リーダーシップへの舞台裏Vol.16 ~今を駆ける社長のインタビューシリーズ~
目次
お客様一人一人を大切に―――
心をつなぐマーケティングで紡ぐ、成長と挑戦の軌跡
幼い頃に駄菓子屋で店番をしていた経験が、現在のビジネスの原体験だと語る久保田社長。独自のマーケティング手法を確立するまでに、いくつもの逆境をどのように乗り越え、それを力に変えていったのでしょうか。今回は、亜由美先生とのエピソードも交え、おしどり通信ならではの深い話をたっぷりお伺いしました!
【プロフィール】
1976年 大阪府堺市で、会社員の父と専業主婦の母のもとに生まれる。 小学生の頃から祖母の駄菓子屋の店番を任され、自然とリピーターを増やす技術を体得。
明治大学短期大学(経済学部経済学科)を卒業後は、公認会計士の資格取得を目指し、専門学校でアルバイトしながら勉強に励むも、専門学校が経営難に陥り閉校の危機に。
すがる思いで駆け込んだ本屋で出会った、神田昌典氏のマーケティング本を参考に実践を積み重ねたところ、専門学校の経営回復に成功。これを機に個人事業主として独立し、マーケティング業界へ。
神田氏のもとで3年間マーケティング業務に従事した後、セミナー運営会社で3年間の正社員勤務を経て、2012年に株式会社やまとを創業。現在に至るまで「つながりをつくり、育む」という理念のもと、コアファンを生み出す仕組み作りに心血を注ぐ。
プライベートでは、ゴルフや茶道、ピアノなど、楽しみながらリフレッシュする時間も大切にしている。
祖母の駄菓子屋に学んだ
“商売の極意”
倉橋:さて、新年最初のインタビューにご登場いただくのは、株式会社やまとの代表取締役、久保田優子さんです!そして今回からは私、倉橋えり奈(本紙制作・デザイン担当)がインタビュアーを務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします!それでは早速ですが、まずは久保田社長の会社について、概要や事業内容をお話しいただけますか?
久保田:はい、よろしくお願いいたします。私の会社は「株式会社やまと」と言いまして、スピリチュアルな内容に特化したセミナープロデュース事業を行っています。具体的には、セミナーの集客から会場の手配、顧客対応など、講師の方が登壇してお話しされる以外の業務を全て担っております。
現在登録してくださっている会員さんは 2,500名ほどいらっしゃるのですが、月に3~4回開催するセミナーのうち、それぞれ興味のある回に参加してくださる、とういう形です。
倉橋:会員さんが2,500名もいらっしゃるとは…久保田社長の集客力のすごさがよく分かります!こういった、コンサルティングやプロデュースのお仕事には、子どもの頃から興味をお持ちだったのでしょうか?今のお仕事につながるようなエピソードなどもあれば、ぜひお聞かせください!
久保田:そうですね…私、小学校低学年の頃から、祖母が経営していた駄菓子屋でよく店番をしていたんです。当時、祖母は“当たり”のお菓子を売り場には出さずに、孫の私にだけくれるという、ちょっと不思議なやり方をしていて(笑)。それだとお客さんは何度買っても“当たり”を手に入れられませんから、私が店番をする時はお客さんにこっそりおまけをあげるようにしていました。すると、それを喜んでくれたお客さんが何度も足を運んでくれるようになり、リピーターが増えていったんです。今振り返ってみると、この時の経験が私のビジネスの原点ですね。その後、会社を立て直す仕事に興味を持つようになり、いつしか公認会計士の資格を取得して経営コンサルタントとして働きたい、という夢を抱くようになりました。
倉橋:小学生の頃からお客様の満足を考え、行動されていたとは驚きました!そんな幼少期の体験が、今のお仕事の基盤になっているんですね。
「売ることばかりに熱心に取り組んでいた頃、参加者お一人おひとりまで見ていなかった」とおっしゃる久保田社長。ここからご自身のマーケティングスタイルをコツコツ確立し、現在でもほぼお一人でこれだけの集客と、イベント手配で豊富な実績を積まれています。
辛い経験が形作った
“心に寄り添う”経営スタイル
倉橋:その後は、マーケティングや経営の知識も学ばれてきたそうですが、具体的にはどのような経緯があったのでしょうか?
久保田:はい。短大を卒業した後、公認会計士の資格取得を目指して専門学校で勉強しながら、同じ専門学校でアルバイトもしていました。ところが、公認会計士の試験日まであと3ヶ月というタイミングで、その専門学校が経営難に陥り、閉校の危機に直面してしまって。何とかして専門学校を立て直したい!という思いでとりあえず本屋へ駆け込み、出会ったのが神田昌典さんの『あなたの会社が 90日で儲かる!』という本でした。それから必死に、本の教えのとおりに実践したところ、30日後には本当に売り上げが上がってきて、見事に立て直すことができたんです。この出来事が、マーケティングに関心を持ったきっかけです。その後、神田さんのマーケティング実践塾に参加し、神田さんの右腕として働く機会もいただきました。
倉橋:すごい!!神田さんの右腕として働くなんて、貴重な経験ですね!あのピンクの本(『あなたの会社が90日で儲かる!』)、実は私も読んだことがあるのですごくよく分かります(笑)。神田さんの下では、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?その後の経緯や、印象深いエピソードなどもあればお聞かせください!
