社会福祉法人の経理規程と実際の業務の整合性について

こんにちは、川越の税理士法人サム・ライズの東海林です。

先日のことですが、新たに経営支援することになった社会福祉法人様にお伺いする機会がありました。社会福祉法人様に初めてお伺いをするときは、まず最初に決算報告書と経理規程を拝見しております。

ほとんどの社会福祉法人様では、全国社会福祉協議会が作成している「全社協モデル経理規程」を参照して経理規程を作成されておりますが、実際に実施している業務との間に、乖離が生じている場合が多くあります。

また数年前まで変更していない経理規程だったので、現状に合わせて改訂を検討しているというお話を経理の方より聞くこともあります。社会福祉法人の会計処理は、経理規程で定められたとおりにする必要があり、経理規程の整備がしっかりとされていないと、監査時に指摘を受けることもあります。

そのため、今回は「全社協モデル経理規程」について改めて確認しながら、実際の業務との乖離をどのように調整することができるのかを見ていきます。

「全社協モデル経理規定」は下記13章で構成されています。


第1章 総則(第1条~第9条)
第2章 勘定科目及び帳簿(第 10 条~第 14 条)
第3章 予算(第 15 条~第 21 条)
第4章 出納(第 22 条~第 32 条)
第5章 資産・負債の管理(第 33 条~第 37 条)
第6章 財務及び有価証券の管理(第 38 条~第43 条)
第7章 棚卸資産の管理(第 44 条~第 46 条)
第8章 固定資産の管理(第 47 条~第 55 条)
第9章 引当金(第 56 条~第 58 条)
第10章 決算(第 59 条~第 68 条)
第11章 内部監査及び任意監査(第 69 条~第 70条)
第12章 契約(第 71 条~第 77 条)
第13章 社会福祉充実計画(第 78 条~第 79 条)

それでは、1章ずつ内容の確認と解説をしていきます。

第1章の総則は 第1条~第9条で構成されています。

社会福祉法人で定めている経理事務の範囲や会計期間、附属明細書として作成するものを明示しています。つまり、法人内の経理体制について記載している章となります。

経理事務の範囲や会計処理の基準、会計年度については変更する点がありません。しかし、法人本部以外の拠点が1つの場合は、「統括会計責任者」は「会計責任者」や「理事長」に変更することがあります。

第2章の勘定科目及び帳簿は第10条~第14条で構成されています。

使用する勘定科目や会計帳票について記載しています。
本条第1項第2号に記載されている会計伝票は、仕訳日記帳に該当すると考えて削除することがあります。

また、よくご質問を受ける会計に関する書類の保存期間は、この経理規程に記載されており、以下の通りとなっています。

(1)計算関係書類:10 年
(2)財産目録:5 年
(3)主要簿、補助簿およびその他の帳簿:10 年
(4)証憑書類(請求書、領収書など):10 年

また、こちらの書類を処分する際には会計責任者の承認を得るとの記載もあります。

第3章 予算は第 15 条~第 21 条で構成されています。

予算の編成から承認までの流れを明示しています。

予算管理責任者を会計管理責任者と記載することがあります。

第4章 出納は第 22 条~第 32 条で構成されています。

適切な収入計上及び収納事務について規程をしています。補助金や利用料の請求を行い、銀行振り込みや直接現金で受け取った場合の対応について明示しています。

第24条にて「収入後○日以内に金融機関に預け入れなければならない」との記載がありますが、こちらを5営業日以内など実際に可能な範囲に変更することがあります。

また、小口限度額についても金額が設定している金額より、超えることがあるのであれば設定を見直す必要があります。その他には、当座預金を使用していなければ、当座預金に関する記載を削除することがあります。

第5章 資産・負債の管理は第33条~第37条で構成されています。

債権および債務状況の適切な把握や管理について規程をしています。

第35条第2項の「統括会計責任者」を、理事長と変更することがあります。

第6章 財務及び有価証券の管理は第38条~第43条で構成されています。

借入や積立、有価証券の取り扱いについて規程をしています。

第41条の金融機関の取引や印鑑の保管については、理事長だけではなく、理事長又は会計責任者と記載することがあります。

第7章 棚卸資産の管理は第44条~第46条で構成されています。

販売用の棚卸資産や、貯蔵品や貯蔵品の管理について規程をしています。

第44条では、棚卸資産の範囲を下記の通りとしております。

ア. 商品
イ. 製品
ウ. 仕掛品
エ. 原材料
オ. 貯蔵品
カ. 医薬品
キ. 診療・療養費等材料
ク. 給食用材料

ア、イ、ウ、エは、就労支援事業などで使用する勘定科目であり、
カ、キ、クは、特別養護老人ホームや病院などで使用する勘定科目です。

自法人において該当しない勘定科目は、削除することがあります。

第8章 固定資産の管理は第 47 条~第 55 条で構成されています。

固定資産の管理方法について規程をしています。社会福祉法人で採用している減価償却の計算方法が、定額法・定率法のどちらか確認する際はこちらで確認することができます。

第9章 引当金は第 56 条~第 58 条で構成されています。

退職給付引当金や賞与引当金について規程をしています。退職給付引当金は、社会福祉法人の採用する退職給与制度によって異なりますので変更することがあります。

第10章 決算は第 59 条~第 68 条で構成されています。

決算報告についての規程をしています。

「統括会計責任者」を、理事長と変更する場合があります。

第11章 内部監査及び任意監査は第 69 条~第 70条で構成されています。

監査の依頼や報告について規程しています。

大規模な法人では、内部監査部門を設けることがあります。

第12章 契約は第 71 条~第 77 条で構成されています。

一般競争契約、指名競争契約、随意契約について規程をしています。

3社以上の業者の見積もりが必要な額を記載しています。透明性・公平性をより高めるため、客観的・合理的な理由のもとに決定するとなっておりますが、基本的には価格をもとに決定します。

第13章 社会福祉充実計画は第 78 条~第 79 条で構成されています。

社会福祉充実残額の計算について記載しています。

特に変更する点はありません。

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社会福祉法人の経理規程についてまとめ

今回は社会福祉法人の「全社協モデル経理規程」についてまとめましたが、いかがだったでしょうか。「全社協モデル経理規程」はモデルであり、規程は法律ではないので、ある程度は変更することは可能です。

実際の業務内容と乖離した規定のまま放置すると、指摘されるケースがありますので、経理規程を改めて確認してみましょう。また、実際の業務と規程が整合していないと、使えない経理規程となり参照されなくなってしまいます。その結果、処理にバラつきが出るなどの問題が生じてしまう可能性もあります。

ぜひ業務との整合性をチェックし、実際の業務に沿った経理規定にするようにしてください。

弊社では、社会福祉法人の経理規程の整備をサポートしたり、出来上がった経理規程のチェックをしております。社会福祉法人の経理規程について、何かお困りごとがありましたら、川越の税理士法人サム・ライズまでお気軽にご相談ください。

関連ページ:税理士法人サム・ライズの社会福祉法人支援について

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