び預貯金になる未収金や立替金など

③近いうちに支出として処理される前払金や未払金、預り金など

(1年基準により固定資産および固定負債から振替えられたもの、棚卸並びに引当金は除きます。)

 

資金収支計算書の特徴としては、会計年度の予算の額と決算の額を対比して記載するという点があります。

社会福祉法人では事業計画が全て予算化されており、予算をもとに事業が行われます。その為、資金収支計算書は予算と実績の対比が出来るので、予算管理に最も適している財務諸表といえます。

決算時に予算の額と決算の額の差異が著しいものについては、その理由を備考欄に記載することとされています。

 

資金収支計算書の内容は3つの区分に分けられます

①事業活動による収支・・・経常的な事業活動による収入および支出

②施設整備等による収支・・・固定資産の取得等に係る支出および固定資産の売却による収入など

③その他の活動による収支・・・長期運営資金の借入および返済並びに事業活動による収支および施設整備等による収支以外の収支など

 

資金収支計算書は決算時には以下のものを作成します。

・法人単位で作成するもの・・・法人単位資金収支計算書【第一号第一様式】

・法人の事業内訳を記載するもの・・・資金収支内訳表【第一号第二様式】 (事業区分が社会福祉事業のみの法人の場合省略可能)

・事業の拠点内訳を記載するもの・・・事業区分資金収支内訳表【第一号第三様式】(拠点が1つのみの法人の場合省略可能)

・拠点単位で作成するもの・・・拠点区分資金収支計算書【第一号第四様式】

・拠点のサービス区分内訳を記載するもの・・・拠点区分資金収支明細書【別紙3⑩】(サービス区分が1つのみの法人の場合省略可能)

事業活動計算書

事業活動計算書は、会計年度の純資産のすべての増減内容を明らかにするものです。

一般法人の企業会計で使われている損益計算書(PL)に似ています。

さらに事業活動計算書は資金収支計算書ととてもよく似ておりますが、違う点がいくつかあります。

 

まず、構成の違いです。

資金収支計算書は、収入と支出で構成されますが、

事業活動計算書は、収益と費用で構成されます。

その為、介護保険事業収入と介護保険事業収益、人件費支出、人件費のように

資金収支計算書と事業活動計算書では勘定科目の名前が少し違います。

 

次に、対比するものの違いです。

資金収支計算書は、決算時に予算との対比をしますが、

事業活動計算書は、決算時に前年度との対比をします。

また資金収支計算書には反映されず、事業活動計算書には反映されるものがあります。

 

下記がその反映されるものの一部です。

・減価償却費

・固定資産の売却損益と除却損

・引当金の繰入と戻入

・国庫補助金等特別積立金の積立と取崩 など

 

事業活動計算書の内容は3つの区分に分けて計算します。

①サービス活動増減の部・・・サービス活動による収益及び費用

②サービス活動外増減の部・・・各利息などサービス活動以外の原因による収益及び費用であって経常的に発生するもの

③特別増減の部お呼び繰越活動増減差額の部・・・寄付金や補助金、固定資産売却等に係る収益など

 

事業活動計算書は決算時には以下のものを作成します。

・法人単位で作成するもの・・・法人単位事業活動計算書【第二号第一様式】

・法人の事業内訳を記載するもの・・・事業活動内訳表【第二号第二様式】 (事業区分が社会福祉事業のみの法人の場合省略可能)

・事業の拠点内訳を記載するもの・・・事業区分事業活動内訳表【第二号第三様式】(拠点が1つのみの法人の場合省略可能)

・拠点単位で作成するもの・・・拠点区分事業活動計算書【第二号第四様式】

・拠点のサービス区分内訳を記載するもの・・・拠点区分事業活動明細書【別紙3⑪】(サービス区分が1つのみの法人の場合省略可能)

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貸借対照表

貸借対照表は、会計年度末におけるすべての資産、負債及び純資産の状態を明らかにするものです。

一般法人の企業会計で使われている貸借対照表と同じものになります。

貸借対照表は決算時に前年度末の残高と対比します。

 

貸借対照表の内容は2つの区分に分けます。

①資産の部・・・流動資産と固定資産(基本財産とその他の固定資産)

②負債の部及び純資産の部・・・流動負債と固定負債、純資産

つまり、資産の部では何に使っているのか、負債の部及び純資産の部ではどこから調達しているのかを表します。

 

貸借対照表は決算時には以下のものを作成します。

・法人単位で作成するもの・・・法人単位貸借対照表【第三号第一様式】

・法人の事業内訳を記載するもの・・・貸借対照表内訳表【第三号第二様式】 (事業区分が社会福祉事業のみの法人の場合省略可能)

・事業の拠点内訳を記載するもの・・・事業区分貸借対照表【第三号第三様式】(拠点が1つのみの法人の場合省略可能)

・拠点単位で作成するもの・・・拠点区分貸借対照表【第三号第四様式】

 

資金収支計算書や事業活動計算書とは違い、拠点のサービス区分内訳を記載するものは作成する必要がありません。

まとめ

今回は、社会福祉法人の会計処理に必要な計算書類の内容と決算時に作成する資料をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。

 

財務三表については社会福祉法人会計基準省令に従い、会計処理のために作成致します。

しかし、実は作成したこれらの計算書類の三表は、その目的だけに使うものではありません。

計算書類の三表をきちんと分析することによって、会社の収益性や生産性、安全性などを確認することも可能となります。

 

計算書類の三表の読み方、それぞれの数値の意味や経営分析の指標について、よく分からないという場合やアドバイスが欲しいという場合は、ぜひサム・ライズまでご相談頂けますと幸いです。

次回は、計算書類の三表の整合性チェックの方法と附属明細書並びに財産目録についてまとめていきます。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの社会福祉法人支援について

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