リーダーシップへの舞台裏Vol.29 ~今を駆ける社長のインタビューシリーズ~

目次
「あなたの役に立つ」を行動にする仕事のかたち
~まきこんだり、まきこまれたりしながら~
Web業界の黎明期から現在まで、25年以上にわたり第一線で走り続けてきた小寺沢社長。Webコンサルティング・制作・システム開発を主軸に事業を展開する一方で、アパレルブランドを立ち上げるなど、その活動は多岐にわたります。今回のインタビューでは、Web業界に身を置くことになった原点から、独立の決断、組織づくりの葛藤、そしてものづくりへの想いまでをひも解きます!
【プロフィール】
1975年、東京都生まれ。
大学卒業後、広告制作の現場を経て2000年にWeb業界へ。Web制作会社にてディレクター、プロデューサーとして約10年間、企業サイトの立ち上げや運用に携わる。
2010年、ウズ株式会社を設立。Webコンサルティングから制作、システム開発までを一気通貫で手がけ、コーポレートサイト構築を主軸事業とする。企業研修や人材育成にも関わりながら、2020年にはアップサイクル事業として着物を再生するブランド「UZ Fabric」を立ち上げ、2025年にはマーケット企画「唯一無二展」をスタート。Webとものづくり、ビジネスと表現を行き来しながら、「価値を見つけ、育て、伝える」ことを大切にしている。プライベートでは、デビュー前から応援しているアイドルグループの推し活が最重要事項。最近は中国ドラマにもすっかり魅了され、日々の癒しにしている。
「次はWebだ」と感じた、その直感を信じて――
Webとともに歩んだ26年のキャリアの原点
倉橋:さて、第29回目となる今回は、ウズ株式会社の代表取締役、小寺沢裕子さんです!本日はどうぞよろしくお願いいたします。それではまず、御社の事業内容や会社の概要について教えていただけますか?
小寺沢:はい、こちらこそよろしくお願いします。私が代表取締役を務めるウズ株式会社では、Web領域を軸に事業を展開しています。メインとなるのは、Webのコンサルティングやサイト制作、システム開発などですね。企業さんのWebサイトを「作る」だけではなく、どう活用していくか、どう伝えていくかというところまで含めてサポートしています。それに加えて、ここ数年取り組んでいる新規事業として、「UZ Fabric(ウズファブリック)」という自社のアパレルブランドも立ち上げました。こちらは、使われなくなった古い着物をアップサイクルして、ワンピースやバッグ、ストール、ストラップといったアパレル小物・雑貨に生まれ変わらせる取り組みです。商品企画から製造、販売までを行っています。事業の比重としては、現在はWeb事業が9割以上を占めています。アパレルのほうは、少しずつチャレンジを重ねている段階、という位置づけですね。
倉橋:メインのWeb事業に加えて、アパレルの新規事業にも取り組まれていて、かなり幅広いことをされていらっしゃるんですね!メインのWeb業界にはもうかなり長くいらっしゃると思いますが、そもそもこの業界に入られたきっかけは何だったんでしょうか?
小寺沢:実は、最初からWebの仕事をしようと思っていたわけではないんです。大学を卒業して新卒で入った会社は、美容業界のハウスエージェンシーでした。広告全般を扱う会社という位置づけで、主な仕事は雑誌など紙媒体の広告制作が中心でしたね。
当時はまだ、インターネットが日本に入ってきて間もない頃で、今のようにWebが当たり前の存在ではありませんでした。テレビCMや雑誌、新聞が圧倒的に強くて、Webは「新しいものが出てきたから、とりあえずやってみようか」という、どちらかというとおまけのような扱いだったと思います。
その会社に在籍していたのは1年半ほどなんですが、途中から社内にWebの制作チームが立ち上がって、ホームページを作ろう、という動きが出てきたんです。そこで初めて、仕事としてWebに触れるようになりました。
ただ、その会社自体はなかなか厳しい環境で……早い段階で転職を考えるようになりました。その後、少し方向を変えてカラーコーディネーターの学校で働いた時期もあったんですが、やっぱり「次はWebだな」と思って、Webの学校にも通い始めたんです。
ちょうどその頃、以前の会社で一緒に仕事をしていたWeb制作チームの派遣社員の方が、Web制作会社に転職されていて、「人が足りないから来ない?」と声をかけてくれて。そこから、2000年に本格的にWeb制作会社へ転職しました。気がつけば、そこからずっとこの業界にいるので、もう26年になりますね。
倉橋:お話を伺っていると、Web業界の立ち上がりからずっと現場にいらっしゃったわけですよね。独立されたのはいつ頃なのでしょうか?また、そのきっかけもお聞かせください!
