固定資産を移管したときは?
目次
こんにちは!
今日は拠点区分間で固定資産を移管した時に、どんな処理をすれば良いのか、ということを見ていきましょう。
移管とは、法人内部の事業区分間や拠点区分間において、固定資産の管理を移動させることをいいます。
例えば「A施設で使用していた車を、B施設で使用することになった」という様なケースが移管です。現実には、サービス区分間で固定資産を移管することもありますが、サービス区分間の移管は今回の様な処理は必要ありません。なぜなら、サービス区分ごとの貸借対照表は作成されないためです。
固定資産を移管したときは、事業活動計算書において、移管元では「事業(拠点)区分間固定資産移管費用」を、移管先では「事業(拠点)区分間固定資産移管収益」の勘定科目を使って会計処理を行います。
なお、移管の場合には、現金の収入・支出を伴いませんので、資金収支計算書への影響はありません。
事例で仕訳を見ていきましょう。
◆同一事業区分内のA拠点(移管元)からB拠点(移管先)へ下記車両を移管した。
取得価格:2,000
帳簿価格:1,200
A拠点区分(移管元)の仕訳
拠点区分間固定資産移管費用 | 1,200 | 車両運搬具 | 1,200 |
B拠点区分(移管先)の仕訳
車両運搬具 | 1,200 | 拠点区分間固定資産移管収益 | 1,200 |
もしもその移管した固定資産に、基本金や国庫補助金等特別積立金が積みたてられている場合には、それらの基本金や国庫補助金等特別積立金も移管の処理を行います。
その場合の仕訳も見ておきましょう。
◆同一事業区分内のA拠点(移管元)からB拠点(移管先)へ下記建物を移管した。
取得価格:20,000 これに対する基本金 1,000
帳簿価格:12,000 これに対する国庫補助金積立金残高 8,000
A拠点区分(移管元)の仕訳
基本金 | 1,000 | 建物 | 12,000 |
国庫補助金等特別積立金 | 8,000 | ||
事業区分間固定資産移管費用 | 3,000 |
B拠点区分(移管先)の仕訳
建物 | 12,000 | 基本金 | 1,000 |
国庫補助金等特別積立金 | 8,000 | ||
事業区分間固定資産移管収益 | 3,000 |
なお、補助金を受領して取得した物件を移管する場合には、所轄庁の担当課に事前協議することを忘れない様にしてくださいね。
では本日はここまでです。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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