こっそり教わった会計の国家資格の勉強方法のコツとテクニック
目次
こんにちは!川越の税理士法人サムライズの山口純です。
会計に携わる方々は、簿記や税理士、公認会計士といった資格の取得を考えているという方もいるかと思います。私は、公認会計士と、ヨーロッパのフランス語圏で会計の国家資格を短期間で合格しています。2つの難関といわれる会計の資格を勉強して感じた事は、会計の試験はテクニックだという事です。
そのテクニックを取得するに至ったのは、私が日本で公認会計士の試験を受けるために予備校に通っていたころです。いつも同じ授業を受けている人の中に、ガツガツ勉強をしている姿を見たことがないのに、いつも模擬試験が高得点の生徒(Aさん)がいました。授業の後には、その人に前に行列が出来るほど、教え方も上手なAさん。私は、一日中ガツガツ勉強しているのに、合格できるかわからないような不安な状況でした。
意を決して、そのスマートなAさんと仲良くなって、Aさんに勉強のやり方を教わりました。その後、目から鱗が落ちまくり。見事、Aさんに勉強のテクニックを教わった年に会計士に試験(当時は2次試験と言われていた試験)に合格できました。
その後、時が経って、ヨーロッパで、今まで触れた事もないフランス語で会計の国家試験の取得の為に勉強したのですが、そのテクニックを使って、乳幼児の子育てをしながらも、その試験に一発合格する事ができました。そこで、Aさんから教わった、国家試験合格の為のテクニックを、ここに綴り、これから資格を取得する方が効率的に勉強ができるような手助けが少しでも出来たら幸いです。
会計の資格には、法律や財務諸表、経営学等の理論系の科目と、簿記や管理会計、経済学といった計算系の科目があります。理論系と計算系では勉強方法が異なってくるので分けて解説します。
理論系の科目編
試験1か月前の復習の為の準備が重要!
理論系の科目は、試験から1か月位前にはインプットはストップ。既にインプットしたものを1か月でどれだけ回せるかが勝負です!
勉強期間が長期に渡る難関試験では、理論科目は勉強した時の理解力がマックスで、その後は、どんどん忘れます。
1論点、1枚のA4用紙に入魂!
そこで、マックスの理解力で、1つのテーマにつきA4の紙1枚に全ての重要な定義やら論点をまとめます。そのまとめた紙1枚を見るだけで、自分が一番理解していた時と同じ状況にもっていけるようになります。
そして、その後は、その紙を隙間時間等に定期的に見てその紙を何も見なくても同じまとめの紙がかけるくらいまでもっていきます。1つのテーマにつき紙が1枚のみなので、そんなに負担になりません。
好みにもよりますが、マインドマップでまとめるのが一番まとめやすいし、記憶に残りやすいと思います。予備校では、先生が用意してくれたレジュメがあるので、それを利用しても良いかと思いますが、私の場合は、自分で書いた方が覚えやすかったです。
やっぱり授業の予習復習が基本
そして、まとめる紙を作成するマックスの理解力はいつかというと、授業の後です。
授業の前にその日授業で習うことを予習して、自分のわからない箇所を明らかにしておきます。そして、授業中は全集中!予習の時にわからなかった箇所を先生の説明を聞いて理解するのです。それでもわからない場合は、授業後に先生又は優秀な生徒に質問をして、全てをクリアにし、まとめのA4用紙にいざ入魂!こうやって1つのテーマごと、丁寧に理解して丁寧にまとめていきます。
あとは、その後、必要な項目があった場合は追加しつつ、定期的に目を通して、内容を忘れないようにします。
もし、予備校のコースで入門から始まって基礎に移行するような場合は、入門の時は理解が浅いのでまとめ作業はしないで、理解に集中した方が良いです。まとめ作業こそコースで行います。
論文を書くような科目は、文章を素早く構築して時間内である程度のスピードで論文を仕上げる必要があるので、過去問や模擬テストで定期的に練習する必要があります。私は、論理展開が行いやすいようにA4をまとめていきました。
そして、いよいよ試験1か月前!
