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リーダーシップへの舞台裏Vol.4 ~今を駆ける社長のインタビューシリーズ~
目次
~美とビジネスの真髄~
素肌美容家の探究心と人間味が織りなすビジネス成長物語と新たな挑戦
バドミントンのセミプロ選手が、ある時突然、それまで縁のなかった美容の世界に導かれ、今では社員に尊敬される経営者に。一体どんな出会いやターニングポイントがあったのでしょうか。20周年という節目に、これまでの苦楽やこれからの目標について、大いに語っていただきました!
【プロフィール】
熊本県出身。
小学校高学年からバドミントンに打ち込み、高校時代にはインターハイで団体準優勝を飾る。高校卒業後、NEC九州に入社し、日本リーグや国体のシングルスの柱として貢献。日々の激しい練習や試合で「目標設定」や「基礎の反復の大切さ」を体得しながら強靭な精神力が培われる。引退後、美容の世界へ。
スキンケア専門のサロンを神戸・熊本・福井に開設し、多くの女性のお肌や生活習慣に寄り添いながら健やかな素肌づくりのサポートに取り組む。さらに、サロン運営を営む個人事業主のオーナー様へのサポート事業として、26年間で培った自身のノウハウを提供し「お客様目線」を徹底的に追求し、きめ細かなサロン運営のサポート事業も展開中。
プライベートでは自然と触れ合うことが大好きで、開放的な露天風呂や、広大な緑の中でのゴルフ、観葉植物のお世話などを楽しむ。
突然訪れた、美容の世界との出会い
林:今回お話を伺うのは、私も日頃のスキンケアで大変お世話になっている、株式会社モイスティーヌ美容研究所の代表取締役、上田純子さんです!
今年、会社を設立されてからちょうど20周年とのことで、実は私も昨日までの一泊二日で熊本へお祝いに行かせていただき、一緒に過ごしながらいろんなお話を伺ったところなんですよね(笑)。
純子さん、20周年本当におめでとうございます!!昨日に引き続き、本日もどうぞよろしくお願いします。まずは、会社の概要と事業内容についてお話しいただけますか?
上田:ありがとうございます!!
はい、昨日に引き続き(笑)、よろしくお願いします!
まず、株式会社モイスティーヌ美容研究所の概要ですが、ひとことで言いますと、スキンケアの専門サロンです。具体的には、医療機器メーカーが開発した美容器と、製薬会社が作った基礎化粧品を融合させた特別な技術で、お客さまの美しい素肌作りをサポートしています。また、お客様ひとりひとりに寄り添うアドバイザーの開拓と育成などもいたしております。”サロン”と言うと、みなさん、お化粧品やサプリメントなども取り扱っている総合的なサロンを想像されるかと思うんですが、私たちのサロンはスキンケアだけに特化しています。スキンケアだけに特化したサロンって、実は他にないんですよ。
林:ないですよね!私も、初めてモイスティーヌに出会った時にラインナップを見て、「メイク道具ってないんですか?」ってお聞きしたことを覚えています(笑)。そこまでスキンケアにこだわるということは、子どもの頃から、美容の世界への興味関心が人一倍あったのでしょうか?
上田:いえ、全く無いです!
田舎に住む母親も、全くと言っていいほど美意識が無くて。
ですから、子どもの頃の将来の夢といえば、小学校低学年の頃は「お花屋さん」でしたし、高学年になると「バドミントンのオリンピック選手になりたい」と言うほど、美容の世界とはほど遠いものでしたね。
林:ではなぜ、この業界を目指すようになったのでしょうか?何かきっかけがあるのでしょうか?
