決算手続きの進め方【その5】未収金・未払金の計上②
目次
前回に引き続き、決算手続きの進め方です。
今回は(5)未収金・未払金の計上・その②です。
こちらでこれまでのブログがまとめて読めます。
(5)未収金・未払金の計上について・その② 決算処理で注意すること
前回は月次処理で注意すべき、未収金・未払金の処理について書きました。
今回は決算処理についてお伝えします。
①未収金の計上
決算時には、3月までの収入で未入金であるものを全て未収入金として計上しなくてはなりません。
具体的には下記の4種類の未収入金を計上することになります。
1.事業未収金…事業収益に対する未収入金
2.未 収 金…事業収益以外の収益に対する未収入金
3.未収補助金…設備整備、設備整備及び事業に関わる補助金等の未収額
4.未 収 収 益…一定の契約に基づく継続した役務の提供で、すでに提供した役務に対して未だその対価の支払いを受けていないもの
3の未収補助金については、4月ではまだ金額が確定せずに5月まで待たなくてはならないケースもあると思います。
私のこれまでの経験では、5月までに支給額が確定しなかったことはありませんが、もしも決算までに金額が確定しなかった場合には、暫定金額で決算を組み、翌年度で暫定金額と入金額の差額を調整し、翌年の収益もしくは費用とすることになります。
未収入金で計上した金額と、実際の入金額が異なるケースは月次でもよくありますよね。
だから介護保険収入等については期中現金主義で処理をすることが多いのですが、ここを毎月きちんと発生主義で処理している場合、毎月発生金額と入金金額を確認して消しこみをしていないと、毎月どんどん未収入金がたまってしまいます。
未収入金の残高チェックを滞らせてしまうと後が大変ですので、ここは頑張って定期的にチェックするようにいたしましょう。
また、各拠点区分間やサービス区分間の立て替え金に関しても同じです。
こちらの方が事業未収金よりも数も多くて取引も細かいことが多いですが、これも溜めてしまうとその内容を把握するだけでかなりの時間を要してしまいます。
拠点区分・サービス区分間の立替金精算については、3ヶ月や半年など期間を決めて定期的に精算するようにしましょう。
特に、今の時期(3月)は、最終補正予算を組む時期です。
できることならこれらの立替金は、年度内に2月まで精算を完了し、決算では3月分の立替金だけが残っているような状態が望ましいです。
内部取引消去も少なくて済みますしね。
②未払金の計上
決算期末における未払金の計上は下記の2種類になります。
1.事業未払金…事業活動に伴う費用等の未払債務
2.その他の未払金…上記以外の未払金(施設整備等未払金など)
未払金に関しても、期末までに物品購入や役務提供を受けたもののうち、支払いがまだのものに関して、費用を上記未払金感情で計上することになります。
こちらについても未収入金と同様に、拠点区分・サービス区分間の精算を行うことと、各拠点・サービス区分の発生科目がそれぞれ間違いなく処理されているかもしっかりチェックしてくださいね。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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