経営相談はどこにするのが適切?経営相談の相手を選ぶポイント
目次
こんにちは、埼玉県川越市の税理士法人サム・ライズの林公士郎です。
経営相談は、内容が専門的な知識を要するものが多く、また時には内密に相談したい事項などもあるため誰にでも相談できる内容ではないというものも多いのが実情です。
また、いざ相談したいと思っても誰に相談するのが適切なのかがわかりにくく、一人で抱えてしまう経営者の方もいるのではないでしょうか。
経営相談は、その内容をしっかりと解決できる場所に相談を行う必要があるとともに、いつでも気軽に相談がしやすい信頼できるパートナーとなる相手であることが重要です。
そこで今回は悩みを抱えている経営者の実情と、実際に経営相談を行う場合は、どんな相談先を選ぶのが良いのかについて詳しく解説します。
経営者は孤独である
基本的に経営者は孤独です。
経営者という立場上、職場の人間とは上司と部下という上下関係があるために、なかなか率直な意見を聞くことが難しいという点、また、場合によっては査定評価なども影響し、特定の人ばかりに相談をすることで贔屓をしているとみられてしまう場合もあるからという実情もあるかもしれません。
さらに職場の人間は、社内のことはわかっていても、その問題を専門的な知識をもって判断し、解決策を出していくことは難しいと言えます。
経営相談という難しい判断が伴う内容である以上、相談相手はその内容のプロであり、社内の面倒な利害関係などを気にする必要のない専門家に相談をするのが一番良いでしょう。
中小企業の経営相談の実情
経営相談は、その道のプロに相談を行うのが一番良いと言えます。
しかし、いざ社外で見つけるとなると、今度はどのような視点で探せばよいのか、それぞれの内容ごとに相談相手を見つけなければいけないのかなど、わからないことも多く面倒になってしまいがちです。
とはいえ、経営相談の出来る相手は、面倒でも必ず見つけた方が良いと言えます。
ではなぜ経営相談が出来る相手を見つけた方が良いのでしょうか。
実は中小企業庁が、経営者に相談相手はどの程度いるのか、相談相手がいる場合といない場合でどの程度経営に影響が出るのかなどについて調査した結果があるのでご紹介します。
日常の相談相手の実態
実際のところ、日常的に相談をできる相手がいる経営者はどのくらいいるのかを見てみましょう。
以下は、業種別・従業員別に見た、日常の相談相手の有無を集計したものです。
日常の相談相手の有無(従業員階級、業種別)
製造業 | 非製造業 | |||
---|---|---|---|---|
いない | いる | いない | いる | |
0人 | 48.1% | 51.9% | 44.0% | 56.0% |
1~5人 | 35.5% | 64.5% | 36.0% | 64.0% |
6~20人 | 27.8% | 72.2% | 25.5% | 74.5% |
21~50人 | 22.8% | 77.2% | 19.8% | 80.2% |
51~100人 | 21.1% | 78.9% | 19.7% | 80.3% |
101~300人 | 13.1% | 86.9% | 21.4% | 78.6% |
301人以上 | 23.8% | 76.2% | 15.6% | 84.4% |
従業員数の規模が比較的小さい中小企業において、2~3割の経営者は相談相手がいないことがわかります。
特に、従業員がいない4割以上の経営者は孤軍奮闘状態で、相談相手がいない状態であることが浮き彫りになっています。
中小企業の経営者は、経営者としての業務と、現場のプレイヤーとしての役割の両方を担っている方も多いため、
・業務不可がかかりすぎていて、ゆっくりと経営相談を行う時間がもてない
・課題が山積みであるが、整理をする時間がないため何が課題であるかも明確にできていない
・事業をはじめたばかりでそもそも相談相手がいない
といった理由が考えられます。
有効なアドバイスがもらえる相談相手
次に日常の相談相手のうち、相談をした結果最も有効なアドバイスがもらえた相手が誰であるかを見てみましょう。
最も有効なアドバイス等の提供者(従業員規模別)
■5人以下
税理士・公認会計士 24.5%
同業種の経営者仲間(取引先除く) 19.1%
経営陣、従業員 10.8%
■6人以上20人以下
税理士・公認会計士 26.6%
経営陣、従業員 18.8%
同業種の経営者仲間(取引先除く) 15.3%
■21人以上100人以下
経営陣、従業員 25.4%
税理士・公認会計士 20.8%
同業種の経営者仲間(取引先除く) 14.1%
■101人以上
経営陣、従業員 30.9%
税理士・公認会計士 21.6%
士業(税理士・公認会計士以外)・コンサルタント 10.8%
アンケートの結果、事業規模が小さい会社は、「税理士・公認会計士」からのアドバイスが最も有効であったと応え、企業規模が大きくなるにつれ「経営陣、従業員」の割合が大きくなることがわかります。
企業の成長にあわせて経営陣や従業員の意識も変化し、頼れる人材が育ち、さらに外部から専門的な知識をもった人員を連れてくることにより相談できる相手が増え、「経営陣、従業員」の割合が大きくなることが考えられます。
つまり最も良い体制は、小中規模の時期は「税理士・公認会計士」への相談を密に行い、会社の規模が大きくなるのにあわせて社内体制も整え、社内でも経営相談を行える人材を強化していくという二本柱の体制を整えることが重要だと言えるでしょう。
経営相談を行うことにより業績の伸びを実感
最後に、相談相手がいることにより、業績の伸びに影響を与えたかどうかについてのアンケート結果を見てみましょう。
下記アンケート結果は、直近5年間の経常利益の傾向別に集計されたものです。
