リーダーシップへの舞台裏Vol.2 ~今を駆ける社長のインタビューシリーズ~
目次
ただひたすらにコツコツと!地道に誠実に信頼をつかみに行く、強靱な肉体と精神力が武器の頼れる代表
親子の事業承継ならではの苦労を経験された伊藤社長。どのようにして乗り越えたのか、そしてどんな未来を描くのか。今回は、いつも社長をそばで支える妻の由貴子さんにも登場していただき、伊藤社長の人柄や、ご夫婦の素敵な関係性についても迫ります!
【プロフィール】
1971年1月東京都大田区生まれ。
幼いころから事業承継のための英才教育を受け、家業を継ぐことに迷いなく育つ。
高校・大学時代はラグビー漬けの生活で、本人曰くイノシシのような強靭な肉体と精神力を体得。
大学を卒業後すぐには家業に入らず、あえて家電メーカーに入社。
営業担当として3年間、社会の荒波に揉まれる。
その後、1994年にサクラ運送有限会社に入社し、静岡営業所を立ち上げるなど現場での実績を積む。
2014年に代表取締役となって以降は、運送業の新しいスタイルを模索しながら、より質の高いプロフェッショナルチームを目指して全国各地で活躍中。
プライベートでは、今でもラグビーを楽しむほか、「キャンピングカーで日本一周」という夢も語る、素朴な笑顔が素敵な愛妻家。
何事にも誠実な伊藤社長だからこそ成し得た、静岡営業所の立ち上げ
林:さて、第2回目となる今回は、私たち林家と家族ぐるみでお付き合いのある伊藤社長ご夫妻にご登場いただきます!どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、伊藤社長の会社の概要を教えてください。
伊藤社長:はい。
私が代表取締役を務める「サクラ運送有限会社」は、高圧ガスや危険物の輸送に特化した運送会社で、東京に本社営業所がある他、静岡にも営業所があります。高圧ガスと言えば、病院や工場、大学の研修室などの特別な場所だけで使われるものと思われがちですが、例えばスーパーに並ぶバナナを追熟させるために使われたり、イベントやコンサートの演出で使われたり、温泉(炭酸泉)に使われたりと、身近なところでもあらゆる分野に使われていまして。
そんな高圧ガスや危険物の輸送はいわゆる「隙間産業」ではありますが、”誰にでもできることではない”ということを強みに、より質の高いプロフェッショナルチームを目指して日々全国を走り回っています。
今年は、創立60周年を迎えるとともに、私が先代である父親から事業承継して10年目になります。
由貴子さん:…硬い!硬い!!(笑)
林:社長、ホント硬い!そんなに緊張しなくて大丈夫、大丈夫!!気を取り直していきますよ(笑)
さて、静岡にも営業所があるということですが、伊藤社長がリーダーとなって、一から立ち上げられたそうですね?
伊藤社長:はい、気を取り直して…(笑)
静岡営業所に関してはそうですね、私が最初に基盤を作りに行きまして、本当に何もないところから少しずつ築き上げて、今では8人が働く営業所に成長しました。
林:「何もないところから」というのはとても大変だったと思います。静岡営業所を立ち上げるにあたっては、何が一番大事だと考えていましたか?
伊藤社長:当時はとにかく”信用をつかむこと”だけを一番に考えていましたね。不器用なりにもコツコツとまじめに積み重ねていけば必ず信用をつかめると信じていましたので、特に最初の頃は「何でもやります!」ぐらいの勢いで、どんどんお客さんとコミュニケーションをとりに行っていました。
「自分で動ける分は仕事だろうがすぐ動く!」の精神で仕事をする伊藤社長。
「大学時代のラグビーで鍛えられた精神と体力が今でも健在!」がうかがえます。
由貴子さん:それ、私もお客さんに聞いたことがあるんです。
例えばトラックの荷台の上からでも、下にお客さんがいれば「おはようございます!サクラ運送の伊藤です!仕事あったらください!365日24時間何でもします!」って言って名刺を配っていたらしくて…お客さんの間では、社員の誰よりも社長が一番機敏でとにかく声が大きい、と噂になっていました(笑)
でも、そんな社長の姿が忘れられないって言ってくださるお客さんもいらっしゃったんです。
林:なんか、そんな伊藤社長の姿、簡単に想像できます(笑)でもそうやって、コツコツと積み重ねていける伊藤社長だったからこそ、今の信用をつかめたんですね。
会社になくてはならない存在の”あんこ”
林:ところで、社長夫人の由貴子さんは、会社ではどういう役割なんですか?
