経理業務をアウトソーシングするメリット・デメリット比較
目次
こんにちは!川越の税理士法人サム・ライズの大字結衣です!
新型コロナ・・・。なかなか落ち着きませんね。このコロナの影響で、テレワーク化が進んだ会社も多いと思います。これから経理のテレワークを進めていきたいとお考えの方は、「経理業務をテレワーク化するにはどのようなことを考えていけばよいのか」をご参照ください。
今回は、経理のテレワーク化は、なかなか難しい方・これから経理業務の委託を考えている方へ、「経理の委託(アウトソーシング)」についてお話していきたいと思います。
経理の委託 5つのメリット
法律改定など知識を常に気にしなくてよい
経理では、毎年のように改正される税法や社会保険の内容を常に確認し、反映していかなくてはなりません。新しい取引が発生したとき、税法を解釈して進めなければなりません。
自社にどの法律が関係しているのか、どう反映させなければならないのかを常に気にして、調べるのは時間もかかりますし、大変です。チェックが漏れていたとしたら、税務調査で追求されてしまう可能性もあります。
危機管理という意味でも委託のメリットがあります。
人件費削減と経理のスタッフの退職・補充など考えなくてよい
経理業務にも、閑散期と繁忙期があります。繁忙期のためにスタッフを増やさなくてはなりませんが、閑散期には、仕事がなくなってしまい、人件費の無駄遣いになってしまいます。
また、スタッフの退職があると求人をしたり、引継ぎをしたり・・・。スタッフの求人や引継ぎにかかった人件費もかからないので、経費削減にもなります。
そういったことも含めて、スタッフの増減を考えなくてよいということはメリットです。
一定の安定した経理ができる
安定した経理業務が進められるのは、とても大切です。ベテランスタッフが退職なんてことになると大慌てです。きちんと引継ぎはされると思いますが、やはりミスが生じやすくなりますし、業務が滞ることもあるかもしれません。
委託をすれば、引継ぎも必要ないですし、業務が滞ることはありません。また、急にスタッフが長期休暇をとったり、体調を崩したりして休んだとしても、業務は滞りませんし、業務の質も一定になります。
第三者へ資料を提出することで、資料整理もできるようになり、期日もしっかり守れるようになります。
不正防止になる
経理は、他のスタッフが知ることができない情報を取り扱う・金銭の管理をすることがあります。そのため、最小人数で経理業務を進めている会社もあります。そのため改ざんや横領のリスクも考えられます。
また、経理以外でも取引先とのやりとりや、経費の使い方など。委託された会社では、客観的な視点で経理業務をするので、不正に気づく可能性も高くなります。
このような事は、自社で発見するのは難しいので委託するメリットのひとつです。
本業に専念できる
経理業務の一部、例えば請求書の発行や売掛金の回収のチェックなど、営業のスタッフが担っている場合があります。そういった業務を委託にすれば、営業スタッフは、営業の仕事に専念することができます。
また、経理業務を経理と営業と分散せず、一本化することができます。特に社長が経理をしている場合は、経理業務を委託することによって、定期的に正確な試算表を作成することができ、現実的な経営戦略を検討するなど本業に専念することができます。
これは大きなメリットです。
経理の委託 5つのデメリット
処理をするのにタイムラグが生まれる
自社に経理部門があれば、例えば、「請求書変更して」や「○○会社は、値引きしました」など、連絡すればすぐに対応できますが、委託するとすぐの対応が難しくなります。
(契約などで異なりますので、実際に委託する会社へ確認してください。)
そのタイムラグで、経理以外の業務が滞ってしまう可能性があります。経理以外のスタッフの負担が大きくなるようでしたら、委託するメリットは少なくなります。委託する経理業務の内容を検討する際には、タイムラグが生じて困る業務に関しては自社で行う方法もあります。
プロセス・やり方などのノウハウがない
多くは資料を提出し、処理をしてもらう方法をとることがスタンダードですが、そのプロセスについては、委託する会社によります。プロセスの詳細については、わからないことが多いと思います。
そのため、経理のノウハウが社内で蓄積できない・臨機応変に対応できないことがあるというデメリットがあります。
スタッフの育成ができない
経理の知識や経理業務のノウハウが蓄積できないので、経理業務に関するスタッフの育成ができません。委託後、料金で折り合わなくなり、自社で経理をすることになったとき、他の委託業者へ変更するときには、詳細な引継ぎはないので、安定した経理ができなくなりリスクとなります。
委託する際には、いずれ自社で経理をするつもりで、共有できる範囲を確認するとよいと思います。
情報流出の可能性がある
資料・データの受け渡しがありますので、その方法の確認とPCのセキュリティの問題は、各社によって違いますので、確認が必要です。また、きちんとバックアップがとられているかなども確認しておくのもいいと思います。
自社だけで経理をしていると、PCやサーバーに不具合が生じたときにデータが全てなくなってしまいますが、委託する会社にバックアップがあれば、ある程度データが残っているのでリスクを回避できるという考え方もあります。
経理処理の重複がある
3)でも記載しますが、委託する内容を整理しないと、委託する会社へ資料を提出する際に自社で行ったことが、委託する会社でも同じことを行っているという場合があります。
自社で行う経理業務を明確にして、委託する会社と情報共有することが大切です。
経理処理が重複しては委託する意味がありませんし、互いにムダになりますので、委託する場合は、どの業務を自社でやり、どの業務を委託するかをある程度明確にしておくことをお勧めします。
委託の依頼をするための 5つのステップ
①経理業務をピックアップする
②経理業務のうち、自社で行うところと委託したいところとに分ける
③委託したい業務に、時間・人件費がどのくらいかかっているか計算する
④懸念していること・委託することによるデメリットを考える
⑤依頼する会社へ連絡する
①~③を検討してから、委託の依頼をするといいと思います。どのくらい人件費が削減できるかも明確になりますし、業務の重複がなくなります。
④は、委託会社へ依頼する際に、確認してみましょう!何かいい提案があるかもしれません。懸念していることがあるのであれば、クリアにしてから依頼しましょう!
さいごに
経理代行のアウトソーシングの会社もたくさんあります。各会社のメリットデメリットもあると思いますので、自社にあった会社へ委託を依頼してください。
税理士事務所でも経理の代行を行っているところもあります。個人的には、税理士事務所に依頼するのがお勧めです。経理のゴールの1つは、決算申告書の作成ですので、作成までのプロセスもすべて税理士事務所へ依頼することで、スムーズに経理業務を進めることができるからです。
また、税務に関してはプロですし、たくさんの経理をみているので、会社に合ったやり方を・料金を提案することができるからです。
また、毎月の経理を委託することで、会計のプロである税理士とコミュニケーションがとりやすくなります!経理は、プロに任せて、本業に専念してみてはいかがでしょうか?
川越の税理士法人サム・ライズでは、経理業務のサポートなども行っております。お気軽にご相談ください。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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