決算手続きの進め方【その2】年度末在庫の棚卸し
目次
前回に引き続き、決算手続きの進め方です。
今回は(2)年度末在庫の棚卸しについて。
(2)棚卸資産の計上について
福祉施設では就労支援事業に営む法人も多いと思います。
私のお客様でも、パンの製造販売、ケーキ・クッキーなどの洋菓子店、豆腐製品の販売、リネン類のクリーニング、チョコレートの製造販売、木工製品、HP制作等IT技術サポート、記帳代行等バックオフィス業務・・・等、みなさん様々な取り組みをされています。
こういった事業を展開されている場合、ほとんどのケースで棚卸しが必要になります。
棚卸しとは、商品の仕入や原材料の仕入のうち、年度末において使用しなかった在庫品を、貸借対照表上に期末商品として計上することをいいます。
ちなみに、棚卸し対象となるのは、概ね下記のようなものになります。
• 貯蔵品・・・消耗品で未使用の物品(切手や介護用品の消耗品など)
• 医薬品・・・医薬品の未使用物品
• 診療・療養費等材料・・・病院や介護老人保健施設等における患者に使用するカテーテルや縫合糸、酸素、レントゲンフィルムなど
• 給食用材料・・・入所施設や保育所における主食、副食の未使用分
• 商品・製品・・・就労支援事業等における販売物品で、完成したけどまだ売れていないもの
• 仕掛品・・・就労支援事業等における、製造途中の半製品など
• 原材料・・・就労支援事業等において商品製造のために仕入れた材料野内穂高未使用品
これらの棚卸資産については「常にその品目ごとに受払帳をつける」という管理方法が原則ですが、ほとんどの施設はそんなことしてないと思います(笑)。
どこの施設も一年に一度、年度末に在庫をチェックしていることでしょう。
この棚卸作業は、必ずしも3月31日に行わなくてはならないものでもなく、年度末付近の日程で、日を決めてそれぞれの施設で行えば足ります。ただし「いつの時点の在庫であるのか」は後から見ても明確にわかるようにしておいてくださいね。
決算では、その在庫数をもとに、期末棚卸資産の計上を行います。
その時の計算式は、別段の定めがない限り。
「期末在庫数 × 最終仕入単価 = 期末棚卸高」
で計算されます。
また、仕掛品を計算するときには、
材料費の仕入原価に、その製品を製造するためにかかった人件費等を計上することを忘れないようにしてくださいね。
では、今回はここまで。
次回は固定資産の管理についてお話しします。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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