伊藤社長:妻は、会社では部下にあたりますが、私にとってはもう本当に大きな存在です。
プライベートでの夫婦喧嘩はないんですが、仕事のこととなると、「今より良くするために」と意見をぶつけ合ったり、私が悩んでいるとアドバイスをくれたり…
“社長は孤独だ”と言われる中で、私の場合、妻には本当によく支えられて、助けられているなぁ、と感じています。
由貴子さん:私は、自分のことを”あんこちゃん”って呼んでいまして(笑)
というのも、社長って、仕事とか肩書がついちゃうと硬くなっちゃうタイプなので、私が社長と従業員の間に入っていくんです。ただ、ついつい”あんこちゃん”が出すぎちゃうところがありまして(笑)でもこの十年の間で、「ここは出すぎてる」とか「今だ!」というのが自分でも何となく分かるようになりましたね。
林:由貴子さんっていつも明るい性格だから、まさに”あんこちゃん”にぴったり!!会社の中の潤滑油的な存在って、本当に大切な存在ですよね。
伊藤社長:そうなんです。私と社員の間に入ってくれて、しかも社員の小さな変化を見逃さないっていうのは私にはできないことなんで、会社にとって本当になくてはならない存在ですね。
林:とても素敵な関係性ですね!
伊藤社長は本当にロマンチストで奥様の由貴子さん想い!(笑)社長のちょっと不器用なところを由貴子さんが補って、仕事でもプライベートでもこ夫婦の二人三脚をそばで見ていていると、とっても微笑ましいんです。そんな社長が大事にしている「五心」の精神。社長ご自身がまさに「五心の生き方」そのものなので、自然とそれが会社の雰囲気に反映されているんだと感じます。
避けられない壁…親子の事業承継ならではの衝突
林:そんな伊藤社長と由貴子さんがご結婚なさったのは、事業承継した後ですか?
伊藤社長:はい、そうです。私が事業承継したのは、静岡営業所を立ち上げた後、由貴子さんと結婚して二年目ぐらいの頃でした。
その頃は、先代である父親とよくぶつかっていましたね。お互いに仕事に対する思いがあるからこその衝突なんですが、特にお酒が入るとヒートアップしてしまって…
今ではある程度の距離を保ちながら、冷静に付き合えるようにはなりましたが(汗)
林:林家もそうなんですが、親子の事業承継って、そういう衝突は起きますよね。でも、そんな時期も乗り越えた今だからこそお父様が事業にかけてきた思いを理解されたと思いますが、いかがですか?
伊藤社長:そうですね。まずは、誰にでもできることではない「隙間産業」をやってくれていたことに関して、本当に感謝しています。
今こうやって私が代表としてやっているのも、先代がしっかりした土台を作ってくれていたからこそのことなので、その感謝の気持ちはやっぱり元気なうちに伝えておかないと、と思っています
林:”あんこちゃん”は、先代と社長の関係性をどう思いますか?
