社会福祉法人の附属明細書について

こんにちは、川越の税理士法人サム・ライズの東海林です。

前回までは社会福祉法人の会計処理に必要な計算書類及び附属明細書並びに財産目録の中から計算書類について説明しましたが、今回は附属明細書についてまとめていこうと思います。

附属明細書とは?

その名の通り、計算書類(資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表)に対して附属している明細書になります。

つまり内容を補足する重要な事項を記載します。
もし、該当する事由がない場合は附属明細書の作成は省略できます。

附属明細書は法人全体で作成するべきものと拠点ごとに作成するべきものがあります。

法人全体で作成するべき明細書は基本的には下記の7つとなります。

①借入金明細書
②寄付金収益明細書
③補助金事業等収益明細書
④事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書
⑤事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書
⑥基本金明細書
⑦国庫補助金等特別積立金明細書

附属明細書の各明細書について

① 借入金明細書

どこから借りていて、返済がどのくらい残っているかを表しています。
設備資金借入金、運営資金借入金などの借入先を記載します。

また借入金の期末残高、当期に支出した支払利息や利息補助金などを記載します。
借入金明細書に記載されている借入金の期末残高は貸借対照表の勘定科目の金額と整合します。

支払利息は資金収支計算書の勘定科目の金額と整合します。

② 寄附金収益明細書

どこから寄付をされて、どのくらい寄付を受け取ったのかを表しています。
経常経費寄付金収益、施設整備等寄付金収益などの寄付金の種類がわかるように記載します。

また寄付者の属性(法人の役職員、利用者本人、利用者家族、取引業者、その他)と寄付金額を記載します。
さらに、寄付金額の拠点ごとの内訳を作成します。

寄附金収益明細書に記載されている寄付金額は事業活動計算書の勘定科目の金額と整合します。

③ 補助金事業等収益明細書

どのような交付団体及び交付の目的により補助金の交付がどの事業にされたかを表しています。
県や市からどのような目的で交付されたのか、そしてその交付額も記載します。

補助金事業等収益明細書に記載されている交付金額は事業活動計算書の勘定科目の金額と整合します。

④ 事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書

事業や拠点間での繰入金の内訳を表しています。
繰入元と繰入先、繰入の財源、金額、使用目的等を記載します。

⑤ 事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書

事業や拠点間での貸し借りの内訳を表しています。
貸付事業または拠点と借入事業または拠点、金額、使用目的等を記載します。

⑥ 基本金明細書

社会福祉法人の基本金について表しています。
前年度期末残高と当期の取崩額や組入額を記載します。

基本金明細書に記載されている当期末残高は貸借対照表の勘定科目の金額と整合します。
組入額や取崩額は事業活動計算書の勘定科目の金額と整合します。

⑦ 国庫補助金等特別積立金明細書

国庫補助金等特別積立金の内訳を表しています。
当期の積立額と当期の取崩額を記載します。

国庫補助金等特別積立金明細書に記載されている当期末残高は貸借対照表の勘定科目の金額と整合します。
積立額や取崩額は事業活動計算書の勘定科目の金額と整合します。

※国庫補助金等特別積立金とは固定資産の取得に充てられるための補助金は、その取得した固定資産の償却期間にわたって減価償却費を軽減されます。
その償却期間に対応させるための科目となります。

附属明細書は法人全体で作成するべきものと拠点ごとに作成するべきものがあると先ほどお伝えいたしました。

拠点ごとに作成するべき明細書について

①基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書
②引当金明細書
③拠点区分資金収支明細書
④拠点区分事業活動明細書
⑤積立金・積立資産明細書
⑥サービス区分間繰入金明細書
⑦サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書
⑧就労支援事業別事業活動明細書
⑧-②就労支援事業別事業活動明細書(多機能型事業所等用)
⑨就労支援事業製造原価明細書
⑨-②就労支援事業製造原価明細書(多機能型事業所等用)
⑩就労支援事業販管費明細書
⑩-②就労支援事業販管費明細書(多機能型事業所等用)
⑪就労支援事業明細書
⑪-②就労支援事業明細書(多機能型事業所等用)
⑫授産事業費用明細書

