寄附金と基本金の関係をマスターしよう!
目次
こんにちは!
今日は寄附金と基本金の関係をマスターしていきましょう。
「寄附金をいただいた時、どういったケースの時に基本金組入の対象になるの?」というのが本日のテーマです。
まず、どういった寄附金を基本金に組み入れるのか、について、会計基準では下記の様に規定されています。
(1)社会福祉法人の設立ならびに施設の創設および増築等のために、基本財産等を取得すべきものとして指定された寄附金の額
(2)前号の資産の取得等にかかる借入金の元金償還に充てるものとして指定された寄附金の額
(3)施設の創設および増築時等に運転資金に当てるために収受した寄附金の額
上記のいずれかに該当する時には、寄附金を事業活動計算書の特別収益に計上した後、その寄附金相当額を基本金組入額として特別費用に計上します。こちらの仕訳は後ほど確認していきますね。
さらに、上記(1)〜(3)のいずれに該当するか、つまり寄附目的の違いによって、基本金が1号から3号まで区分されることになります。
一つ一つ見ていきましょう。
まず上記(1)に規定されている寄附金を受け取ったときは、1号基本金に該当します。
この寄附金は、土地、施設の創設や増築・改築において面積の増加を伴う工事のために収受した寄附金を指します。そのために収受した寄附金が1号基本金の組入対象となります。
この場合の仕訳は下記です。
預金 | 10,000 | 施設整備等寄附金収入 | 10,000 |
基本金組入額 | 10,000 | 基本金 | 10,000 |
なお、修繕工事や改築工事で、面積の増加を伴わない工事のために収受した寄附金は、上記と同じく「施設整備等寄附金収入」や「計上経費寄附金収入」として処理しますが、この場合は寄附金組入の対象にならないため、基本金組入の処理は行いません。
次に(2)に規定されている寄附金を受け取ったときは、2号基本金に該当します。
この寄附金は、土地・施設の増築等の面積の増加にかかる借入金の元金償還に充てるものとして指定され収受した寄附金を指します。この場合の寄附金相当額を2号基本金として組み入れます。
この場合の仕訳は下記です。
預金 | 10,000 | 設備資金借入金元金償還寄附金収入 | 10,000 |
基本金組入額 | 10,000 | 基本金 | 10,000 |
こちらも上記(1)同様に、面積の増加を伴わない工事にかかる借入金の元金償還を目的として収受した寄附金は、「設備資金借入金元金償還寄附金収入」として処理しますが、寄附金組入の対象にならないため、基本金組入の処理は行いません。
最後に(3)ですが、こちらどの様なケースがこの「施設の創設および増築時等に運転資金に当てるために収受した寄附金」と扱われるのか、ですが、こちらは会計基準注解に下記の様に規定されています。
「施設の創設および増築時等に運転資金に当てるために収受した寄附金とは、・・・(一部省略)当該法人の年間事業費の12分の1位上に相当する寄附金の額および増築等の際に運転資金に当てるために収受した寄附金の額をいう」
わかりやすく言うと、
①設立時に初年度の運転資金に充てるために、年間事業費予算の1ヶ月分以上に相当する寄附金を収受した場合。
②施設の増設等により面積増加を伴う工事施工年度の、運転資金のショートを防ぐために収受した寄附金、
これらが基本金の繰入対象となります。
この場合の仕訳は上記(1)と同じです。
また、くどい様ですが、面積増加を伴わない工事の場合には基本金組入の処理は行いません。
では本日はここまでです。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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