由貴子さん:はい、あんこ、出ちゃいます(笑)
実は先代から受け継いでいる座右の銘がありまして。「日常の心意気」って言って、「素直な心・反省の心・謙虚な心・奉仕の心・感謝の心」の”五心”が書いてあるものなのですが、社長はそれを、1ヶ月に1回のミーティングの時に毎回、必ず社員に読ませるんです。
それってきっと、社長が、先代のことを尊敬しているからだと私は思っていて。
林:うんうん、先代が大事にしてきたことが、”五心”として社長の中にしっかり入っていて…その行動から、社長の先代に対する尊敬がめちゃくちゃ伝わってきますね。
夫婦二人三脚で歩く、長い道のりの先に思い描く会社像
林:夫婦二人三脚で歩く、
長い道のりの先に思い描く会社像
林:そういえば、由貴子さん。お二人の馴れ初めには、忘れられない思い出があるんですよね?
由貴子さん:そうですね…思い出を語ると長くなっちゃいますが(笑)
あれは社長との結婚が決まるか決まらないかという年の8月、私の誕生日に急に2人で富士山に登ることになりまして。でも、あいにくすごい雨が降っていたんです。添乗員の人にも「ご来光は仰げないですよ」と言われるほどだったんですが、彼だけはなぜか「僕は絶対ご来光を見ることができる自信がある」って言い張っていて(笑)
そんな中、いよいよ頂上に登ってみたら、ほんの15分間くらいでしたが、パーッと、本当にご来光が見えたんです!そこで私が「わぁ~、綺麗!!」って感動していたら、何やら彼がリュックをガサゴソと探り始めて。それで出てきたのが、ぐちゃぐちゃになったロールケーキでした(笑)
林:誕生日だからね(笑)
由貴子さん:そうなんです(笑)それに、一緒に婚姻届も用意してくれていたみたいで。でも当時は、雨に打たれてボロボロになった中、せっかくロマンチックなご来光を仰いでいるのに、隣でガサゴソしている彼を見て「何やってんの???」という感じだったんです(笑)
それが今となっては、富士山が私たちを結び付けてくれたんだなぁと思えるし、たった15分のご来光でしたが、今でも思い出すだけで、どんな辛い時も頑張れる、というのはありますね。
それに、あの時の彼の素朴さと熱意には感動しちゃって。そんな彼に、私は一生ついていきたいなと思っています。
林:素敵~!そういう思い出って大事ですよね!「あの時の誓いがあるから」って頑張れるし、力づけられる…本当に素敵です。そんなお二人が思い描く会社の将来って、一体どんなものなのでしょうか?最後にぜひ聞かせてください!
伊藤社長:そうですね、最終的には全国にサクラ運送有限会社の拠点を作りたいと考えています。そのための最初の目標として、65歳までは本当にとことん仕事をして、社員みんなが幸せになれるような会社を作っていきたいですね。
林:いいですね~!65歳までということは、あと干支一周分!素敵な目標だと思います。では由貴子さんは、会社の将来についてどう思っていますか?
由貴子さん:私、この会社に入ってすごく思うことがありまして。実は、うちの会社で定年まで働いた人が今まで一人もいないんです。なので一人ぐらい、「最後までサクラ運送で働いて本当によかった!」っていう老後を迎えてくれる人ができるといいな、と思っています。
林:それもまた素敵な目標ですね~!これからも、伊藤社長ご夫妻のこと、応援しています!
ということで、今回もあっという間のインタビューでしたが、実は伊藤社長、事前に原稿を準備してくださっていました。
(私の希望で、インタビュー中は原稿を見ずに話してもらいましたが(笑))。そういところからも、伊藤社長の誠実さがにじみ出ていますよね。
そして、そんな社長をいつも明るく支えている由貴子さん。本当に素敵なご夫婦で、最高です!林家は、そんな伊藤ご夫妻がとても大好きです!
ありがとうございました!!
会社概要
【会社名】サクラ運送有限会社
【事業内容】 自動車運送取扱事業
貨物利用運送事業
各高圧ガス全般の輸送事業
【所在地】 〒143-0012 東京都大田区大森東4-27-2
(TEL) 03-3761-8201 (FAX) 03-3761-8231
【HP】https://www.kotonear.com/sakura-transport/
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