社会福祉法人の予算の意義と予算編成の流れについて

こんにちは、川越の税理士法人サム・ライズの東海林です。
皆さんご存知の通り、社会福祉法人は「予算」がとても重要となっています。

それは決して成り行き任せの経営ではなく、事業計画をもとに経営することによって社会福祉法人の公益性を確保することや、一般法人のように単に最小限の費用で最大限の効果をあげることが良いという考えではないので、資金収支の差額が多く出れば出るほど良いということにはなりません。

したがって、常に収入に対する費用対効果のバランスを図るため「予算」が非常に重要視されてます。今回はあらためて本来の「予算」の意義と「予算」の編成について確認していきます。

社会福祉法人の「予算」とは

一般的には、収入と支出の計画のことをいいます。

社会福祉法人の場合の予算は、同様に収入と支出の計画のことをいいますが、予算書として作成しなければらなず、毎会計年度の開始日の前日までに理事長が事業計画をもとに拠点ごとに資金収支予算書というものを作成し、理事会の承認や決議、または評議委員会の承認を受けなければなりません。

その際に作成される資金収支予算書の勘定科目は、資金収支計算書の勘定科目と同じとなります。資金収支計算書には決算の額と予算の額を対比して記載していきます。

決算の額と予算の額に著しい差異がある勘定科目は、理由を備考欄に記載するとされておりますが、年度の途中で予算の乖離等が見込まれる場合は必要な収入および支出ついて補正予算を編成するものとされています。しかし、予算の乖離額等が法人の運営に支障がなく、「軽微な範囲」にとどまる場合はこの限りではないとされています。

「軽微な範囲」の具体的判断基準

「軽微な範囲」の具体的判断基準は『社会福祉法人会計基準の運用上の取り扱いについて(Q&A)』にて下記のような回答があります。

一律に判断基準を示すことは困難ですが、例えば、適正な予算管理の元でも予測できなかった資金の収支が、決算時において結果的に発生したもの等であれば、仮に予算超過であったとしても、補正予算を編成しないことも考えられます。

一方、当初に予算計上されていない新規事業を年度途中に開始した場合や、減算処分を受けたこと等での収入減、年間予算に重大な影響を及ぼすような経費増加が明らかな場合について、これらが予算に反映されていない場合は、補正予算を編成することが望ましいと考えられます。

補正予算を作成する場合としない場合とで、具体的な例をあげてみます。

補正予算を作成する場合


・新事業の開始や事業の一部廃止等により収支の見込みが大きく変動する場合など
・人員配置の変更により、人件費の見込みが大きく変動する場合など
・当初予定していない固定資産取得等の設備投資が行われる場合など

補正予算の作成しない場合


・収入が増加しただけの場合など
・管理不能な支出の場合など
・軽微な範囲として法人が理事会や評議員会の同意を受けて設定している範囲など

次に予備費についてまとめていきます。(経理規程第 19 条)

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社会福祉法人における予備費とは

予備費とは、予測しがたい支払予算の不足を補うために設定することができる科目です。理事会の承認を得て、支出予算に相当額の予備費を計上できます。

もし事業計画上、とある勘定科目の必要が生じたにもかかわらず、その勘定科目の予算が不足している場合には、あらかじめ「予備費」として確保していた金額を不足している勘定科目の予算に充当することによって支払が可能となります。

なお、この場合、「予備費」はあくまで予算上の科目であるため、実際の支出時には、不足している勘定科目として処理します。

予備費を使用する場合、予算管理責任者は、事前に理事長にその理由と金額を記載した文書を提示し、承認を得なければなりません。そして、予備費の使用した場合は、理事長はその理由と金額を理事会に報告しなければなりません。

次に予算の編成についてまとめていきます。

社会福祉法人の予算編成について

予算の作成者は理事長となっておりますが、予算管理責任者が理事長を補佐するとされているので、実際には予算管理責任者が作成されることが多いかと思います。

予算は、次年度の収支見込みに基いて、法人全体、拠点区分ごとに、勘定科目単位で収入や支出の額を設定します。現在の会計年度の業績見込みや前会計年度の実績数値を使用すると、予算と実績が乖離して予算の補正が必要となる場合があります。

予算は当該年度の事業計画に基づいて編成方針を策定します。その際、以下のような事前検討を行います。

①当初の事業計画の見直し
②当初の予算額を事業計画に基づいて各科目ごとに見直す

当初どおりで良いのか、新たな必要性が生じていないか、現行事業が不必要となっていないかなどについて、具体的に検討します。

・職員の人件費
適正な人員や新規採用、退職者などを把握し検討する。
・修繕箇所
施設の老朽化や破損箇所による修繕の見込みがないかを検討する。
・新規購入
施設の開所、車両の導入、備品の購入などの予定、また購入に対応する補助金はないかを検討する。

そのほかに個人的な見解となりますが予算編成のポイントついてをまとめます。

事業活動収入

予算額が見込まれている収入額よりも少し低い金額に編成します。
決算時に予算を上回る収入があったことを表すためです。

事業活動支出

予算額が見込まれている支出額よりも少し上回るように編成します。
決算時に予算の範囲内で支出が行われたことを表すためです。

施設整備等収入

事業活動収入と同様に見込まれている収入額よりも少し低い金額に編成します。
決算時に予算を上回る収入があったことを表すためです。

新たな備品の購入などで補助金がある場合は忘れずに編成します。

施設整備等支出

事業活動支出と同様に予算額が見込まれている支出額よりも少し上回るように編成します。
決算時に予算の範囲内で支出が行われたことを表すためです。新たな固定資産を取得する場合は忘れずに編成します。

補正予算の編成の際には10万円未満の見込みであった備品が結果的に10万円以上となった場合は追加します。その他に修繕費と見込んでいた支出が、固定資産としての計上が必要となった場合も追加します。

その他の活動による収入

他の収入と同様に見込まれている収入額よりも少し低い金額に編成します。
決算時に予算を上回る収入があったことを表すためです。ここに記載されるのは主に積立資産の取り崩しです。予算通りの取崩ができるように予算編成を行います。

その他の活動による支出

他の支出と同様に予算額が見込まれている支出額よりも少し上回るように編成します。
決算時に予算の範囲内で支出が行われたことを表すためです。

ここに記載されるのは主に積立資産の積み立てです。取崩と同様に、予算通りの積立ができるように予算編成を行います。

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社会福祉法人の予算の意義と予算編成の流れについて、まとめ

今回は社会福祉法人の予算についてまとめました。社会福祉法人における予算は、理事会で承認された予算額の範囲内で支出をする必要があります。適切な予算や収支のバランスを常に把握しておくことが必要です。

弊社では社会福祉法人の予算のチェックもおこなっておりますので、何かお困りごとがありましたら、川越の税理士法人サム・ライズへお気軽にご相談ください。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの社会福祉法人支援について

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