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経理書類の整理術!書類をすっきりさせたら、業務がスイスイ進む!
目次
どうして書類整理が必要なの?
こんにちは!埼玉県川越市の税理士法人サム・ライズの林 公士郎です!
今回は、「経理業務ってまず何をすればいいの?」「経理業務が思うように進まない…」とお悩みの方のために、経理書類の整理術についてお話していきます。
経理業務の基本は、書類整理といっても過言ではありません。
書類の整理ができていなければ、正しい損益の把握ができなくなってしまいます。
経理には、とても重要で大切な書類が集まります。
過去の取引などの書類を見直したり、探したりする場面も多々あると思います。
そんな時書類の整理ができていなければ、時間がかかってしまいます。必要な書類がなかなか見つからないと業務効率が悪くなってしまったり、書類を紛失してしまったりするリスクも高まります。
起業した方、初めて経理をする方、経理って何をしたらいいのだろう?と思っている方、まずは書類の整理のルールを決めてみましょう。
経理をしているけど、なぜか効率的に進まないなとモヤモヤしている方、まずは書類の整理を見直してみましょう。
どうやって書類整理をしたらいい?
整理をしなければいけないとわかっていても、なかなか進まない…。ここでは、どのように書類の整理を進めていけばいいのか説明していきます。
書類は、「時間軸」と「種類」で分類を!
まずは、書類の分類をしてみましょう。
経理の書類は、
①決算期に関係ない重要な書類
②10年保存が必要な書類=「決算書(10年保存)ファイル」
③決算期単位で保存する書類
④暦年単位で保存する書類
に分類することができます。
では、それぞれどのような書類があるのでしょうか?チェックしながら進めてみましょう。
① 決算期に関係ない重要な書類=「永久保存ファイル」
決算期に関係なくその都度ファイリングしていきます。
☐ 設立、届出関係(登記簿謄本・定款・税務署や都道府県へ提出した届出書類の控えなど)
☐ 議事録関係(株主総会議事録・取締役会議事録・臨時株主総会など):日付順
☐ 契約書関係(賃貸借契約書・業務委託契約書・売買契約書・リース契約書など):契約書種類別・日付順
☐ 社会保険・労働保険関係(社会保険適用通知書・算定基礎届保険関係成立届・雇用保険適用事務所設置届・労働保険申告書など)
☐ 保険証券(生命保険や損害保険の保険証券)
☐ 借用書(借用証書、借入金返済予定表):借入先別・日付順
② 10年保存が必要な書類=「決算書(10年保存)ファイル」
決算終了後、ファイリングしていきます。
☐ 決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計画書、個別注記表)
☐ 総勘定元帳
☐ 仕訳帳
☐ 現金出納帳
☐ 売上帳
☐ 仕入帳
☐ 売掛金元帳
☐ 買掛金元帳
☐ 固定資産台帳
③ 決算期単位で保存する書類=「決算期(7~10年保存)ファイル」
決算期毎、新しいファイルを作成します。このファイルが決算の作成する基礎となります。
☐ 現金領収書:月別・日付順
☐ 通帳コピー:金融機関別・日付順
☐ クレジットカード明細:クレジットカード会社別・支払日順
☐ 売上請求書:クライアント別・請求書発行日付順もしくは、月別
(※後でみるときを考えてクライアント別か月別か使いやすい方法で)
☐ 仕入請求書:月別・日付順
(※請求書に対する領収書・振込伝票をひとまとめにしておくとわかりやすい)
☐ 納税領収書:種類別・日付順
☐ その他(上記に当てはまらない書類):月別
④ 暦年単位で保存する書類=「給与関係ファイル」
☐ 年末調整関係:源泉徴収簿・賃金台帳・扶養控除申告書・年末調整の計算に使用した資料
☐ 給与関係:給与明細書・支給控除一覧表・給与計算に使った資料
ファイリングのポイント
次に、分類した書類をファイリングしていきましょう。
各分類の中で新しいものを上にファイリングし、A4の書類はそのまま、A4より小さい書類は、A4のコピー用紙に貼りましょう。
① 「永久保存ファイル」
・穴をあけず、ポケットリフィルを使う
・大分類ごとインデックスをつける(例:「設立・届出関係」・「議事録関係」…)
② 「決算書(10年保存)ファイル」
・決算期毎にファイリング
・決算期毎にインデックスをつける
・書類の順番は、毎期同じがよい
③ 「決算期(7年~10年保存)ファイル」
項目の中で、金融機関別や取引先別などがある場合は、インデックスをつけましょう。
・現金領収書:月別・日付順にファイリング
→A4のコピー用紙に穴を開け、領収書を日付順に貼る
・ 通帳コピー:金融機関別・日付順にファイリング
→A4にコピーし、通帳ごとにインデックスを。
・クレジットカード明細:クレジットカード会社別で、支払日順にファイリング
(※クレジットカードのレシートは、明細書毎にA4のコピー用紙に貼るとわかりやすい)
・ 売上請求書:クライアント別・請求書発行日付順もしくは、月別にファイリング
(※後でみるときを考えてクライアント別か月別か使いやすい方法で)
・仕入(請求書・領収書・振込伝票):月別・日付順にファイリング
・納税領収書:種類別・日付順にファイリング
・その他(上記に当てはまらない書類):月別にファイリング
④ 暦年単位で保存する書類=「給与関係(5年保存)ファイル」
・ 年末調整関係:種類別にファイリング
・給与関係:月別にファイリング
ここまで、紙に貼る方法で説明しましたが、紙に貼らなければいけないという決まりはありません。
種類別に分けて、クリップで留めるだけでもよいと思いますが、
探しにくいことや、バラバラになってしまい書類を紛失するリスクもありますので、紙に貼る方法をお勧めします。
見落としがちな書類
紙で郵送されてこない請求書・領収書・明細書はありませんか?
