社会福祉法人の財産目録について

こんにちは、川越の税理士法人サム・ライズの東海林です。

前回までは社会福祉法人の会計処理に必要な財務諸表及び附属明細書並びに財産目録の中から附属明細書について説明しましたが、今回は財産目録についてまとめていこうと思います。

目次

財産目録とは?

財産目録とは、会計年度末におけるすべての資産及び負債の名称、数量、金額等を詳細に記載するものです。

しかし、重要性に乏しい事項については、簡略して記載することができます。

ちなみに財産目録は法律上作成する義務があります。

※重要性に乏しい事項についてはのちほど解説いたします。

財産目録に記載されている金額は法人単位の貸借対照表の記載金額と一致します。

貸借対照表と同じように資産の部と負債の部があり、差引純資産の額を記載します。
そのため、貸借対照表の純資産の部の合計と財産目録の差引純資産は完全に一致します。
つまり、財産目録とは貸借対照表の詳細版ということができます。

社会福祉法人は、毎会計年度終了後3か月以内に資産の総額の変更登記が必要ですが、変更の際に財産目録が必要となっております。

そして財産目録は社会福祉充実残額の算定の際に用いる資料となり、Wamnet(社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム)にも記載することになります。

財産目録は貸借対照表と違い「取得年度」「使用目的等」「取得価額」「減価償却累計額」を記載する必要があります。

記載する内容は以下に簡単にまとめます。

資産の部

【現金】

「場所・物量等」には現金手許有高などを記載します。
「使用目的」は「運転資金として」と記載する場合が多いです。

【普通預金】

「場所・物量等」には銀行名、支店名を記載します。
「使用目的」は「運転資金として」と記載する場合が多いです。

基本財産

【土地】

「場所・物量等」には土地の住所と使用している拠点の名前を記載します。
「使用目的」には「〇〇事業で〇〇施設に使用している」と記載します。

【建物】

「場所・物量等」には建物の住所と使用している拠点の名前を記載します。
建物に関しては「取得年度」に、建物を取得した年度を記載します。
「使用目的」には土地と同様に「〇〇事業で〇〇施設に使用している」と記載します。

【定期預金】

「場所・物量等」には銀行名と支店名を記載します。

その他の固定資産

【土地】

「場所・物量等」には土地の住所と使用している拠点の名前を記載します。
「使用目的」には「〇〇事業で〇〇施設に使用している」と記載します。

【建物】

「場所・物量等」には建物の住所と使用している拠点の名前を記載します。
建物に関しては「取得年度」に、建物を取得した年度を表示します。
「使用目的」には土地と同様に「〇〇事業で〇〇施設に使用している」と記載します。

【車輌運搬具】

「場所・数量等」には、会社名と車種を記載します。

【積立資産】

「場所・数量等」には「普通預金」、「定期預金」など、積立資産を保管している状態を記載します。

負債の部

負債は、「場所・物量等」と「貸借対照表価額」を記載します。
「使用目的等」については記載しなくても良いとされております。

財産目録の留意事項について

上記の説明と重複している部分が一部あります。

土地、建物が複数ある場合には、科目を拠点区分ごとに分けて記載するものとする。

土地や建物の住所を記載し、拠点ごとにどこの事業、施設で使用しているかを記載する。

同一の科目について控除対象財産に該当し得るものと、該当し得ないものが含まれる場合には、分けて記載するものとする。

控除対象財産とは法人が実施する社会福祉事業等に直接又は間接的に供与されている財産であって、当該財産がなければ事業の実施に直ちに影響を及ぼしうるものとされている。

科目を分けて記載した場合は、小計欄を設けて、「貸借対照表価額」欄と一致させる。

上記のように科目を分けて記載した場合は小計欄を作成する。

「使用目的等」欄には、社会福祉法第55条の2の規定に基づく社会福祉充実残額の算定に必要な控除対象財産の判定を行うため、各資産の使用目的を簡潔に記載する。
なお、負債については「使用目的等」欄の記載を要しない。

預金等には運転資金として、未収金等には〇月分の報酬等の記載をする。

「貸借対照表価額」欄は、「取得価額」欄と「減価償却累計額」欄の差額と同額になることに留意する。

取得価額から減価償却累計額を引いた額が貸借対照表価額となる。

建物についてのみ「取得年度」欄を記載する。

建物には○○年度のように取得した年度を記載する。

減価償却資産(有形固定資産に限る)については、「減価償却累計額」欄を記載する。
なお、減価償却累計額には、減損損失累計を含むものとする。

また、ソフトウェアについては、取得価額から貸借対照表価額を控除して得た額を「減価償却累計額」欄に記載する。
固定資産は取得価額と減価償却累計額を記載する。

車輌運搬具の○○には会社名と車種を記載すること。車輌番号は任意記載とする。

所持している車両の会社名と車種を記載する。
車両の番号は任意とされている。

預金に関する口座番号が任意記載とする。

○○銀行○○支店を記載する。
口座番号の記載は任意とされている。

はじめに重要性の乏しい事項は簡略できると説明致しましたが、つまり重要性の原則が適用されます。

重要性の原則の適用について

重要性の原則の適用例(会計基準省令第2条第1項第4号関係)としては、次のようなものがあります。

消耗品、貯蔵品等のうち、重要性が乏しいものや、短期間に消費するものは購入時に費用として処理する方法を採用することができます。

介護用品や日用品などが少額で短期間に使用するのであれば、棚卸等をする必要がありません。
全ての取引に適用されますので、実情に応じて判断する必要があります。

保険料、賃借料、受取利息配当金、借入金利息、法人税等にかかる前払金、未払金、未収金、前受金等のうち重要性の乏しいもの、または毎会計年度経常的に発生し、その発生額が少額なものについては、前払金、未払金、未収金、前受金等を計上しないことができます。

保険料や賃借料など毎月、毎年発生し、少額なものであれば支払い時に計上することを認められます。

引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができます。

拡大解釈して「賞与引当金」や「退職給付引当金」を計上しない社会福祉法人も見かけられますが、指導監査でも指摘の多い項目の一つです。

上記に記載されているものは単なる例にしか過ぎないため,記載されていないものも認められる場合があります。

いずれも法人の規模等に応じて、法人で重要性の判断を行うものと考えられております。

しかし、所轄庁等の指導がある場合には、それに従わなければなりません。

まとめ

財産目録は貸借対照表の詳細版といわれることもあり、土地・建物の住所や車種名など細かい情報が必要となります。

決算時に慌てて準備するのではなく、ある程度は決算前にまとめておく必要があります。

他にも決算前に何をしておくべきか気になる場合は、ぜひ川越の税理士法人サム・ライズまでご相談頂けますと幸いです。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの社会福祉法人支援について

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