リーダーシップへの舞台裏Vol.14 ~今を駆ける社長のインタビューシリーズ~
目次
学び、成長し、幸せになれる会社を目指して
~経営理念の実践と施術の進化~
自身の「やりたい」という気持ちを大切にして、整体院に介護事業に栗農家にと、3つもの事業を1つ1つ着実に実現させてきた内野社長。その情熱は現場にもしっかりと届き、他にはない一体感を生み出しています。今も進化し続ける施術方法や、スタッフとの信頼関係を育む工夫、事業を成功させる秘訣など、幅広くお話を伺いました!
【プロフィール】
1972年生まれ。
高校入学時から「将来は会社を経営する」と漠然と考え、大学卒業後に整体の専門学校に入学。新宿のリラクゼーションサロンにて、その日に習った手技を即実践する日々を重ねて技術を磨き、専門学校卒業後は川越の整骨院に勤務。1年後には指名数で院長を上回る実績を達成し、2000年9月に「うちの整体療術センター」を開業。2012年には株式会社Bliaを設立し、介護保険認定施設「GENKI NEXT」で機能訓練特化型デイサービスを開始。さらに2019年には「緩消法」の認定技術者となる(全受講者の1%以下)。プライベートでは、美味しいものを求めてグルメ探索に情熱を注いでいる。
3000通超!!現場との信頼関係や一体感を生む “朝メール”
林:さて、第14回目となる今回ご登場いただくのは、株式会社Bliaの代表取締役、内野貴公男さんです!実は私も、内野先生の施術には幾度も助けられてきました。いつも本当にありがとうございます。本日もよろしくお願いします!それでは早速ですが、内野先生の会社の概要と、事業内容をお話しいただけますか?
内野:はい、よろしくお願いします。私の会社は、株式会社Bliaと言いまして、「GENKI NEXT(げんきねくすと)」という介護保険認定施設で、機能訓練特化型デイサービスを提供する事業を行っております。具体的には、3時間という短い時間で体の機能を回復させようということを目的にした機能訓練を行っていまして、事業開始から今年で12年目になります。また、開業して24年になる整体院「うちの整体療術センター」の経営もしており、7年前からは〈緩消法(かんしょうほう)〉を用いた施術を行っております。
林:整体院を経営しながら介護施設での事業も開始されたということですが、どんなきっかけがあって介護業界を選ばれたのでしょうか?もともと介護業界に興味があったのですか?
内野:取り立てて介護に興味があったというわけではないのですが…
当時、たまたま家に空いているテナント用物件があったので、そこを何かに使えないかなとずっと考えていたんです。その時ふと、空き物件を介護施設にして、介護の中に施術を入れていけば、自分が持っている施術のスキルを出せるのではないか、お役に立てるのではないか、と思ったのが介護業界を選ぶことになったきっかけですね。でも結局、その時の空き物件ではなく、全く別の物件で開業することになりました(笑)。
林:そうだったんですね(笑)。では実際に介護業界に参入されて、どうでしたか?
内野:初めて現場を見に行った時、「私には介護は無理だ」と思いましたね。
というのも、その頃はまだ介護マインドについてよく知らなかったので、ここまでするのか、という衝撃を受けたんです。それに、介護には終わりが無いですよね。そうなると、私が常に持っている “健康になるためのお手伝い”という施術の考え方とは方向が大きく異なるな、と感じてしまって。なので、介護の現場については全てスタッフに任せることにしました。
林:へぇ~!現場はスタッフさんに任せて、内野先生はオーナーで、というスタンスなんですね。それにしても、現場のスタッフさんと内野先生との一体感をものすごく感じるのですが、これには何か秘訣があるのでしょうか?
内野:私が始めた“朝メール”が功を奏しているのかもしれません。
林:“朝メール”?すごく気になります!詳しく聞かせてください!