ネットで購入、電子決済などメールや画面での確認のものが多くあります。
種類によっては、閲覧期限があるものもありますので、期限前に印刷しファイリングしましょう。
・自動決済のもの(例:クラウドストレージサービス・レンタルサービス・ウィルスソフトなどの自動更新など)
メールで金額や期間が記載されていることも多いので、印刷して保存しておきましょう。
・Amazonなどのインターネットショッピング(特にクレジットカード決済のもの)
クレジットカードの明細書には、支払先と金額のみしか記載されておらず、内容がわかりません。
購入時の確認メールもしくは、購入履歴などから、商品がわかる資料を印刷して保存しておきましょう。
・ネットバンクの明細
通帳が発行されないネットバンクは、入出金履歴を印刷しておきましょう。
銀行によっては、閲覧期限がありますので、要注意です。
毎月印刷をして、通帳コピーのところにファイリングしましょう。
書類の保存期間と保存方法
① 書類の保存期間はどのくらい?
書類の保存期間は、会社法と税法など細かく分けるとそれぞれ期間が異なります。
期限がきたら処分することもできますが、最長期限までまとめて保管しておくとわかりやすいと思います。
法人の場合、10年間は保存と覚えておくとわかりやすいです。
上記で説明した①永久保存ファイルと②決算書(10年保存)ファイルは、重要書類ですので、永久的に保存した方がよいでしょう。
② 書類の保存方法は紙だけ?
書類の保存方法は、近年、電磁的記録の保存方法ができるようになりました。
簡単に言えば、スキャナで読み取った書類を保存する方法です。
この方法は、あらかじめ所轄税務署へ申請書を提出して承認を受けることが必要となります。
今回は、原則的な保存方法の「紙での保存方法」について説明しました。
詳しい保存期間と保存方法については、国税庁のHPを参照してください。
(国税庁「帳簿書類等の保存期間及び保存方法」)
よくある質問
Q.領収書が紛失していまった場合は、経費計上できないのですか?
A. レシートで代用することができますので、レシートを探して見ましょう。
レシートがなければ再発行を依頼するか出金伝票を作成しましょう。
高額な支払いや領収書紛失による出金伝票の代用が多い場合は、税務調査などでチェックされる可能性が高くなりますので、注意しましょう。
Q.領収書の発行されない慶弔費や交通費などは、どうしたらいいですか?
A. 出金伝票を利用することができます。領収書と同じ内容のものを記載しましょう。
Q. 但し書きがなくても大丈夫ですか?
A. 「品代」と書いてある場合も少なくありません。それほど厳密にはチェックされないと考えてもよいですが、事業と関連性のない場所での領収書は、チェックされる可能性がありますので、正確に記入してもらうようにしましょう。
書類整理の極意とは
書類整理は誰が見ても見やすく、整理が簡単なことが大切です。
・誰が見ても見やすい
→書類は後で見返す・探すことがあります。すぐに目的の書類を探せるかを考えてファイリングしましょう。
・整理が簡単
→ファイルを小分けにし過ぎないようにしましょう。ファイリングをするのに時間がかかったり、小分けにしたのに探すのに時間がかかってしまって本末転倒です。
また、ファイルに資料を追加したり、抜き出したり、入れ替えたりしやすいようにしましょう。
このように書類整理のルールを決めて、ファイリングすると、会計入力も効率的に入力できるようになります。
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税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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