久保田:神田さんの下ではまず半年間、マンツーマンでコピーライティングやマーケティングを学びながら働き、その後3年間ウェブマーケティングの部門で仕事をしました。コピーライティングでは神田さんご本人から直々に添削指導をいただいたのですが、よく「優子ちゃんは人の気持ちが分かんない子だね」みたいなことを言われていたのを覚えています(笑)。その後は、セミナー運営会社に引き抜かれ、3年間正社員として働きました。ここでは現在の事業の原型となるような、講座の集客や顧客対応など運営全般を担当していました。ところがある時、半年間の講座を受講中のお客様が自ら命を絶ってしまわれる、という出来事があって…半年間も通ってくださっていたお客様なのに、会社の中で私だけ、その方のお顔もお名前も覚えていなかったんです。その時、神田先生からのあの言葉(「優子ちゃんは人の気持ちが分かんない子だね」)を思い出して、“売ること”だけにこだわりすぎてお客様一人一人を大切に出来ていなかったことを痛感しましたね。それからは初心に戻り、“お客様の心に寄り添うこと”にこだわる現在のマーケティング手法へと転換しました。
倉橋:そうだったんですね。かなり辛い経験だったと思いますが、現在のマーケティングスタイルを確立するきっかけにもなったんですね。では逆に、これまでで一番嬉しかったことについてもお聞かせください。
久保田:はい。現在の会社を立ち上げた後の話になるのですが、ある時、担当していた先生が突然倒れられる、ということがあって。とても辛い気持ちの中で、返金作業に追われて本当に大変だったんですが、そんな時に支えてくださったのはやはりお客様だったんですよね。もちろん、先生についていたお客様は離れていってしまったんですが、会社や私についてくださるお客様もたくさんいらっしゃって。その後、なんとか仕事再開の目途が立った時にはとても喜んでくださったり、先生が変わっても「やまとさんがやるなら行くよ!」と言ってくださったり…その時は本当に嬉しかったですね。私の会社では広告宣伝費を一切かけていないんですが、それでもこのようなお客様とのご縁に恵まれたことは、本当にありがたいですし、嬉しく思います。
倉橋:そうなんですね!やはり、お客様からの信頼があってお仕事ができるというのは、本当にありがたいことですよね。
思いやりマーケティング』の先へ――
変化を恐れない挑戦と未来への展望
倉橋:とはいえ、プロデュースしていた先生が倒れられたとなれば、会社の経営にも大きく影響したと思います。経営面はどのように乗り越えてこられたのでしょうか?
久保田:はい。当時プロデュースしていた先生は1人だけでしたので、会社の経営は非常に厳しい状況にまで陥りました。そんな時、会社を立ち上げたばかりの頃から伴走してくださっていた亜由美先生の存在が本当に心強かったですね。
特にマス監査は、年間で立てた予算に対して今月いくらなのか、とても細かく見てくださるので本当に助かっています。時には厳しくて、目標に届かず泣いて帰ったこともありますが(笑)、亜由美先生のおかげで今があるな、と心から思っています。
倉橋:私も、亜由美先生にはいつもお世話になっているので、愛のムチをくださるところはよく分かります(笑)。そんな亜由美先生との出会いについてもお話しいただけますか?
久保田:はい。約10年前になりますが、私が「メキキの会」に参加したのがきっかけです。「メキキの会」では、魂は4つに分けられる(=一霊四魂)という考え方があって、『勇(前進する力)』『親(調和する力)』『愛(愛し育てる力)』『智(探究する力)』の4つに分類されるんです。
私はというと、ガツガツ目標に向かって走っている、という理由で『勇』に分類されました(笑)。それから、以前(おしどり通信2024年7月号で)インタビューに答えていた山崎恵ちゃんに誘われて、彼女が当時主催していた“勇女(ゆうじょ)の会”なるものに行ってみると、そこに亜由美先生もいらっしゃっていて。そこからのお付き合いになりますね。
その時早速経営の相談に乗ってくださったんですが、「勇女って“ざる”なんだよね」とか「優ちゃん、前しか見てないからダメなんだよ」とか、ざっくばらんにお話してくださったことを今でもよく覚えています(笑)。
倉橋:“勇女の会”、そうそうたるメンバーだと噂にはお聞きしていましたが(笑)、久保田社長も『勇』なんですね!私が勝手に持っていたイメージとは違ったので、意外です!では最後に、これからやっていきたいことや、将来の展望などあればお聞かせください!
久保田:そうですね…これからも変わらずBtoCで仕事をしていきたいと思っているのですが、その営業スタイルを少し変えてみようか、ということを亜由美先生とも話をしていて。具体的に言いますと、いただいたオファーの中から厳選する、というこれまでの営業スタイルを、自分から発掘しにいく、という方向へ転換させたいと考えていて、早速来年の3月までには少しずつ着手していきたいなと思っています。
それから、去年『思いやりマーケティング』という本を出版させていただいたんですが、この本の内容を自分で伝えたり、実践してくれる人を増やしたり…という活動もしていきたいと思っています。
倉橋:
変化を恐れずに新しいことに取り組まれる姿勢、見習いたいです。どちらも簡単ではない挑戦だと思いますが、久保田社長のますますのご活躍を楽しみにしています!
本日は、たくさんの貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました!!
!
2023年に出版された久保田優子社長の著書『思いやりマーケティング®』は、リピーターを生む秘訣を豊富な実体験をもとにまとめた一冊。お客様の心に寄り添うマーケティングの真髄をわかりやすく解説し、個人や企業に役立つ具体的で心のこもったマーケティングノウハウが満載です。
会社概要
【事業内容】
株式会社 やまと
・セミナープロデュース
セミナー集客・運営・アフターフォロー全般。講演に集中できる環境を提供
・ビジネスプロデュース
プロモーションに関する企画立案・ツール作成・メール作成
【所在地】
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-19吉澤ビル7階
(TEL)03-5542-1529
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