リーダーシップへの舞台裏Vol.28 ~今を駆ける社長のインタビューシリーズ~

目次
”仕組み化”だけでは語れない
~覚悟と挑戦が導いた組織成長の真髄~
業界の潮流を読み、独自メソッドで成果を出し続ける日下社長。仕組み化と理念浸透で組織を成長させる一方、迷いの時代を越えて得た“揺るがない軸”が今のスタイルを形づくっています。今回は、急成長の裏側にある、実直な挑戦と覚悟に迫りました!
【プロフィール】
1996年宮城県生まれ。高校・大学を中退後、アルバイトやホストを経験し、19歳で社会へ。初めての就職先をわずか3ヶ月で解雇されたことを機に自身と向き合い、読書から成功者の思考法を学び始める。
20歳の時には、妻の妊娠をきっかけに「子どもに背中で示せる生き方」を決意し、筋トレに没頭。24歳でパーソナルトレーナーとして独立。独自の機能改善メソッドを開発し、再現性の高い”仕組み化”で事業を拡大中。
プライベートでは「30歳までは休まない」と決めハイギアで事業推進しつつ、家族との時間を守るため“ローギアの日”も意識。将来的には「オフの男」になることも密かな目標にしている。
業界の“第3フェーズ”を読み解く!
差別化の本質とは
倉橋:さて、第28回となる今回のゲストは、株式会社リアルボディRグループ代表の日下龍哉さんです!日下社長は、2020年に完全個室のパーソナルジムをオープンし、今では宮城県を中心に14店舗も展開されているそうで……ジムに通っていたことがある私としては、今日お話を伺うのがすごく楽しみでした。よろしくお願いします!
日下:こちらこそ、よろしくお願いします!
倉橋:早速ですが、まず驚いたのが店舗数の多さなんです。少し前にライザップさんの影響でパーソナルジムが一気に広まり、競争も激しくなっていますよね。そんな中で14店舗まで広がった理由というか、ここまで成長した背景ってどんなものがあるんでしょうか?
日下:そうですね、まず大前提として、業界全体がここまで広がったのは、やっぱりライザップさんの存在が大きいと思います。あれだけ広告を打ってくれたことで、パーソナルトレーニングジムっていうカテゴリーそのものの認知を一気に広げてくれました。僕らもその恩恵は確実に受けてます。
ただ、認知が広がった後って、業界にも「フェーズ」があると僕は思っていて。まず第1フェーズは“パーソナルジムって何?”という認知の段階。これは完全にライザップさんが終わらせました。次の第2フェーズは“なぜ結果が出るのか”というエビデンスの競争で、これもケトジェニックダイエットなどの情報が広まったことで終わっているんです。今は第3フェーズで、ここはもう「差別化」が勝負なんです。
多くのジムが“同じメソッドの模倣”から抜け出せていない中で、うちは「機能改善」を軸にした独自メソッドを作り上げています。
倉橋:なるほど、フェーズごとに必要なことが変わっていくんですね。その中で“機能改善”に着目されたのがすごく興味深いです。その独自メソッドについて、もう少し詳しく聞かせていただけますか?
日下:はい。うちのメソッドは、簡単に言うと“筋肉を増やす”のではなく、今眠っている筋肉を目覚めさせることなんです。実は現代人って、毎日ほぼ同じ動きしかしないので、全身の50%くらいしか筋肉を使えていないんですよ。それが代謝低下や太りやすさの原因になっています。
だから僕たちは、まずカウンセリングの段階で骨格のゆがみを細かくチェックします。骨盤の向き、膝の角度、肩の位置、歩き方まで全部見て、「どの筋肉が使えていないか」「どこが機能していないか」を特定するんです。
そして、その“使えていない筋肉”を活性化するトレーニングを行うことで、筋肉量は増やさなくても代謝が自然に上がっていく。これがうちの「機能改善」メソッドです。一般的なパーソナルジムは、食事制限と2ヶ月の筋トレで一気に体重を落とすんですが、それだと筋肉量が増えても代謝アップは年間で13キロカロリー程度なんですね。だからリバウンドしやすい。
でも、僕たちのアプローチは“筋肉を新しくつける”のではなく、“今ある筋肉を正しく使えるようにする”。だからリバウンド率は0%なんです。この「筋肉を増やさずに代謝を上げる」アプローチを日本で初めて始めたのがうちで、今も他社さんはやっていないので、ここが大きな差別化ポイントになっています。
倉橋:なるほど…理屈を聞くとすごく納得ですし、だからこそ“リバウンドしない”という結果にもつながっているんですね。


日下社長によるトレーニング風景
“誰が担当しても同じ結果”を実現する指導設計
倉橋:でも、ここまで専門的で繊細なメソッドを、全店舗・全トレーナーさんが同じクオリティで提供できているのって本当にすごいことだと思うんです。そのあたり、どうやって組織全体で再現しているんですか?