内野:はい。やはり管理者が現場にいないと、スタッフはすごく不安になるだろうし、こちらの考えや想いも届かないかもしれない…そう思って、毎日何かしら伝えよう!と始めたのがこの“朝メール”です。メールにいろんなことを書きながら「自分はどうなんだ?」と振り返ってみたり、至らない自分のことも書いてみたり…正直、くだらない内容の時もありますけどね(笑)。
それでも、1000通目までは土日も欠かさず日刊で配信していたんですよ。1000通を超えた時には、さすがにもう配信を辞めようかなとも思いましたが、ありがたいことに「楽しみにしてます!」というような声をいただいて。結局は週5日の営業日のみ配信することにして、今朝のメールで3087通目となりました。
今となっては、“朝メール”は私の大事な仕事のうちのひとつですね。
林:えー、3087通目!?ずっと続けているなんて、本当にすごい!!
でもそうやって、内野先生の正直な気持ちをオープンにしているから、スタッフさんも正直に言える環境が作られて、信頼関係や一体感が生まれるんですね。積極的にスタッフと関わって想いを伝えるって、本当に大切なことだと思います。
自らも学び、成長し続ける―――
「地域社会に貢献できる人材の育成」のために
林:ところで、内野先生が日々スタッフさんに伝えている考えや経営理念とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
内野:私が日々スタッフに伝えたいと思っていることは、「お互い成長し合って幸せになるために一緒に仕事していきましょう」というようなことです。
というのも、株式会社Bliaを設立する際、介護業界について自分なりに勉強していたところ、介護業界は医療業界に比べて “新しい知識を学ぶ機会”が圧倒的に少ないということに気が付いたんです。
それで、スタッフが様々なことを学び、成長して、幸せになれる会社にしていきたいと思うようになり、経営理念を「地域社会に貢献できる人材の育成」としました。“学び”については私も例外ではなく、自己成長するために、7年前に出会った〈緩消法〉という新しい施術方法を学び続けていて、5年前には認定技術者となりました。
林:その〈緩消法〉、どんな施術方法なのか気になっていたんです!
私が以前足を捻挫した時には、激痛を伴う施術を受けたんですが(笑)、施術が終わると信じられないぐらい楽になっていて。その後も回復が本当に早くて、1週間後には走れるようになったんですよね。当時私が受けた施術方法と、今回の〈緩消法〉とはどのような違いがあるのでしょうか?
内野:はい。以前は、捻挫で損傷した以外の異常収縮してしまった筋を強い力で柔らかくするという施術方法でした。この方法、実は筋肉をものすごく傷つけることになるので、亜由美先生も感じられた、焼き火鉢を当てつけられているような激痛が伴うんです。それと、揉みほぐすことをしてしまうと筋は1週間もすればまた硬くなってしまうのが特徴です。一方で〈緩消法〉は、筋を傷つけることなく、筋を生まれた頃の元の状態(=無緊張状態)に戻す施術方法ですので、施術中の痛みも少ないのが特徴です。ただ、〈緩消法〉は少しずつ順番に筋繊維を溶かすように施術していきますので、以前の施術方法よりは時間がかかります。
林:へぇ~!もう、あの激痛に耐えなくても良いんですね!では、どうして施術方法を変えることになったのでしょうか?
内野:私が飽きっぽい性格だからでしょうか…毎週腰痛を訴えて来られるお客様に以前の方法で施術を行っていた際、ふと「同じことを繰り返して、俺何やってんだろう」と思ってしまったんでそんな時、腰にこぶし大の硬い筋肉のあるお客様がいらっしゃったんですが、その硬い筋肉がどうやっても柔らかくならないんです。
そこで、試しに〈緩消法〉を取り入れてみたら、少し小さくなったうえに、その後1週間経っても硬い状態に戻るということが無くて。さらに、毎週腰痛を訴えていたお客様にも試してみたところ、やはり効果があって、だんだんと硬くならなくなってきたんです。そういうことがきっかけとなって、〈緩消法〉を取り入れることとなりました。
林:飽きっぽいとは言っても、最終的にはお客様のために試行錯誤を重ねて、施術を進化させていらっしゃるんですよね。施術を受ける側の私たちからすると、そんなふうに考えてくださるのはとても幸せなことだと思います。
緩消法の施術の様子。少しずつ順に筋繊維を溶かすような施術のため、時間はかかるそうですが、筋を傷つけることなく、痛みも少ない上に効果持続期間が長いという特徴があります。
失敗を恐れずに前へ!!