経常利益の傾向(日常の相談相手の有無別)
小規模事業者
相談相手がいる | 相談相手がいない |
---|---|
大幅減少 5.0% | 大幅減少 6.1% |
減少 21.8% | 減少 24.7% |
横ばい 41.3% | 横ばい 45.0% |
増加 29.7% | 増加 23.6% |
大幅増加 2.3% | 大幅増加 0.7% |
中規模企業
相談相手がいる | 相談相手がいない |
---|---|
大幅減少 3.0% | 大幅減少 5.0% |
減少 18.8% | 減少 20.3% |
横ばい 38.0% | 横ばい 41.7% |
増加 37.2% | 増加 30.0% |
大幅増加 3.0% | 大幅増加 3.0% |
結果は、企業の規模に関わらず、日常の相談相手がいる経営者のほうが経常利益の傾向について「大幅増加」もしくは「増加」と回答した割合が高い結果となっています。
このことからも、やはり経営者には会社の経営について相談できる相手がいたほうが、結果的に会社の利益にも貢献していくことがわかります。
参考:中小企業庁「第3部 中小企業・小規模事業者と支援機関:第2章 中小企業・小規模事業者における経営課題への取組」
分野別の経営相談先
会社の経営に関わる相談内容にも、様々な種類のものがあります。
ここでは、一般的な経営相談分野ごとの適切な相談先をご紹介します。
経営相談分野
■弁護士
経営再建、M&A・事業継承など:事業再編時の法的手続き全般
■税理士
M&A・事業継承、資金繰り、起業・創業、税務処理全般など:借入に必要な各種書類の作成、税務申告書類の作成、中小企業の創業支援など
■司法書士
起業・創業:登記申請、不動産登記、裁判書類作成など
■社会保険労務士
起業・創業:就業規則、社内規程の作成・改定、助成金申請など
■中小企業診断士
起業・創業、M&A・事業継承:中小企業の創業支援、経営診断、経営コンサルタントなど
経営相談は誰に相談するかが重要
経営相談は、その道のプロに相談をするのが一番です。
経営相談の相手を選ぶ際には、その内容にあわせて以下のようなポイントを考慮して探すことをおすすめします。
経営相談の相手を選ぶ際のポイント
・M&Aや事業承継、事業買収といった内容に精通しているか、実績があるか
・起業や創業について業界のことや融資制度などの支援サービスについて熟知しているか、支援経験があるか
・経営数値の知見があるか
・労務管理全般の知識を有しており、適切な情報提供やアドバイスをしてもらえるか
・法的解決が必要な場合は、その分野の法的整理の相談ができるか
など
経営相談は、会社の未来を決める重要な内容であればあるほど、例えプロであっても本当にその分野の相談を得意としているのかを見極めなければ、期待したような解決策を見出すことはできないでしょう。
そのためにも、相談内容に応じて、その内容の知識を十分にもっているか、経験や実績があるかは必ず確認をしましょう。
また、相談を行う相手は、信頼がおけること、そしていつでも気軽に相談しやすい関係を築けていることも重要です。
これは出会った相手とすぐにその関係性を作り出すことは難しいので、長期的に関係を保っていける相手であることが大切です。
そして、なるべく相談内容について点ではなく線でつないで相談できるような連携体制が整っているところを選んだ方が良いでしょう。
サム・ライズは専門家ネットワークで経営相談を丸ごと解決
税理士法人サム・ライズは、一般的な税務会計はもちろん、経営支援や創業支援にも力を入れています。
創業してからおよそ40年が経ち、今では3つの法人経営をしています。その間、数々の試行錯誤を繰り返しここまで経営してきたからこそ経営者がどのような悩みを抱えているか、どのようなサポートを必要としているかがわかるため、親身になってアドバイスすることができます。
また、税務顧問サービスとは別に経営支援のための専門サービスも提供しており数々の実績を上げてきているからこそ、周りに多くのネットワークをもっています。
弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士などの専門家ネットワークはもちろんですが、集客に欠かせないWebマーケティングの専門家やデザイナー、コピーライター、そして、節税コンサルティング、相続・事業承継専門保険、投資、住宅リフォームなど、法律以外の専門家など、幅広く、そして強い連携をとっているため、お困りの内容にあわせて「点」ではなく「線」でつないだスムーズな経営相談を行っていただくことが可能です。
この問題はどこに相談すればいいのだろうか、といった悩み自体を払拭することができます。
会社のことで何かお困りのことがあれば、まずはサム・ライズにご相談ください。
税理士法人サム・ライズ「税理士は記帳代行と決算だけだとおもっていませんか?」
経営相談はどこにするのが適切?経営相談の相手を選ぶポイントまとめ
会社の経営を行う上で、悩みはつきものです。そんな時、気軽に相談できる信頼のおけるパートナーがいるかいないかで、この先の経営を骨太な事業にしていけるかどうかも変わってきます。
経営相談は、その分野の知識をもっているかとあわせて、これまでの経験や実績が大きくものを言います。そしてそれと同じくらい「誰と一緒に進むのか」も重要です。ぜひサム・ライズのノウハウをあなたの経営にお役立てください。
ご相談はオンラインでもお受けしています。まずはお気軽にお問い合わせください。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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