日下:そうですね、うちの場合はメソッドそのもの以上に、それをちゃんと再現できるようにした“仕組み化”がすごく大きいと思っています。もともと、この機能改善の技術って、本来なら習得に1~5年くらいかかるものなんです。
でも、それだと店舗も増やせませんし、僕自身が対応できる人数にも限界がありますよね。なので、「僕だけができる状態をつくらない」ということを意識して、“誰でも2ヶ月で再現できるレベル”まで落とし込む作業に時間をかけました。
具体的には、骨格のチェック方法・どの筋肉が使えていないかの判断基準・その人に合わせたトレーニングの組み立て・伝え方や指導時の言い回しなど、こういったものを全部マニュアル化して、迷わずに実践できるようにしたんです。
それに加えて、スタッフがきちんとできているかを確認する担当者も置いて、質が揃うようにしています。その結果、今年は僕自身が現場に入ったのは本当に数回なんですが、それでも全店舗が安定して黒字で、成約率も95%以上を維持できています。“誰が担当しても同じ結果が出せる仕組みになっている”というのが、全店舗で再現できている理由ですね。
倉橋:すごいですね…!仕組みがここまで整っていると、確かに誰が担当しても同じ結果が出せるというのは納得です。でも、どんなに仕組みが整っていても、最後にそれを動かすのは人だと思うんです。スタッフさんたちが同じ基準で動けているのは、やっぱり教育や理念の部分が大きいのかなと感じたんですが、そのあたりはどうされているんでしょう?
日下:仰るとおり、仕組みがどれだけ整っていても、やっぱり最後に動かすのは“人”なので、教育と理念の共有はすごく大事にしています。
実は、今スタッフが30名ほどいるんですけど、その半分とは僕、まだ一度も会ったことがないんですよ。関東の店舗も増えてきて、物理的に全員と会うのが難しくなってきているんです。なので、どうしても僕と普段関わるコアメンバーと、新しく入ってくるスタッフとでは、理念の浸透度に差が生まれやすいんですよね。そこで今取り組んでいるのが、僕の考え方や理念をすべて動画化することです。
入社したらまずその動画を何周も見てもらって、僕が大事にしている“お客様を全肯定する”というスタンスや、会社として大切にしている価値観を最初の段階でしっかり伝えるようにしています。
逆に言うと、その理念に共感できない場合は、研修期間中に辞退してもらっても大丈夫というスタンスなんです。理念に合わない人が入ると、1年後・2年後でもやっぱりブレてしまうので、最初の採用がすごく大事だと思っています。スタッフ教育も同じで、店長たちにはマニュアル通りの指導をしてもらっていますが、それと同時に“どういう気持ちでお客様と向き合うべきか”という部分もセットで伝えていくことで、組織全体が同じ方向を向けるようにしています。
“核のない自分”からの脱却──
生き方を変えた瞬間
倉橋:理念も仕組みも、ここまでやるんだ…と驚かされっぱなしです。きっと日下社長の“これまで”が今のスタンスを作ったんだろうなと感じたんですが、どんな経歴を歩んでこられたんでしょう?すごく気になります!
日下:実は僕、独立するまでずっと営業マンをしていました。19歳からですね。途中で1年ほど空白期間はあるんですが、24歳で今の事業を始めるまでは不動産の営業がメインでした。不動産を選んだ理由はすごくシンプルで、「稼ぎたい」という気持ちが強かったからです。
当時付き合ったばかりだった今の妻にも相談したんですが、彼女にも“青天井の仕事じゃないとダメなんじゃない?”と言われて。普通の仕事って収入の上限が決まっているじゃないですか。だから青天井で稼げる仕事=営業か社長のどちらかしかないな、と。そこから不動産営業に入ったんです。
倉橋:不動産営業から今のパーソナルジム業界へ…かなり大きな転身ですよね。その間には、どんなきっかけや転機があったのでしょうか?