小寺沢:はい、独立したのは、Web制作会社に入ってから10年ほど経った頃ですね。
きっかけは、自分のやりたいことと、会社の方針が合わなくなった、ということが大きいです。その会社では、途中から役員も任せてもらっていたので、経営に関わる立場ではあったんですが、やっぱり最終的な意思決定は社長がするわけで。だったら、自分でやりたいことがあるなら、自分で会社をやるしかないな、と。それで独立を決めました 。それに 、ありがたいことに「独立したら仕事をお願いするよ」と声をかけてくださるお客様もいて。その存在は、とても大きかったですね。
倉橋:いろいろなタイミングや環境が重なっての独立だったんですね。


Webを主軸に事業を展開するウズ株式会社。現在はWeb事業が全体の9割以上を占める一方、新たな挑戦としてアパレルブランド「UZ Fabric」も展開。確かな本業を土台に、ものづくりへの想いを形にしています。
ただ作らない、という選択。
想いを“翻訳する”Webの仕事とは。
倉橋:独立から15年が経った今、Webの会社って本当にたくさんありますよね。これから先は、同じような会社だとなかなか選ばれにくくなっていくのかなとも感じます。そんな中で、理念や考え方も含めて、今後はどんな方向を目指していかれるのでしょうか。
小寺沢:ちょうど今、そのあたりは経営課題として考えているところですね。これまでは、うちは実績の強さにかなり助けられてきました。カルビーさんや森永乳業さん、味の素さんなど、皆さんがよく知っている企業さんのお仕事をさせていただくことが多くて、新規の営業でも「それだけの会社をやっているなら」と評価していただけることが多かったんです。
ただ、これから先はAIも出てきていますし、環境も大きく変わっていく中で、やり方自体を見直していかないといけないな、という感覚はあります。
その中でも、ずっと大事にしているのは、企業のサイトは「自分たちの想いをお客様やユーザー、消費者の方に伝える場所」だということです。でも実際には、自社の強みや特徴、想いをうまく言葉にできていない会社さんも多いんですよね。それを受け手にわかる形に“翻訳して伝える”のは、意外と難しい部分でもあります。
なので、私たちは「ただ作る」というよりも、その翻訳をどうしていくかを一緒に考えるところから関わる、というスタンスを大切にしています。プロセスとしては本当に当たり前で地味なものだと思いますが、15年やってきて思うのは、結局そこを丁寧にやるかどうかで、その後が全部変わる、ということです。流行りの手法や最新技術を追うよりも、
「その会社が、本当に伝えるべきことは何か」を一緒に考える。その結果、こうした姿勢を評価してくださる企業さんと、長くお付き合いが続いてきたのかな、とも思っていますし、今後はそういった部分をもう少し強く打ち出していけたらいいなと思っています。
倉橋:なるほど。企業の想いを、その先にいる“見る人”に向けた言葉に変換していく、ということなんですね。その「企業の想いを翻訳する」という考え方、かなり地道なプロセスだと思いますが、実際に手を動かす現場の方にも伝わっていないと成り立たないですよね。
社内では、どうやってその想いを共有しているんですか?