数は多いですが、該当する事由がない場合は作成の省略ができます。

法人全体の時と同じように簡単に説明をしていきます。

①基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書

基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の種類ごとの残高等を表しています。

減価償却費や国庫補助金の取り崩し額などが記載されています。

固定資産を管理している会計ソフトから大抵は出力できると思います。

貸借対照表に固定資産等の記載がなければ省略可能です。

②引当金明細書

各引当金の期末残高を表しています。
当期の増加額、減少額を記載します。

貸借対照表に賞与引当金、退職給付引当金、徴収不能引当金などの引当金の記載がなければ省略可能です。

 

③拠点区分資金収支明細書

拠点ごとの資金収支計算書です。
拠点区分が1つしかない場合は省略が可能です。

 

④拠点区分事業活動明細書

拠点ごとの事業活動計算書です。
拠点区分が1つしかない場合は省略が可能です。

 

⑤積立金・積立資産明細書

積立金・積立資産の内訳を表しています。
当期の増加額、減少額を記載します。

貸借対照表に施設整備や工賃等の積立金・積立資産の記載がない場合は省略可能です。

 

⑥サービス区分間繰入金明細書

サービス区分間での繰入金の内訳を表しています。
繰入元と繰入先、繰入の財源、金額、使用目的等を記載します。

サービス区分が1つの場合は省略可能です。

 

⑦サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書

サービス区分間での貸し借りの内訳を表しています。
貸付事業または拠点と借入事業または拠点、金額、使用目的等を記載します。

サービス区分が1つの場合は省略可能です。

 

⑧就労支援事業別事業活動明細書

就労支援事業の事業別の事業活動計算書を表しています。
就労支援事業を行っていない場合は省略可能です。

 

⑧-②就労支援事業別事業活動明細書(多機能型事業所等用)

上記の多機能型事業所等用のものです。

多機能型事業所とは生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型の事業のうち2つ以上の事業を一体的に行うことをいう。

⑨就労支援事業製造原価明細書

就労支援事業で製造している原価を表しています。
就労支援事業を行っていない場合は省略可能です。

 

⑨-②就労支援事業製造原価明細書(多機能型事業所等用)

上記の多機能型事業所等用のものです。

⑩就労支援事業販管費明細書

就労支援事業の販売費及び一般管理費を表しています。
就労支援事業を行っていない場合は省略可能です。

 

⑩-②就労支援事業販管費明細書(多機能型事業所等用)

上記の多機能型事業所等用のものです。

⑪就労支援事業明細書

各就労支援事業の年間売上高が5,000万円以下であって、多種少額の生産活動を行う等の理由により、製造業務と販売業務に係る費用を区分することが困難な場合は、就労支援事業製造原価明細書及び就労支援事業販管費明細書の作成に替えて、2表の合算となっている就労支援事業明細書の作成することも認められています。

⑪-②就労支援事業明細書(多機能型事業所等用)

上記の多機能型事業所等用のものです。

⑫授産事業費用明細書

授産事業の費用の明細書です。

授産事業の範囲は以下の通りです。
生活保護法(昭和25年法律第144号)第38条第5号に規定する授産施設
社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条第2項第7号に規定する授産施設

授産事業を行っていない場合は省略可能です。

まとめ

前回まとめた計算書類には最低限の情報しかない為、附属明細書には補足する重要な事項を記載します

計算書類についての理解が出来ていれば、附属明細書を作成することは容易です。

計算書類と附属明細書の金額は整合が取れますので自己点検やチェックをすることが可能です。

附属明細書の自己点検やチェックについてアドバイスが欲しいという場合は、ぜひ川越の税理士法人サム・ライズまでご相談頂けますと幸いです。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの社会福祉法人支援について

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