どんな困難に直面しても、 諦めないことが成功へのカギ
林:ここまで、内野先生ご自身も含め、スタッフのみなさんも会社も進化し続けていらっしゃるというお話を伺いましたが、今後の展望についてはどのようにお考えですか?
内野:今後は、訪問マッサージの導入を考えています。介護報酬にはどうしても上限がありますので、他のサービスを組み合わせることでもう一つ柱を作り、収益を安定させる計画です。それから、亜由美先生もご存知かもしれませんが、実は農業も始めたんですよ。
林:そうそう、内野先生が栗農家を始めるらしいと伺いましたよ!今、どういう段階なんですか?
内野:私の父の希望で始めたという経緯もあるんですが、今3年目で、ようやくある程度の栗の実が採れるようになってきました。
ただ、生の栗をそのまま売るのではなく、加工して商品化したものを売ることを目指しているので、収穫した栗を冷蔵庫で熟成させながら、どの種類の栗がどの商品に合うのか、どのくらい熟成させたらどのくらい糖度が増すのか、ということを研究している段階です。
林:商品化というと、具体的にはどんな商品を想定しているのでしょうか?
内野:例えば、焼き栗やマロングラッセですね。それも自家製にするのではなく、外注することで6次産業化させて、事業としてやりたいと考えているところです。
林:なるほど。お話を聞いていると、整体院にしても介護事業にしても栗農家にしても、1つ1つを着実にスタートされていますよね。そんな内野先生にぜひお聞きしたいのですが、これから独立しようと思っている人や始めたばかりの人へ向けてのメッセージをいただけますか?
内野:ありきたりなことしか言えませんが…やりたいことがあるなら、まずはやってみてください!!お金が欲しいからとか楽しそうだからとか、目的や理由は何でも良いんです。そうしてやってみると、必ずうまくいかなくなる時がやって来ますが、そこでいかに踏ん張れるかが成功へのカギとなります。
林:深い…!!困難に直面した時に踏ん張れるかどうかで、自分の覚悟や本気度を試されているんですよね。
内野:そうだと思います。例えば、借金返せなかったらどうしようとか、失敗したらどうしようとか想像すると、つい躊躇ってしまうこともあると思いますが、とりあえずやってみるんです。周りに何と言われようと、自分の「やりたい」という気持ちを大切にしてほしいですね。
林:そうですよね、何が起こるかなんてやってみないと分からないですもんね!素敵なメッセージをありがとうございます!!
というわけで、今回のインタビューもあっという間に終わってしまいました。内野先生はきっと、これからも「やりたい」と感じたことを次々に実現していかれることと思います。ますます応援させていただきます!それから〈緩消法〉は私も受けてみたいので、またマメに通わせていただきますね(笑)。本日は本当にありがとうございました!!
農業も始めている内野先生。すごい!栗の実がなってますね!栗が収穫できるようになってきたとのことで、これから生産・加工、そして商品化までの道のりが私も楽しみです!
ご家族と過ごす時間も大切なリフレッシュの時間。
会社概要
【事業内容】
● 株式会社Blia
・うちの整体療術センター : 緩消法を取り入れた整体療術
・介護保険認定施設「GENKI NEXT」:介護予防整体を行うデイサービス
【所在地】
<うちの整体療術センター>
〒350-2214 埼玉県鶴ヶ島市太田ヶ谷902
(TEL)049-285-3469
<介護保険認定施設「GENKINEXT入間下藤沢」>
〒358-0011 埼玉県入間市下藤沢470 フラリッシュフジサワ102
(TEL)049-2941-2405
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