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新施設開所の時の拠点区分と資金移動
目次
ちょっと久しぶりになってしまいました。
今日から4月ということで、本日から新しく開所する施設も多くあると思います。
本日は、新施設を開設する時の会計処理について考えてみましょう。
例えば新しい入所施設を2年後の2022年に開所する事が決まったとします。
今は2020年ですが、開所が2年後でも、土地を購入する場合にはその手付金や購入代金の支払いは出てきますし、建物も先に工事は始まります。
これらの支出をどの拠点区分から出すのか、というのが本日のテーマです。
結論は、「開所が決まったら拠点区分を分けましょう」です!
おそらく一番多いのは本部会計から支出するという処理だと思いますが、このように処理をすると本来の本部会計の収入と支出に、新施設の収入支出が混ざってしまうことになります。
また、他拠点区分からの繰入を行う際にも、新施設のための繰入なのにもかかわらず、本部への繰入のように表示されてしまいます。
これらを避けるためにも、開所が決まったら新施設に関わる支出をする前に拠点区分を設けて、そこに他拠点区分からの繰入金を受け入れると良いです。
具体的に会計処理を見てみましょう。
2020年に2年後の新設開所が決定。今年度中に他拠点区分からの繰入2億円を実施し、土地を1億円で取得、建物の工事に関する前払金として3千万円を支出したところで決算が来たとします。
この場合の期中における会計処理は、
普通預金 | 200,000,000 | 拠点区分間繰入金収入 | 200,000,000 |
土地 | 100,000,000 | 普通預金 | 100,000,000 |
建設仮勘定 | 30,000,000 | 普通預金 | 30,000,000 |
となります。
2021年度になり、上記の建物が完成し、建築資金の残金1億2千万円と、建物付属設備3千万円、備品の購入500万円があり、1億円を借入支払ったところで決算を迎えます。
この場合の期中における会計処理は、
普通預金 | 100,000,000 | 設備資金借入金 | 100,000,000 |
建設仮勘定 | 155,000,000 | 普通預金 | 155,000,000 |
となります。
そして、2022年4月に開所の際に、建設仮勘定を適宜「建物」「建物付属設備」「器具備品」等の勘定科目に振り替えます。
ポイントは、「開所前でも拠点区分を分けても良い」ということです。
参考にしてみて下さいね。
では本日はここまでです。
税理士法人サム・ライズ
代表税理士。
大原簿記学校法人税税法課専任講師を得て平成5年12月税理士試験合格、平成8年1月林税理士事務所を開業、平成16年12月税理士法人サム・ライズを設立。
税理士法人サム・ライズは、税理士顧問・創業支援・相続税・資金調達・無申告・税務調査立ち合い・クラウド会計・社会福祉法人など数多くのサービスで中小企業の皆様をサポートいたします。
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