上田:きっかけは二十数年前、当時の友人がモイスティーヌを使っていたことですね。
ある時、その友人から「モイスティーヌを使っていたらシミが薄くなってきた」という話を聞いたんです。でも当時の私はまだ化粧品に全く興味がありませんでしたから、「そんなわけないじゃん」と思っていて(笑)。
ところがその後、その友人を担当するアドバイザーさんから聞いた話に衝撃を受けたんです。その内容というのが、「私たちの皮膚は浸透しないように作られている」という事実。
この衝撃の事実をみんなはまだ知らないんだ、と思った時に、「じゃあ私が伝えなきゃ!」と勝手な使命感が生まれたんですよ(笑)。
だから、「美容の仕事をしよう」とか、「この商品を取り扱いたい」とか思ったのではなく、ただ「この事実を友達に伝えなきゃ、教えなきゃ!」と思ったのがスタートでしたね。
林:なるほど、その強い探求心や知的好奇心が、純子さんを美容の世界へと引き合わせてくれたんですね。
窮地を救ってくれた、運命の出会いと合言葉
林:では、美容の世界に入ってから、現在の会社を立ち上げるまでのお話をお聞かせください。
上田:はい。もともとは出身地の熊本にあるサロンでアドバイザーの仕事をしていたのですが、ある時、モイスティーヌの製造元である株式会社ホーマーイオン研究所(以下:ホーマーイオン)の方から、「モイスティーヌを全国に普及・発展させるために力を貸してくれないか」というお話をいただいたんです。
それがきっかけでホーマーイオンに入社し、福岡にある支店でアドバイザー育成のための研修運営や講師を務めることになりました。ところが3年ほどが経った頃、「やっぱり現場で、綺麗になっていくお客様を見ていたい!」という思いが抑えきれなくなって(笑)。
結局現場に戻ることに決めたのですが、その時は熊本には戻らず、福岡で再出発することを選び、そこで現在の会社を立ち上げたんです。それが、2003年のことでした。
林:そこから、今年でちょうど20周年ということなんですね!
会社を立ち上げてから、熊本の水前寺サロンに加えて、2010年に神戸元町サロン、昨年には福井サロンも開業されていますが、その間には様々な出来事があったと思います。
この20年の間で一番苦しかった時のことを聞かせていただけますか?
上田:そうですね、一番苦しかったのは…やはり、社員が定着しなかった時ですね。特に、2010年に神戸元町サロンを開業した時は、社員を一般募集するのが初めてだったこともあって苦労しましたね。ようやく採用できた社員でも、全力でかけた思いがなかなかうまく伝わらずに辞めてしまって、また振り出しに戻って…ということの繰り返しで。
その度に自分の気持ちとエネルギーをリセットして次に向かう、という作業が本当に苦しかったことを覚えています。
林:でも、そんな苦労があったとは思えないくらい、素敵な社員さんばかりですよね。実際に、私が昨日までの2日間で社員さんたちにお会いした時、みなさんキラキラしていて、仕事が好きで、純子さんのことをリスペクトしていて…という印象を受けたんですが、純子さんは、この困難を一体どうやって乗り越えたのでしょうか?
また、もしも当時の自分に声をかけてあげるとしたら、何を伝えますか?
上田:もしも今、当時の自分にアドバイスするとしたら…「もっと相手の話を聞いて!」と言うと思います。
というのも、ある方との出会いによって、私の考え方がガラリと変わったんです。6年ほど前の出会いだったんですが、その方が「まず相手のことを受容しなければ、自分が伝えたいことは伝わらない」と教えてくれて。それまでは一方通行で、こちらの思いをただただ伝えるという考えしかなかったので、相手の思いを受容して共有する、すり合わせる、という概念に衝撃を受けたんです。それからは「受容」と「共有」という言葉が会社の中でも合言葉のようになっていきましたね。この出会い、この言葉のおかげで、私自身の内面はもちろん、社員との関係性も良い方向へ大きく変わっていくことができたんだと思います。
林:なるほど、「伝える」ことと「共有する」ことって、意味が全く違いますもんね。同じものを同じように見る、ということが大切なんですね。
では逆に、この20年間の中で一番嬉しかったことや、やりがいについてはどのように感じていますか?
上田:一番嬉しかったことは、まさに今!今の景色です。”過去を振り返って”というよりも、”今”の環境や関係性、社員たちの成長が嬉しいですね。
そしてその景色を、社内外問わず誰かと共有できる時間…その瞬間が本当に嬉しいです。それが活力になって、「もっと頑張ろう!」って思えるんですよね。
それから、社員たちの成長を一緒に味わったり、ずっと見届けたりすることは、嬉しいことであると同時に、私のやりたいことでもあり、やりがいでもあると確信しています。
林:まさに今ですね!純子さんのその時その時の熱い思いが、社員のみなさんにしっかり共有されているからこそ見えてくる景色は、本当に素晴らしい眺めなんだと思います。
一度現場から離れ、アドバイザー育成や研修講師として仕事を任された時期があったという純子さん。しかし、「私はやっぱりお客様がキレイになっていく過程を見たい!」と現場に戻り、ゼロからお客様開拓をしていたそうです。しかも、新しい店舗を構えるたびにゼロからの開拓!そのエピソードを伺った時、パワーとエネルギーに溢れる純子さんの姿が目に浮かびました。今もそんな活気とパワーに満ち溢れていて本当にステキです!