日下:はい、いくつかきっかけはあるんですが…まずは20~24歳くらいまでの“迷っていた時期”が大きいですね。目標もなくて、流されるように仕事をしていて、自分の中に「これだ!」と言える“核”が全然なかったんです。
そこから少し変わり始めたのが、本を読むようになってからで。営業で結果が出ずに悩んでいた時、いろんな成功者の本を読み込んでいたら、考え方や捉え方に共通点があることに気づいたんです。それで、自分の中にも少しずつ“核”みたいなものができてきて。
そして、やっぱり一番大きかったのは子どもを授かったことですね。「このままじゃ生まれてくる子を不幸にしてしまう」と強烈に思って、生き方そのものを見直しました。自分が本気でやり抜く姿を見せたい、っていう気持ちが強くなって。
その頃、不動産の仕事と並行して筋トレにハマっていたので、「ボディビルで日本一になれたら、人生を変えられるかもしれない」と思ったのが、この業界に入るきっかけです。だいぶ単純なんですけど(笑)。
でもその覚悟を形にするため、当時「10年間、1日も休まない」と決めて、それも今まで続けています。続けた先に見える景色って絶対あると思うので、それを子どもにも背中で伝えたいんですよね。
倉橋:「10年間、1日も休まない」を本当に続けているのは圧巻です…!その姿勢が、まさに今の事業の成果につながっているんだろうなと感じますね。そんな日下社長だからこそ、これから起業したい人・独立を考えている人に伝えたいことがあると思うんです。次にそのあたりもぜひお聞きしたいです!
日下:そうですね…まず大前提として、“自己流だけでは絶対にたどり着けない”と思っています。
だからこそ、僕がずっと意識してきたのは、すでに結果を出している人の考え方や行動を徹底的にインプットすることなんです。成功している人って、それぞれやり方は違っても、心構えや物事の捉え方には共通点があります。
だからまずはその基準を知ること。知らないまま走り出しても、方向がズレてしまいますしね。それと、僕はよく”TTP=徹底的にパクる”と言っているんですけど(笑)、これは“自分の能力を信じない”という意味でも大事にしていて。自分に才能があるとは思っていないからこそ、素直に「うまくいっている人に聞く」「できている人のやり方を真似する」というスタンスを貫いてきました。
あとは、愚直にやり続けることですね。方向さえ間違っていなければ、それを続けることで必ず結果は出ます。僕自身、その積み重ねだけでここまで来た感覚があります。起業って“特別な才能”よりも、「正しい方向を知る」「素直に吸収する」「続ける」この3つがすべてだと思っています。

直営100店舗の先にある、
“生き方”としての未来ビジョン
倉橋:日下社長のお話って、どれも本質的でありながら実践的で、すごく腑に落ちます。だからこそ、この先どんな未来を目指しているのかがますます気になってきました。ぜひ、今後のビジョンについても教えてください!
日下:ありがとうございます。事業としては、直営で100店舗、最終的には300店舗まで伸ばすというのが大きな目標です。パーソナルジムって多店舗展開するとほとんどがフランチャイズに切り替えるんですが、直営のまま広げているところって実は業界でもほぼなくて。だからこそ、僕は直営にこだわりたいんです。
理念もクオリティもブレずに届けたいので。まずは100店舗、そして300店舗まで必ず到達します!
倉橋:直営で100店舗、そして300店舗まで──そのスケールに本当にワクワクしますし、日下社長ならきっと実現されるんだろうなと感じました。だからこそ、事業の先にある“日下社長ご自身の未来像”もますます気になります。働き方として、どんな未来を描いていらっしゃるんでしょうか?
日下:“将来の働き方”という意味では、実はいつか「オフの男」になりたい気持ちもあるんですよ(笑)。今は30歳までは休まないと決めてますし、ハイギアで走り続ける時期だと思ってます。
でも、全てをハイギアにしてしまうと家庭が崩れるんですよね。なので今は、完全なオフを作らずに“ローギアの日”を意識して、家族と温泉に行く時でも露天風呂で1時間だけ仕事する…みたいなバランスでやっていて。事業としては全力で加速させつつ、将来的には家族との時間も大事にできるような働き方にシフトしていけたらいいなと思っています。
倉橋:「オフの男になりたい」という言葉がとても印象的ですね。事業の拡大とご家族との時間、そのバランスを自分でつくりながら進んでいく姿勢に、私自身もすごく刺激を受けました!
日下社長、本日は、貴重なお話をたくさん聞かせていただき、本当にありがとうございました。メソッドや組織づくりだけでなく、覚悟の裏側にある想いや、生き方の軸までお伺いできて、とても濃い時間になりました。これからのご活躍、そして100店舗・300店舗という大きなビジョンの実現を、心から楽しみにしています!

「女性を応援する」という姿勢は、仕事だけでなく私生活にも一貫して流れています。奥様への深いリスペクトと信頼関係は、日下社長の事業の軸そのもの。忙しい中でも家族との時間を大切にすることで、「支え合う在り方が自然と身についていた」「自分は多くの人に支えられていると気づかされる」と語ります。その実感こそが、女性に寄り添うジムづくりの原点になっています。
会社概要
株式会社リアルボディRグループ
【事業内容】
パーソナルトレーニングジム
【所在地】
〒981-3133 宮城県仙台市泉区泉中央四丁目11番地の6啓進ビル4F
(TEL)022-200-6103
ジム店舗数/14店舗(2025年12月現在)
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