小寺沢:これが一番難しいですよね。だからこそ、社員総会などの節目ごとに、うちの経営理念も含めて、しつこいくらい同じ話をするようにしています。
ちなみに、うちの経営理念・行動基準は「あなたの役に立つことを選ぶ」という言葉に集約されているんですが、この「あなた」には、いろいろな立場の人が当てはまります。クライアント企業の担当者の方、その先にいるユーザーさん、そして社員や自分たち自身、さらには外部パートナーの方々も含めて、です。なので、誰か一人ではなく、それぞれの「あなた」にちゃんと役に立てているかどうかを、すべての行動の基準にしてほしい、という話を繰り返し伝えていますね。
思いやりを持って仕事をする、というのは、結局ここにすべてつながっていると思っていて。ユーザーさんにとって使いやすく、分かりやすいものをつくるのも「あなたの役に立つ」ことですし、クライアントさんが社内でプロジェクトを進めやすいようにサポートするのも、同じく「役に立つ」ことですよね。そうした考え方を、日々の業務の中でも、社員総会のような場でも、何度も何度も伝えています。ワークを通じて考えてもらうこともありますし、日常的な会話の中でも触れるようにしています。一度伝えたら終わり、というものではないので、繰り返し叩き込んでいく、という感覚に近いかもしれません。
倉橋:なるほど…理念を掲げるだけではなく、日々の行動レベルまで落とし込むことを、繰り返し続けていらっしゃるんですね。

受託のその先に見据えた、
新しい事業のかたち~UZ Fabric~
倉橋:これまでのお話を聞いていると、その考え方って、既存の事業だけでなく、新しい取り組みにもつながっていきそうだなと感じました。
新たに始められた事業「UZ Fabric」については、どんな背景やきっかけがあったんですか?
小寺沢:そうですね、もともと当社は受託業務が中心なので、この形だけではいずれ限界が来るだろうと感じていました。そこで、自社で何か新しい事業をつくれないかというプロジェクトが立ち上がったのがきっかけです。
その中でヒントになったのが、当時在籍していた社員の活動でした。和文化に興味を持ち、使われなくなった着物を次の持ち主につなぐ取り組みをしていたんですが、サイズや汚れの問題で、どうしても行き場のない着物が出てくる。そういった着物たちを「形を変えて生かせないか」と考えたのが、「UZ Fabric」の始まりです。
倉橋:小寺沢社長も、もともと着物がお好きだったんですか?
小寺沢:私自身はどちらかというと、着物を着ることにはあまり向いていなくて(笑)。
でも、着物の柄やデザインの美しさには強く惹かれていました。なので、着物として着るのではなく、日常で身につけられる形にできればいいんじゃないか、という発想ですね。それに、既存の着物リメイクには違和感を覚えることも多くて…「本来の魅力を活かした、かっこいいものをつくりたい」という思いもありました。
ただ、事業として育てるには認知や量産、販路づくりなど課題も多く、今は本業とのバランスを見ながら、少しずつ進めている段階です。
倉橋:理念や想いを大切にしながらも、現実と向き合い続ける。その積み重ねが、次の挑戦を生み出しているんですね。これからのますますのご活躍を、とても楽しみにしています!
小寺沢社長、本日は貴重なお話を、本当にありがとうございました!!


本業であるWeb事業とのバランスを大切にしながら、UZ Fabricも無理なく継続したいとおっしゃる小寺沢社長。自身のブランドを身にまとい、パリ・オペラ座を訪れた一枚は、「自分が本当に良いと思うものを、自分自身が使う」という姿勢が印象的です。仕事と表現を行き来する、小寺沢社長らしいスタイル。
会社概要
【事業内容】
●Web広告● アパレルブランド「UZ Fabric」
株式会社リアルボディRグループ
【所在地】
〒154-0004
東京都世田谷区太子堂1-12-39三軒茶屋ビル6F
(TEL)03-6805-2088
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