これからも大切な社員とともに、より良い景色を目指して―――
林:これまで、純子さんと一緒に素晴らしい景色を作り上げてきた社員さんやアドバイザーさんですが、そんなみなさんに対して、純子さんが思っていることや期待していることって、どんなことでしょうか?
上田:社員やアドバイザーたちにはぜひ、”相手に寄り添える存在”になってほしいと思っています。
簡単に聞こえるかもしれませんが、”寄り添う”って、家族でさえもなかなか難しいことですよね。そんな中、私たちがお客様にとっての”かけがえのない存在”になれたら…そしてそれをお互いが感じ合えたら、こんなに豊かな人生は無いと思うんです。
林:”寄り添う”と言えば、昨日の20周年パーティーで乾杯のご挨拶をされていた80歳の女性の言葉が、私はすごく印象に残っていて。「毎月サロンに通うのが楽しみですのよ」っておっしゃっていましたよね。これって、まさに”寄り添うサロン”が体現されていることだと思います!
お客様に対しても、社員に対しても、常に高いプロ意識を持って接される純子さんですが、そんな純子さんにとっての”プロフェッショナル”とは何でしょうか?
上田:プロフェッショナルとは…ずばり、”高いパフォーマンスで、相手に有益な影響を与えられる存在”だと思います。
例えば、プロスポーツ選手ってよく「結果」や「成果」を出すことだと言われていますよね。「結果」や「成果」って、プロとしてもちろん大事なことなんですけれども、これは一時的なものに過ぎません。でも、その一時的なものを継続させていくのがプロスポーツ選手だと思うんです。
なので私たちの場合ですと、アドバイザーが言った言葉がお客様の心にずっと残っていて、それが時々思い出されて、「お手入れしなきゃ!」というお客様の行動に繋がっていく…というイメージですね。つまり、お客様が、アドバイザーにやってもらって成果を出すのではなく、アドバイザーの影響を受けて自分で成果を出す、という”動機付け”ができる存在、それがプロフェッショナルだと思うし、自分もそうありたいと思っています。
林:先ほどお話した、80歳の女性の例をとってみても、お客様に有益な影響を与え続けている純子さんは、まさにプロフェッショナルですよね!
そんな純子さんがこれからやりたいことや、将来の夢って、どんなことでしょうか?
上田:はい。私が今までやってきたこと、経験してきたことの集大成として、女性経営者の美容と健康のヘルスコーチをしたいと思っています。
というのも、私には身体の師匠がいまして、その師匠の言葉に「身体づくりは自分作り」というのがあるんです。
いかにパフォーマンスの高い身体で健康な状態を保てるか、そのためには自分をしっかり観察しなければならないし、自分をしっかり感じなければならない、ということなんですが、これって肌も同じなんです。
日々のスキンケアで肌と向き合っている時、自分と向き合っていると感じることありますよね。
特にモイスティーヌでは、お手入れはセルフで行いますから、より自分と向き合うことができるんです。そんなモイスティーヌだからこそできる、美容と健康を通しての「自分作り」というサポートができたら嬉しいと思っています。
林:「身体づくりは自分作り」って、いい言葉ですよね。
それに、「経営する」ということも結局は自分と向き合うことになるから、「身体づくりは自分作り」という言葉とすごく融合するなぁ、と思いました。
女性経営者の美容と健康のヘルスコーチ、とてもワクワクしますね。面白そう!その時は、私が経営部分をサポートしますので、ぜひ一緒にやりましょう!
ということで、今回もあっという間のインタビューでした。
まさに「明朗快活」という言葉がぴったりの純子さん。その輝くような笑顔につられて、こちらも笑顔・笑顔の素敵な時間になりました!ありがとうございました!
スタッフがなかなか定着しなかった時が一番苦しかったという純子さん。「その時は、自分の伝え方が一方的だった」とおっしゃる純子さんに私も共感してしまいました。良かれと思って社員やスタッフに伝えていた事が、相手にはそう感じられていなかった……それに気づくことができた今、純子さんは社員の状況や話を「よく聴く」ことを最優先にしているそうです。その上でスタッフ全員で情報を「共有」する。今のサロンを拝見すると、「なるほど、こういう細やかさが行き届いているからステキな空間なのね~!」と、感心するばかりでした!
会社概要
【会社名】株式会社モイスティーヌ美容研究所
【事業内容】美容機器の販売・基礎化粧品の販売・スキンケアの技術指導
【所在地】〒650-0021 神戸市中央区三宮町3-1-5イソーラ・ディ・元町4F
(TEl)078-381-6205 (FAX) 078-381-6206
【HP】https://www.moisteane-beauty.co.jp/
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