目の前には、自分でまとめたA4用紙があるのみです。もう、何度も見ているので内容は理解しているので、復習は早い早い。少ない時間で、たくさんのテーマを復習でき、今まで習ってきた事を高速で復習できます。試験会場に行く電車や直前の余った時間なんかでも復習ができます。
試験の際も、出てきた問題を解くときは、そのまとめた用紙を頭で思い出してアウトプットするだけです。
もし、こういったまとめがなかったら、昔勉強した論点なんかは、頭の片隅に残っているくらいで、試験1か月前という大事な時期に、昔一度理解したであろう論点をもう一度理解しなおすという、大きなタイムロスが生じてしまいます。
計算系の科目編
出来る問題は繰り返さない!出来なかった問題だけ復習&授業等で配られたプリントは全て取っておかない
計算系の問題でAさんに教えてもらった印象深い出来事があります。
私は、授業で配られたプリントは全てファイルに大切に取って置いて、何度も解いていました。
それを見て、Aさんは、「2回出来た問題は捨てる!」と言って、私のプリントで出来たマークが2回以上ついてるいるプリントをどんどん捨て始めました。そして、ファイルの中のプリントはみるみるうちに少なくなってスッキリ!
確かに、配られたプリントは全て大切にファイルをしたくなりますが、たくさんのプリントがあると、どの問題が自分にとって今勉強すべき問題かがわからなくて、既に理解している問題を解いて時間を無駄にしてしまいます。
また、理解した問題のプリントをどんどん処分していくと、見た目にも、自分の理解度及びやるべき量というものがわかってモチベーションもアップします。
1回解いて、正解で、時間を空けて内容を忘れた状態でもう一度解いて正解でしたら、その問題はもう理解できているという事。理解できている問題を解いて時間を無駄にしないように、そのプリントは、ファイルから抜いていきましょう。
試験直前には、プリントの枚数も大分すっきりして、ストレスなく、苦手な問題の勉強をする事ができます。ちょっとした事ですが、時間や効率性に大きな違いを生むテクニックです。
良質な総合問題を定期的に解く
計算問題は、テンポや慣れが必要なので、良質な総合問題や過去問を定期的に行って計算問題の頭の筋トレを常にしておきましょう。予備校に通っておけば、定期的にテストがあると思うので、そのテストで大丈夫だと思います。
計算科目でも理論科目でも重要で定番の勉強方法
過去問は早いうちからやってみる!
これは、言い古された勉強法ですが、過去問は本当に大事です。
基本的に過去問と同じような形式で、試験は出題されます。過去問に慣れておけば、試験の形式に慣れているので、試験中の問題の理解及び解答がスムーズです。
大抵の予備校は、過去問と同じような形式の模擬試験をしてくれるので、大手の予備校でしたら、自然と過去問と同じ形式に慣れるので大丈夫かと思います。
傾向と対策
また、こちらも言い古されていますが、傾向と対策も大切です。どのような論点が過去に頻出しているか、単発系の論点が昨年に出題されたから、今年はこの論点は出ない等の対策ができるので、過去問をやりながら対策を練れます。こちらも、基本的に予備校がやってくれますね。
何校かの大手予備校のはったヤマを入手
試験は相対的です。みんなが出来る問題は絶対に点を取る。みんなが出来ない問題は埋没問題なので、間違っても気にしないが、出来たらラッキー。
大手予備校が、ここが重要!とヤマを張った箇所は、殆どの生徒が完璧に仕上げてきますので、ここの点が取れないと致命的です。必ず、点が取れるように仕上げていきましょう。
試験会場で問題用紙をみたら、みんなが確実に取れるであろう問題から初めて下さい。難しい問題から初めて、時間が取られた上に点がとれなかったらかなりの痛手です。
字は綺麗に丁寧に
これ、すごく重要です。実は、Aさん、あんなに頭がよく予備校の模擬でもトップだったのに、私と同じ年に試験に落ちてしまいました。
考えられる理由は1つだけです。まったく読む気が起きない字を書くのです。読んでいて、車酔いのような吐き気さえ起きるくらい字が汚かったので、予備校ではお客様なのできちんと採点されましたが、たくさんの答案を採点しなくてはいけない試験委員にきちんと読まれなかったのでは?と思っています。
その後一年かけて、Aさんは丁寧な字を書く練習をして、次の年に合格しました。
おわりに
実際、Aさんから教わった事をまとめてみると、何も変哲もなく当たり前の事のように思えます。でも、これらを行う事で、やみくもに勉強する場合に比べて、効率も上がり、時間もかなり節約できます。
勉強法は人それぞれですが、効率的かつ時間を節約できるこの勉強法は私にすごく合っていました。これから、会計に関連する試験を受けようと思っている方に、少しでも勉強のヒントになれば幸いです。
資格があるからといって社会に出て成功するとは限りませんが、資格を持っていることで、開ける扉が多くなると思います。ぜひ頑張ってください!
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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